東京都の蓄電池の補助金を調べると、「1kWhあたり10万円」「最大300万円」「実質0円」と、いくつもの数字が出てきます。
たとえば7kWhの蓄電池なら、都からだけで70万円です。ただし、もらえるのは税抜の費用までで、契約の順番を間違えると受け取れません。
この記事では、容量ごとの補助の額と、実際の価格で出した自己負担を並べます。営業の話が本当かを自分で確かめる方法と、損しない申請の順番もまとめました。
この記事を書いた人
蓄電ラボ管理人
大手メーカーでリチウムイオン電池の開発に長年従事。さまざまな機器の電池設計・評価で培った知見をもとに、家庭用蓄電池の技術を中立的な立場で解説しています。
東京都の蓄電池補助金はいくら?
令和8年度(2026年度)の東京都の補助は、蓄電池1kWhあたり10万円です。容量が大きいほど、多くもらえます。
1kWhあたり10万円、上限は120万円
7kWhなら70万円、10kWhなら100万円です。DRに参加しない場合は、1戸あたり120万円で頭打ちになります。12kWhを超える蓄電池は、どれも120万円です。
蓄電ラボ管理人電池の仕事をしてきた身から見ても、1kWhあたり10万円は大きな額です。国のDR補助金(1kWhあたり約3.45万円・今年度は受付終了)と比べても、3倍近くあります。
DRの上乗せは10万〜15万円
DR実証とは、電気が足りなくなりそうな日に、蓄電池の充電や放電を外から少し調整する取り組みです。参加すると10万円が足され、120万円の上限もなくなります。
調整に使う機器(IoT機器)を新しく付けると、1台あたりさらに5万円が足されます。機器が蓄電池のセットに入っている場合は、足されるのは10万円だけです。
| 容量 | DRなし | DR参加 | 機器も新設 |
|---|---|---|---|
| 5kWh | 50万円 | 60万円 | 65万円 |
| 7kWh | 70万円 | 80万円 | 85万円 |
| 10kWh | 100万円 | 110万円 | 115万円 |
| 12kWh | 120万円 | 130万円 | 135万円 |
| 14.4kWh | 120万円 | 154万円 | 159万円 |
| 16kWh | 120万円 | 170万円 | 175万円 |
表の額は蓄電池1台・IoT機器1台の場合です。どの額も、税抜の費用を超えては出ません。出典:クール・ネット東京「令和8年度 家庭における蓄電池導入促進事業」・助成金申請の手引き(2026年9月28日確認)。
たとえば14.4kWhの蓄電池なら、DRに参加しなければ120万円、参加すれば154万円です。DRに参加したほうがいいかは、後ろの章で電池の技術者として説明します。
税抜の費用より多くはもらえない
もらえるのは、「容量×10万円」と「税抜の費用」の小さいほうです。税抜の費用は、機器と工事の代金から消費税を除いた額です。
どう組み合わせても、消費税の分は自分で払うことになります。ふつうの価格なら税抜の費用のほうがAより大きいので、補助はAの額になります。
いまある蓄電池に増設するとき
- ・1kWhあたり6万円(DRに参加しなければ上限72万円。DRの上乗せは同じ)
- ・太陽光がすでにある家が対象
- ・増設したあとも安全に使えることを、確かめられるのが条件
工事で「リフォーム瑕疵保険」(工事の不具合に備える保険)に入ると、1契約7,000円も出ます。
自己負担を容量別にシミュレーション
都の補助を引いた自己負担は、9.8kWhで58万円、12.7kWhで47万円です。区の上乗せがなく、DRに参加しない場合で計算しました。
容量別の自己負担(区の上乗せなし・DRに参加しない場合)
自己負担がいちばん小さいのは12.7kWh。12kWhを超えると、都の補助は120万円で止まります。
価格=同じメーカーの同じシリーズで容量だけ違う4機種の、工事費込みの通販価格(税込・2026年9月3日時点)。都の補助=容量×10万円(DRに参加しない場合は120万円まで)。区の上乗せとDRの上乗せは含みません。
グラフから分かること
- ・工事費はおよそ30万円で、容量が小さくてもほとんど下がりません。そのため小さい容量ほど、価格に占める補助の割合が小さくなります(6.3kWhは44%、12.7kWhは72%)
- ・12kWhを超えると、DRに参加しない限り補助は120万円で止まり、自己負担が増えます(16.4kWhは89万円)
- ・DRに参加すると上限がなくなり、自己負担は12.7kWhで30万円、16.4kWhで35万円まで下がります(DRの上乗せ10万円で計算)
- ・区の上乗せがあれば、そこからさらに下がります。たとえば杉並区は定額5万円です
補助の額は容量で決まるので、同じ容量なら、見積もりが10万円高いと自己負担も10万円増えます。また補助は後払いなので、いったんは全額を自分で払います。
何年で元が取れるかは、太陽光があるかと、電気の料金プランで大きく変わります。条件ごとの年数は、次の記事で試算しています。
蓄電池は元が取れる?取れない?条件別に試算した結論
太陽光の有無・補助金・料金プランの条件ごとに、何年で元が取れるかを計算しています。 → 読んでみる


自分はもらえる?3つの条件
都内の家に新品の蓄電池を新しく置く人なら、次の3つを満たせばもらえます。
- 1太陽光がある・同時につける・再エネ100%の電気を契約する、のどれか
- 2機種が、SII(国の補助事業を運営する団体)の一覧に載っている
- 3申し込むのが、その家の持ち主(マンションは持ち主か管理組合)


太陽光か、再エネ100%の電気が要る
- ・すでに太陽光がある → そのまま対象です
- ・太陽光も同時につける → 対象です。太陽光の補助(今ある家なら1kWあたり12万〜15万円)も別にもらえます
- ・太陽光がない → 再エネ100%の電気を契約すれば対象になります
再エネ100%の電気とは、太陽光や風力でつくった電気だけを売る料金プランです。このやり方で申し込んだ人は、補助をもらってから6年は、その契約を続ける決まりです。電気の会社を変えるときは気をつけてください。
区の上乗せは、太陽光をつなぐことを条件にしている区があります(23区の表の「太陽光」の列)。
機種はSIIの一覧で確かめる
2026年10月1日以降に事前申込をするなら、SIIの令和8年度の一覧に載っている機種だけが対象です。4月1日〜6月30日に契約した分は除きます。
型番の確かめ方
- 1見積書に書かれた、蓄電池の型番を控える
- 2SIIのホームページの登録済製品一覧で、型番を探す
- 3令和8年度の一覧に載っているかを見る
テスラの場合、SIIに登録されているのはPowerwall 3です(Powerwall 2は登録がありません)。補助を引いた価格の比べは、テスラ パワーウォール3の記事にまとめています。
太陽光・蓄電池・V2Hを1台のハイブリッド型パワコンでまかなう場合は、都の制度のどれか1つにまとめて申請します。V2Hの額はV2Hの補助金の記事で確かめてください。
マンションも対象になる
一戸建てだけの制度ではありません。マンションでも、持ち主か管理組合が申し込めます。公社も、営業の「都内の一戸建て限定」という言い方を、事実と違うと答えています。
マンション・リースのとき
- ・置き場所と管理規約は、先に管理組合に確かめる
- ・区の上乗せは、新宿区のように集合住宅を対象にしない区がある
- ・リースで入れるなら、貸す会社と一緒に申し込む
東京都の蓄電池補助金は怪しい?
制度そのものは東京都の事業で、怪しいものではありません。怪しいのは、制度の名前を使った一部の営業の言い方です。
制度は本物、怪しいのは一部の営業
申し込みを受け付けているのは、東京都環境公社(クール・ネット東京)です。令和8年度は、太陽光や断熱を含む事業全体で約1,012億円の予算が組まれています。
公社は、「後日、事業者から返金が受けられる」「実質的に、お客様の費用負担なしで設置できる」といった営業を受けたら、不正な申請になるおそれがあると注意しています。
電話や自動音声の案内に注意
- ・都や公社が、電話や自動音声のアンケートで補助金を個別に案内することはありません(広報東京都 2023年4月号)
公式が「事実と違う」と答えた営業の言葉
公社は2024年11月22日のお知らせで、ネット広告などに出てくる言い方を1つずつ否定しています。
| 言われたこと | 公社の答え |
|---|---|
| 「申請は、許可された業者に頼まないといけない」 | 許可や登録の制度ではない |
| 「最大300万円の補助、3万戸限定!」 | 最大300万円ではない。戸数ではなく、予算の上限で受付が終わる |
| 「都内の一戸建て限定」 | 集合住宅も対象 |
| 「2023年度は3か月で終了」 | 3か月で終わった事実はない |
| 「審査も条件もなく、申請したら必ずもらえる」 | 要件を満たしているか審査がある |
| 「蓄電池を置けば、電気代が0円になる」 | 料金プラン・太陽光の出力・蓄電池の容量・天気などで変わる |
出典:クール・ネット東京「蓄電池や太陽光発電のセールスなど誇大広告の案内には、特に注意をお願いします!」(2024年11月22日)。公社の答えは要約です。
蓄電池だけなら、DRに参加しない場合の上限は1戸120万円です。「300万円」と言われたら、その額に蓄電池のほかに何が入っているのかを聞いてください。


消費税の分は、補助を足しても残る
営業の「実質0円」「ほぼタダ」は、この制度の決まりの上では起きません。都・区・国の補助を合わせても、税抜の費用までしか出ないからです。
見積もりでこれより小さい自己負担を言われたら、値引きやキャッシュバックを差し引かずに申請する形になっていないかを確かめてください。
値引きやキャッシュバックの予定額は、補助の計算から引き、契約書の内訳に書く決まりです(商品券やポイントも同じ)。
公社が名前を公表した手続代行者(申請を代わりにする会社)4社は、どれも「実際の契約より高額な契約書を作成して申請」していました。不正な申請と分かると、交付の取り消しや返還の対象になります。
契約の前に確かめる4つ
- 1見積書に、税抜の機器代と工事代が分けて書いてあるか
- 2値引き・キャッシュバック・商品券・ポイントの予定が、契約書の内訳に書いてあるか
- 3払い方が、振込・カード・ローンなど記録が残る方法か(現金・業者の立て替えは対象外)
- 4その会社が、公社の「手続代行者への措置等について」に載っていないか
4つ目の一覧に載っている会社が工事をした申請には、措置の期間中は補助が出ません。この4つを確かめて、事前申込の受付のあとに契約すれば、制度どおりに受け取れます。



私なら、見積書を受け取ったら最初に消費税の行を探します。補助が税抜の金額までしか出ない以上、そこだけはどう組み合わせても0円にならないからです。
もう契約してしまって不安なとき
- ・家に来た営業や電話の営業なら、契約の書面を受け取った日から数えて8日以内は、理由を言わずに取り消せます(クーリング・オフ)
- ・迷ったら「188」に電話すると、近くの消費生活センターにつながります(相談は無料・通話料はかかります)
蓄電池の訪問販売で騙されないために|手口と見極め方
訪問販売でよくある言い方と、契約の前に見積書で確かめる点をまとめています。 → 読んでみる


申請は2回、契約は1回目のあと
手続きは「事前申込」と「交付申請兼実績報告」の2回です。工事の契約は、1回目の受付の通知が届いてからにします。
申請の流れ(手続きは2回)
- ①
事前申込(1回目)
電子申請で出す。公社が受け付けると通知が届く
- 受付の通知が届くまで、工事の契約をしない受付の日より前の契約は、補助の対象になりません
- ②
契約・工事・支払い
振込・カード・ローンなど、記録が残る方法で払う。DRに参加するなら、DRの契約もここで
- ③
交付申請兼実績報告(2回目)
工事と支払いが済んでから出す
区の補助も使うなら、区の手続きが先 - ④
審査が終わると振り込み
額が決まってから振り込まれる。それまでは全額を自分で払っておく
① 事前申込は、契約より前に出す
最初に認証用のメールアドレスを登録し、電子申請で事前申込を出します。公社が受け付けると、通知が届きます。
ここだけは守る
- ・受付の日より前に結んだ契約は、補助の対象になりません
- ・2回目は、事前申込の受付から1年以内に出す(令和11年3月30日が先に来るなら、その日まで)
② 支払いは振込・カード・ローンで
令和8年度から、支払いの証明は金融機関が出したものに限られます。振込・クレジットカード・ローン・デビット・QR決済など、記録が残る方法で払います。
補助の対象にならない払い方
- ・現金で払う
- ・業者や知人に立て替えてもらう(ローンやカードは使えます)
- ・同じ世帯でない親などが払う(その場合は、払った人が申請者になる)
- ・領収書だけで証明する(主な証明としては扱われません)
ローンの金利や振込手数料は、補助の計算に入りません。
払うのは申請する本人か、住民票で同じ世帯の人です(同じ世帯の人が払うときは、同意書と住民票が要ります)。DRに参加するなら、DRの契約もこの段階で結びます。2回目の申請のあとに結ぶと、上乗せは付きません。
③ 区の手続きのあとに、2回目を出す
工事と支払いが済んだら、2回目の「交付申請兼実績報告」を出します。区の補助も使うなら、先に区の額を決めてから都へ出します。都は区の分を引いて計算するためです。
区の補助も使うとき
- ・区によって、申し込みと工事の順番が違う
- ・区ごとの順番は、23区の表から区の記事へ進んで確かめる
④ 審査が終わると振り込まれる
審査が終わると「交付決定通知書(兼助成金確定通知書)」が届き、補助の額が決まります。お金はそのあとに振り込まれます。公式は「速やかに」払うと決めているだけで、何か月とは書いていません。
いまどこまで進んでいるかを見るには
- ・公式の申請状況の確認ページで、事前申込受付番号(R8B-から始まる番号)を入れる
- ・番号は公社に問い合わせても答えてもらえないので、手続きを任せた会社に聞く
工事を頼む会社は、どう選ぶ?
見るのは、2回の手続きをどこまで任せられるかと、DRに対応できるかの2つです。


申請まで任せられる会社を選ぶ
申請の手続きは、許可や登録が要る仕事ではありません。そのぶん、会社によって代わりにやってくれる範囲が違います。
見積もりのときに聞く3つ
- 1事前申込から2回目の申請まで、代わりに出してくれるか
- 2代行に費用がかかるか
- 3区の補助の申請も出してくれるか(都とは別の手続きです)
DRなら、登録された販売店に頼む
DRの上乗せをもらうには、アグリゲーター(たくさんの家の蓄電池をまとめて調整する会社)が登録した販売店から買う決まりです。リストにない会社から買うと、DR用の機器は補助の対象になりません。
販売店のリストは、公社のDR実証ポータルで、アグリゲーターごとに公開されています。なお、リストは都や公社が優良な会社と認めたものではありません。
- ・事前申込から2回目の申請まで引き受け、代行は追加費用なしと、公式サイトに書いています
- ・令和8年度の都の共同購入事業(第1次募集)で、蓄電池だけを置く区分の施工会社に選ばれました
- ・DRの販売店のリスト(Shizen Connect・NextDrive)に載っています(2026年9月28日確認)
- ・合わない人:東京都以外の方(申し込みは東京都の方限定)。区の補助の代行は公表されていないので、相談のときに聞いてください
口コミの中身は、省エネタイガーの評判の記事にまとめています。
ほかの3社とはどう違う?東京都に対応する4社の比べ
えねこ・節電プロ・ECODAを含む4社の、会社の成り立ち・保証・申請の代行の範囲を並べています。 → 読んでみる


23区の上乗せはいくら?
23区のうち18区に、蓄電池の上乗せがあります。都の補助と両方もらえます。区の額が決まってから、都の2回目の申請を出す順番です。
23区すべての公式サイトを2026年8月16日に確認し、蓄電池だけを置く場合の額でそろえました。区の名前から、区ごとの記事(条件・書類・締切)へ進めます。
| 区 | 区の助成額 | 太陽光 | 受付状況 |
|---|---|---|---|
| 千代田区 | 対象経費の20% 上限100万円 | 不要 | 一旦終了 (予算到達) |
| 中央区 | 1万円/kWh 上限10万円 | 必要※ | 受付中 |
| 港区 | 4万円/kWh 上限20万円 | 不要 | 受付中 |
| 新宿区 | 1万円/kWh 上限10万円 | 必要※ | 8/17〜10/16 |
| 文京区 | 2万円/kWh 上限10万円 | 必要※ | 受付中 (消化36%) |
| 台東区 | 1万円/kWh 上限10万円 | 必要※ | 受付終了 次は令和9年度 |
| 墨田区 | 工事費の10% 上限5万円 | 不要 | 受付中 |
| 江東区 | 1万円/kWh 上限10万円 | 必要※ | 受付中 |
| 品川区 | 3万円/kWh 上限30万円 | 必要 | 受付停止 (予定件数超過) |
| 目黒区 | 本体価格の1/3 上限7万円 | 不要 | 受付中 (消化76%) |
| 大田区 | 実質1万円/kWh 上限20万円 | 必須 | 受付中 |
| 世田谷区 | なし | — | 区の助成なし |
| 渋谷区 | なし | — | 区の助成なし |
| 中野区 | 定額10万円 | 必要 | 前期終了 後期11/30〜 |
| 杉並区 | 定額5万円 | 不要 | 受付中 (残63%) |
| 豊島区 | 1万円/kWh 上限5万円 | 必要※ | 受付中 (執行47%) |
| 北区 | 1万円/kWh 上限10万円 | 不要 | 受付中 |
| 荒川区 | 5千円/kWh 上限15万円 | 不要 | 受付中 (執行57%) |
| 板橋区 | なし | — | 区の助成なし |
| 練馬区 | なし | — | 区の助成なし |
| 足立区 | 定額5万円 | 不要 | 2期〜9/30 3期10/1〜 |
| 葛飾区 | 対象経費の1/4 上限20万円 | 不要 | 受付中 |
| 江戸川区 | 最大4万円 | 要切替 | 受付中 (件数枠) |
「太陽光」の列の見方
- ・不要:蓄電池だけで申請できます
- ・必要※:太陽光またはエネファームとの常時接続が要件(中央・新宿・文京・台東・江東・豊島)
- ・必要:太陽光との接続が要件で、エネファームでは代えられません(中野・品川)
- ・必須:太陽光の設置工事とセットでしか申請できません(大田だけ)
「必要」の区でも、すでにある太陽光への後付けで構いません。同時に置かなければならないのは大田区だけです。
条件で額が変わる区
- ・中央区:エコアクトを実施していれば1.5万円/kWh・上限12万円
- ・江東区:太陽光と同時に申請すると2.5万円/kWh・上限20万円
- ・北区:区内業者に頼むと1.2万円/kWh・上限12万円
- ・荒川区:上限15万円は区内業者の場合。区外なら10万円
- ・足立区:区内事業者なら6万円
- ・杉並区:定額5万円ですが、都との合計が導入経費を超えると経費の範囲内まで減ります(交付要綱 第4条・区の公表ページには記載なし)
- ・葛飾区:太陽光を併設すると+5万円(設置費用80万円で上限20万円に到達するので、実際はほぼ定額です)
- ・大田区:蓄電池だけの枠ではなく、太陽光工事への上乗せ。同じ区分の合算で上限20万円(太陽光4kWで上限に届くため、蓄電池を足しても増えない場合があります)
- ・江戸川区:再エネ100%の電力への切替とセットが条件。内訳は切替そのものへの2万円と、蓄電池を入れたことへの上乗せ2万円で、合わせて最大4万円
- ・新宿区:集合住宅に住所がある方は蓄電池では申請できません(区の対象は断熱窓のみ。東京都の助成なら集合住宅も対象です)
- ・港区:カタログの定格容量ではなく初期実効容量で計算する
- ・中野区:定額10万円ですが蓄電容量4kWh未満は対象外。太陽光とつなぐだけでなく普段からためていることも要件です
- ・豊島区:1万円/kWhですが5kWhで上限5万円に到達するので、家庭用ではほぼ定額です
- ・目黒区:本体価格の1/3ですが21万円で上限7万円に到達するので、家庭用蓄電池なら実質どれも7万円です
- ・文京区:2万円/kWhですが5kWhで上限10万円に到達します。さらに東京都の助成額を引いたあとの経費と比べるので、蓄電池の税抜合計が蓄電容量×10万円+10万円を下回ると10万円に届きません
- ・墨田区:10%をかける工事費は東京都の助成を引いたあとの額です(交付要綱 第2条)。都を引いて50万円残れば上限の5万円、残りが10万円を下回ると対象外になります
金額はいずれも税抜・上限額です。区の助成額は2026年8月16日に23区すべてを確認した値です。
受付状況と予算の残りは2026年9月28日までに各区が公表した値で、月ごとに動きます。申請の前に各区のページでご確認ください。
世田谷・渋谷・板橋・練馬の4区には区の助成がなく、都の補助だけになります。多摩の市や町村の補助は、公社の区市町村の補助金等情報(令和8年8月14日時点)で確かめられます。
DRには参加したほうがいい?
電池の技術者としては、参加をおすすめします。電池の傷みはほとんど心配いらず、上乗せと上限の外れる分が大きいからです。ただし、条件と手取りは先に確かめておきます。
上乗せのかわりに、制御に協力する
DRに参加する条件
- ・都が登録したアグリゲーターと、2年度のあいだ契約する
- ・電気が足りなくなりそうなとき(需給ひっ迫の注意報・警報)と、年10日以上の制御に協力する
- ・申請は、アグリゲーターが登録した販売店に任せる
- ・DRの契約は、2回目の申請より前に結ぶ
手取りは機器の代金を引いて比べる
上乗せのうち5万円は、IoT機器1台ぶんです。機器の代金が見積もりに入るなら、その分を引いて比べます。
一方で、上限が外れる分は大きく、12kWhを超える蓄電池ほど差が出ます。先ほどの16.4kWhの例では、自己負担が89万円から35万円に下がります。
電池の傷みはほとんど心配いらない


「遠隔で充電や放電をされて、電池は大丈夫?」と気になる方もいると思います。電池開発の現場の感覚では、DRで電池にかかる負荷の増え方は、心配しすぎなくてよい程度です。
蓄電池の劣化は、使った回数で進むもの(サイクル劣化)と、置いておく時間で進むもの(暦月劣化)に分かれます。
| 劣化の種類 | 何で進むか | 家庭用蓄電池では |
|---|---|---|
| サイクル劣化 | 使った回数(充放電) | DRで回数が少し増えても、差は出にくい |
| 暦月劣化 | ただ置いておく時間 | こちらが寿命を左右しやすい |
家庭用蓄電池では、使った回数より、置いておく時間のほうが寿命を左右しやすいとされています。そのため、DRで放電の回数が少し増えても、寿命は大きくは縮みにくいと考えています(蓄電池の劣化の記事でも説明しています)。
DR遠隔制御の安全設計 ― 3つのしくみ
🔌
停電にはならない
ためた電気を家庭内で優先的に使うモードへ切り替えるだけ。電気が止まるわけではありません。
🔋
残量は確保される
あらかじめ設定したバックアップ用の残量を残したうえで制御されます。
↩️
自動で元に戻る
制御が終わったあとや通信が途切れたときは、元のモードに戻ります。
出典: 環境共創イニシアチブ「DR家庭用蓄電池事業 よくあるご質問」Q7(2025年時点)/経済産業省 DRready勉強会資料(2026年3月時点)。
発動の回数はアグリゲーターごとに違い、公表されていません。気になる方は、契約の前にアグリゲーターに回数の目安と保証への影響を聞いておくと安心です。



家庭用蓄電池は“使った回数”より“置いておく時間”で寿命が決まる面が大きく、放電が少し増えても大きな差にはなりにくいです。メーカー保証の範囲から大きく外れない限り、DRの上乗せは取りに行く価値があると思います。
よくある質問
令和8年度の事前申込は、2027年3月31日17時までです。ただし予算の上限を超えた日で受付を止めます(2026年9月28日時点で受付中)。前の年度(令和7年度)は、年度末の2026年3月31日17時まで受け付けました。公社は、予算を超えそうなときは事前にホームページで知らせるとしています。区の補助は、年度の途中で締め切られることがあります。
2回目の申請の審査が終わり、額が決まってからです。公式は「速やかに」払うとしていて、何か月とは決めていません。数か月かかることもあるので、いったん全額を払う前提で資金を用意しておきます。
公式の申請状況の確認ページで、事前申込受付番号(R8B-から始まる番号)を入れると見られます。番号は公社に問い合わせても答えてもらえないので、手続きを任せた会社に聞いてください。
1kWhあたりの額は、令和7年度の12万円から、令和8年度は10万円になりました。一方で、太陽光や断熱を含む事業全体の予算は、約702億円から約1,012億円に増えています。
補助をもらった蓄電池を6年以内に外す・売る・人に譲るときは、先に公社の承認が要ります。補助が払われたあとなら、決まった額を返すことになります。家を売る予定がある方は、契約の前に確かめてください。
使えます。ただし都・区・国の補助の合計は、税抜の費用までです。都や公社が出しているほかの同じ種類の助成とは、重ねて受け取れません。なお、国のDR補助金(令和7年度補正予算)は、2026年5月29日に予算の上限に達して受付を終えています。
公社のQ&Aは「税務署に問い合わせて」と案内しています。国の決まりでは、設備を買うための補助金は、確定申告で明細書を出せば所得に数えない仕組みがあります(所得税法42条)。出さない場合は一時所得として扱われます。金額が大きいので、申告が要るかは税務署か税理士に確かめてください。
公社の蓄電池ヘルプデスク(03-6737-5100)です。平日の9時〜17時(12時〜13時を除く)に受け付けています。電話番号は2026年9月1日に変わりました。
損しないために、やることは3つ
東京都の蓄電池補助金は、1kWhあたり10万円の手厚い制度です。損しないためにやることは、次の3つです。
- 1自分の容量と区で、戻る額と払う額を確かめる
- 2見積もりは複数社から取り、4つ(税抜の内訳・値引きの記載・払い方・措置の一覧)を見る
- 3事前申込の受付の通知が届いてから、工事の契約をする
令和8年度は受付中です(2026年9月28日時点)。慌てて契約する必要はありません。自分の容量と区の制度を確かめてから、納得して進めれば大丈夫です。



この制度でいちばん大事なのは、契約の順番です。ここだけは、営業の方の言葉より、公式の手引きを確かめてほしいと思います。
申請まで、まとめて任せたい方へ
省エネタイガーは、東京都の方限定で蓄電池と太陽光を扱う会社です。事前申込から2回目の申請まで引き受け、代行は追加費用なしと公式サイトに書いています。
申し込むと連絡が来るのは省エネタイガー1社だけです。見積もりをもらっても、契約するかは自分で決められます。
※東京都の方限定。ほかの会社とも比べたい方は→東京都に対応する4社の比べ
- 東京都以外の地域や国の制度も知りたい方は → 蓄電池の補助金はいくら?(全国版)
- そもそも蓄電池を入れるか迷っている方は → 蓄電池はやめたほうがいい?
- 見積書の中身を確かめたい方は → 蓄電池の見積書を読み解く5つの軸
すでに太陽光があり、蓄電池だけを追加したい方へ
すでに太陽光発電を設置していて、蓄電池だけを追加したいと考えている方は、蓄電池の見積もりを複数社で比較できるサービスから相場を確認するのがおすすめです。
※蓄電池単体の見積もりサービスです。入力は約1分で完了します。見積もりサイトの選び方は→見積もりサイトの選び方・使い方。


家庭用蓄電池を入れるかどうか、判断の順番を本にまとめました
同じ蓄電池でも、得する家と損する家に分かれます。
①我が家に向くか②何年で取り返せるか③どのメーカーを選ぶか④この見積書で契約していいか
4ステップで入れる・やめるを中立に判断し、納得して決められる一冊です。






コメント