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太陽光発電4kW・5kW・6kWの発電量と費用|何年で元が取れるか

太陽光発電の4kW・5kW・6kWは何年で元が取れるかを47都道府県で計算し、平均的な家は4〜6kWが目安で、決め手は屋根・使い方・値段であることを示したアイキャッチ画像

太陽光の見積もりやハウスメーカーの提案で、「5kW」「6kW」という数字が出てきます。屋根にはもう少し載りそうだと言われることもあります。

1日にどれだけ発電して、いくらかかって、何年で元が取れるのか。もっと載せたほうが得なのかも、気になると思います。

太陽光は、1kW で年に約1,240kWh 発電します。4kW・5kW・6kW の発電量と費用、元が取れるまでの年数は次のとおりです。

表1|4kW・5kW・6kW の発電量・費用・元が取れる年数

容量1年の発電費用元が取れる
4kW4,940kWh1日 13.5kWh約132万円16.7年
5kW6,175kWh1日 16.9kWh約166万円17.6年
6kW7,410kWh1日 20.3kWh約199万円18.4年

※発電は国の2025年の実績(1kW で年1,235kWh)、費用は2025年に付けた家の平均(既築・1kW あたり税込33.1万円)で、平均的な家として筆者が計算しました。前提は後の見出しにまとめています。

1kW あたりの値段が同じなら、容量を大きくするほど、元が取れるのは少しずつ遅くなります。足した分の多くは昼に余って、安い値段で売ることになるからです。

それでも容量を大きくする良さは、30年で残る得が増えることです。平均的な家で、30年の得は4kW が約111万円、6kW が約125万円です。元が取れたあとの毎年の得は、小さい容量より大きい容量のほうが多いからです。

何kW にするかは、屋根に載る量、昼に家で使える量、1kW あたりの値段の3つで決まります。平均的な家なら4〜6kW が目安です。1kW あたり税込28万円ほどで買えるなら、7〜8kW にしても損になりにくくなります。

屋根に太陽光パネル、外壁のそばに家庭用蓄電池を設置した戸建て住宅
何kW 載せるかは、屋根の広さと、昼に家で使う電気の量で変わります。

筆者は大手メーカーで電池開発に長年携わってきたエンジニアです。国の資料と NEDO の日射のデータ、付けた人の声、電力中央研究所の統計の論文をもとに計算しました。

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以下は、容量ごとの発電量と費用、元が取れる年数を確かめた記録です。

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蓄電ラボ管理人

この記事を書いた人

蓄電ラボ管理人

大手メーカーでリチウムイオン電池の開発に長年従事。さまざまな機器の電池設計・評価で培った知見をもとに、家庭用蓄電池と太陽光発電の経済性を中立的な立場で解説しています。

目次

太陽光の1kW は、1年に何kWh 発電するか

1kW あたり、年に約1,240kWh です。国の2025年の実績と、付けた人の声の真ん中が、どちらもこのあたりに並びます。

kW はパネルの大きさ、kWh はできた電気の量です

「5kW の太陽光」の5kW は、晴れた日の昼にいちばん多く出せる力のことです。1日に何kWh の電気ができるかは、天気と季節で変わります。

電気代の明細に出てくる単位は、kW ではなく kWh です。「1日に40kW 発電した」という言い方は、40kWh のことです。

1kW で年に約1,240kWh。よく見る1,000kWh は控えめな目安です

1kW あたりの年間の発電量は、出どころによって1,000〜1,240kWh ほどの幅があります。

表2|1kW あたりの年間発電量(出どころごと)

出どころ1kW あたり(年)どんな数字か
よく見る目安1,000kWh見積もりや解説でよく使われる、切りのよい数字
日射のデータから計算1,200kWh47都道府県の平均(真南・30度・筆者の計算)
国の想定約1,200kWh売電の値段を決めるときに置いた値(設備利用率13.7%)
国の実績1,235kWh2025年の住宅の太陽光の平均(設備利用率14.1%)
付けた人の声1,243kWh18件の真ん中(半分が1,171〜1,341kWh)

※国の想定と実績は調達価格等算定委員会の意見の設備利用率に8,760時間をかけて筆者が kWh に直した値。日射のデータはNEDO の日射量データベースに太陽光発電協会の表示のガイドラインの式をかけた値(パワコンと汚れの損失 0.96×0.95 は筆者が置いた値)。声は付けた人の声のうち、年の発電量と容量の両方が分かる18件。

国の実績と付けた人の声の真ん中は、どちらも1,240kWh ほどです。よく見る1,000kWh は、国の実績の1,235kWh より2割ほど少ない数字です。

この記事では、国の2025年の実績の1,235kWh で計算します。見積もりのシミュレーションが1,000kWh で作られていたら、多くの地域では、実際の発電はそれより多くなる見込みです。

同じ1kW でも、発電量は地域と屋根の向きで2〜3割変わります

日射の量は地域で違います。日射のデータで計算すると、1kW あたりの年間の発電量は、いちばん少ない秋田で約1,000kWh、いちばん多い甲府で約1,400kWh でした(47都道府県の表は次の見出しに置きました)。

屋根の向きでも変わります。東向きか西向き(傾き30度)の屋根は、真南の約84%(47地点で78〜92%)、南東・南西向きは約95%、北向きは約65%でした(NEDO の方位ごとの日射から筆者が計算)。

蓄電ラボ管理人

国の実績と、付けた人の声の真ん中が、どちらも1,240kWh ほどで並んだのには少し驚きました。

よく見る「1kW で1,000kWh」は、控えめに見積もるための数字だと思っておくとよいと思います。

1kW の発電量が分かれば、あとは容量をかけるだけです。次の見出しで、4〜8kW を並べます。

元が取れるかは、家ごとの見積額で決まります

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4kW・5kW・6kW・7kW・8kW の発電量(1日・1年・季節)

1kW あたり年1,235kWh で計算すると、5kW で年 約6,175kWh、1日 約17kWh です。国の認定のデータから計算すると、10kW 未満の家の太陽光の平均は4.94kW で(FIT ポータルの公表情報)、5kW はちょうど真ん中あたりです。

表3|4〜8kW の発電量(1年・1日・季節)

容量1年1日の平均1日・東京の5月1日・東京の12月1日・秋田の12月
4kW4,940kWh13.5kWh16.2kWh13.2kWh4.4kWh
5kW6,175kWh16.9kWh20.3kWh16.5kWh5.5kWh
6kW7,410kWh20.3kWh24.4kWh19.8kWh6.7kWh
7kW8,645kWh23.7kWh28.4kWh23.1kWh7.8kWh
8kW9,880kWh27.1kWh32.5kWh26.4kWh8.9kWh

※1年と1日の平均は国の2025年の実績(1kW で年1,235kWh)から。月の1日は、NEDO の日射(真南・30度)にガイドラインの式の係数と、パワコンや汚れの損失(0.96×0.95=筆者が置いた値)をかけた月の平均で、晴れの日と雨の日をならした値です。

多くの地域で、いちばん多いのは5月。冬は地域で2倍以上違います

図1|1kW あたりの1日の発電量(月ごと・東京・秋田・那覇)

01234kWh1月23456789101112月那覇東京秋田4.11.1

※NEDO の日射(県庁のある場所・真南・30度)にガイドラインの式をかけた筆者の計算(損失 0.96×0.95 は筆者が置いた値)。月の平均で、晴れの日はもっと多く、雨の日は少なくなります。5kW なら5倍です。

太平洋側の東京では、12月の発電は5月の約8割あります。日本海側の秋田では、12月は5月の約3割まで下がります。冬の発電は、地域によって2倍以上の差があります。

東京や秋田で、夏は日が長いのに5月より少ないのは、暑いとパネルの効率が下がり、6月は梅雨で日射も減るためです。ガイドラインの式でも、6〜9月は日射に0.80をかけ、12〜3月の0.90より低く見ています。

沖縄の那覇は、7月がいちばん多くなります。

47都道府県の1kW あたりの年間発電量

多いのは山梨・静岡・群馬・徳島・高知で、少ないのは秋田・青森・新潟・富山などの日本海側です。少ない県は、47都道府県の平均(1,200kWh)より1〜2割少なくなります。

表4|47都道府県の1kW あたりの年間発電量(多い順)

都道府県1kW あたり(年)5kW なら(年)
山梨県1,399kWh6,995kWh
静岡県1,324kWh6,620kWh
群馬県1,323kWh6,615kWh
徳島県1,303kWh6,515kWh
高知県1,303kWh6,515kWh
長野県1,301kWh6,505kWh
三重県1,297kWh6,485kWh
和歌山県1,281kWh6,405kWh
兵庫県1,278kWh6,390kWh
愛知県1,277kWh6,385kWh
岐阜県1,272kWh6,360kWh
茨城県1,268kWh6,340kWh
神奈川県1,262kWh6,310kWh
宮崎県1,254kWh6,270kWh
埼玉県1,252kWh6,260kWh
大阪府1,251kWh6,255kWh
香川県1,251kWh6,255kWh
千葉県1,247kWh6,235kWh
栃木県1,246kWh6,230kWh
岡山県1,246kWh6,230kWh
広島県1,246kWh6,230kWh
東京都1,244kWh6,220kWh
愛媛県1,229kWh6,145kWh
奈良県1,198kWh5,990kWh
熊本県1,194kWh5,970kWh
佐賀県1,183kWh5,915kWh
長崎県1,176kWh5,880kWh
大分県1,176kWh5,880kWh
山口県1,173kWh5,865kWh
宮城県1,169kWh5,845kWh
滋賀県1,168kWh5,840kWh
鹿児島県1,161kWh5,805kWh
京都府1,155kWh5,775kWh
沖縄県1,151kWh5,755kWh
福島県1,144kWh5,720kWh
福岡県1,133kWh5,665kWh
石川県1,113kWh5,565kWh
岩手県1,112kWh5,560kWh
北海道1,098kWh5,490kWh
山形県1,097kWh5,485kWh
福井県1,090kWh5,450kWh
鳥取県1,090kWh5,450kWh
島根県1,086kWh5,430kWh
富山県1,071kWh5,355kWh
新潟県1,049kWh5,245kWh
青森県1,046kWh5,230kWh
秋田県1,002kWh5,010kWh

※県庁のある場所の日射(NEDO・真南・傾き30度)に、ガイドラインの式をかけた筆者の計算です(損失 0.96×0.95 は筆者が置いた値)。全国の家の平均の実績(1,235kWh)とは計算のしかたが違います。屋根の向きと影で変わります。

付けた人の声では、見積もりより多く出ている家が多い

個人のブログなどで、年間の発電量と容量の両方を書いている声は18件ありました。1kW あたりにすると、いちばん少ない声で1,009kWh、真ん中で1,243kWh、いちばん多い声で1,480kWh です。

見積もりのシミュレーションと比べている声は5件で、4件は実績のほうが9〜26%多く、1件は2%少なめでした。月ごとに見ると、長雨の月は25%ほど少なく、晴れの多い月は25%ほど多くなります。

長く付けている家では、年に少しずつ発電が落ちる声もあります。この記事の計算では、発電が年0.5% ずつ落ちるとしました。どの声も本人の申告で、裏は取れていません。

4人家族の電気を、5kW でまかなえるか

環境省の統計では、4人暮らしの一戸建ての電気は年 約6,200kWh です(3人なら約5,600kWh・家庭部門のCO2排出実態統計調査)。5kW の発電(年 約6,175kWh)と、量はほぼ同じです。

ただ、太陽光は昼しか発電しません。発電した電気のうち、家でそのまま使えるのは3〜4割です(国の実績で35.2%)。残りは売って、夜や雨の日の電気は買います。年の量が同じでも、電気代が0円になるわけではありません。

太陽光の自家消費率とは?平均・計算方法・蓄電池で上げるコツをエンジニアが解説

家で使う割合(自家消費率)の平均と計算のしかた、蓄電池で上げる方法をまとめています。 → 読んでみる

発電の量の次は、容量ごとの費用です。

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4〜8kW の費用(1kW あたりの値段で見る)

国の資料では、2025年に付けた家の平均は、1kW あたり新築で28.9万円、既築で30.1万円(税抜)でした(調達価格等算定委員会の意見)。税込にすると31.8万円と33.1万円で、5kW なら約159万〜166万円です。

表5|4〜8kW の費用(税込)

容量既築の平均新築の平均安い方から3割
4kW約132万円約127万円約113万円
5kW約166万円約159万円約141万円
6kW約199万円約191万円約169万円
7kW約232万円約223万円約197万円
8kW約265万円約254万円約226万円

※1kW あたり 既築33.1万円・新築31.8万円・安い方から3割28.2万円(どれも国の2025年の値(税抜)×1.1)を容量にかけました。容量ごとの値段の違いは国の資料に無く、どの容量も同じ1kW の値段でかけています。

見積もりは、1kW あたりの値段で比べます

見積もりの総額を、パネルの kW で割ると、1kW あたりの値段が出ます。容量が違う見積もりどうしでも、1kW あたりの値段なら並べて比べられます。

国の資料で2025年の1kW あたりの値段を安い順に並べると、安い方から1割の家で17.4万円、3割で25.6万円、真ん中で29.4万円(税抜)でした(第110回の算定委員会の資料)。

国が売電の値段を決めるときに置いた費用は25.5万円で、安い方から約3割の位置です。

税込にすると、28万円ほどなら安い方の3割に入り、32万円ほどで真ん中です。

費用の半分はパネル、3割は工事です

新築の28.9万円(税抜・1kW あたり)の中身は、パネル13.5万円・パワコン5.3万円・架台3.2万円・工事8.5万円などで、値引きが1.7万円でした。パネルが約47%、工事が約29%です。

見積書に「定価から大きく値引き」と書かれていても、値段の物差しにはなりません。パネルの定価を1kW あたりに直すと63〜86万円ほど(税込)で、国の資料のパネルの値段(税込に直して約15万円)の4〜6倍あるためです。

比べるのは、値引きのあとの1kW あたりの値段です。

ダイニングテーブルに広げた屋根のパネル配置図と発電量のグラフを指さしながら説明を受けている様子
見積もりは、総額ではなく1kW あたりの値段に直して比べます。

付けた人の声では、1kW あたり17〜33万円

2019年以降に付けたと見られる声9件では、太陽光だけの値段は1kW あたり16.8〜32.5万円、真ん中は約24万円でした(税込か税抜かは声によって違い、3件は付けた年が書かれていません)。

国の平均より安く付けた家もあるので、見積もりは1社で決めないほうがよいと思います。

どこに見積もりを頼むかは、太陽光の見積もりはどこに頼む?で比べています。

1kW あたりの値段を、2〜3社で比べる

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何年で元が取れるか(4〜8kW)

平均的な家で計算すると、元が取れるのは4kW で16.7年、5kW で17.6年、8kW で19.9年です。1kW あたりの値段が同じなら、容量を大きくするほど、元が取れるのは少しずつ遅くなります。

一方で、30年の得は、小さい容量より大きい容量のほうが多くなります(表6)。

表6|4〜8kW の元が取れる年数(平均的な家)

容量家で使う割合元が取れるまで20年の損得30年の損得
4kW40%16.7年+25.7万円+111.5万円
5kW35%17.6年+21.6万円+119.8万円
6kW31%18.4年+15.9万円+125.1万円
7kW28%19.2年+8.9万円+128.4万円
8kW26%19.9年+1.2万円+130.2万円

※費用は1kW あたり税込33.1万円(既築の平均)。発電は1kW で年1,235kWh で、年0.5% ずつ落ちるとしました。買う電気は1kWh 31円(家電公取協の目安単価)で、年2% 上がるとしました。売電は1〜4年目24円・5〜10年目8.3円(資源エネルギー庁)、11年目から8.5円(筆者が置いた値)。維持費は点検 年9,500円と、パワコン交換 1kW あたり年3,840円(算定委の意見にある太陽光発電協会への聞き取りから、筆者が年あたりに直した値)。家で使う量は5kW で年2,170kWh(国の実績35.2%)とし、容量に合わせて電力中央研究所の論文の式で増やしました。環境省の統計では、家で使う割合は31.8%(蓄電池のない家は29.1%)と低めに出ます。補助金は入れていません。筆者の計算です。

大きくするほど遅くなるのは、足した分の多くが売電になるから

容量を増やしても、家で使える電気は少ししか増えません。昼に家で使う電気の量は、家の暮らし方で決まり、パネルの枚数では変わらないからです。

電力中央研究所の論文は、環境省の統計の一戸建て949世帯のデータで、太陽光の容量と家で使う量の関係を調べています。

論文の式で計算すると、5kW を6kW にしても、家で使える量は年 約153kWh しか増えません。足した1kW の発電(年1,235kWh)の約12%です。

論文には式が2つあり、ここでは、容量が大きいほど増え方が小さくなる式を使いました。もう1つの、増え方が一定の式では、家で使える量は年 約193kWh(約16%)増えます。

ただ、論文のデータの家の平均は4.3kW で、一定の式は大きい容量で多めに出る見込みです。

足した発電の残りの9割近くは売電に回ります。売電の値段は1〜4年目が24円、5〜10年目は8.3円です。家で使えば1kWh 31円の値打ちがある電気を、5年目からは8円ほどで売ることになります。

足した1kW の損得は、足した分のうち何割を家で使えるかで決まります。

表7|足した1kW の損得(家で使える割合ごと)

家で使える割合1kW 33.1万円
20年
1kW 33.1万円
30年
1kW 28.2万円
20年
1kW 28.2万円
30年
0%−13.3万円−7.9万円−8.4万円−3.0万円
10%−7.2万円+2.8万円−2.3万円+7.7万円
20%−1.1万円+13.5万円+3.8万円+18.4万円
30%+5.0万円+24.2万円+9.9万円+29.1万円
40%+11.1万円+34.8万円+16.0万円+39.7万円
50%+17.2万円+45.5万円+22.1万円+50.4万円

※足した1kW の発電(年1,235kWh)のうち、家で使える分は1kWh 31円(年2% 上がる)、残りは売電の値段で数え、パワコン交換の分(1kW あたり年3,840円)を引いて、費用と比べました。筆者の計算です。

20年で元が取れるのは、足した1kW のうち、税込33.1万円なら22%以上、28.2万円なら14%以上を家で使えるときです。30年まで見れば、元が取れる線は7%(33.1万円)と3%(28.2万円)まで下がります。

平均的な家で5kW を6kW にすると、足した分のうち家で使えるのは約12%です。税込33.1万円なら、20年では元が取れず、30年でようやく5万円ほどの得になります。

早く元が取れる家・遅い家

図2|5kW の元が取れるまでの年数(家の条件ごと)

昼に家で多く使う
14.3年
安い方から3割で買えた
14.8年
日射の多い甲府
15.8年
平均的な家
17.6年
環境省の平均の家
19.3年
日射の少ない秋田
20.5年
電気代が今のまま
20.9年
0510152025年

※昼に家で多く使う=発電の半分を家で使う。環境省の平均の家=環境省の統計の太陽光のある家の平均(家で使う量 年1,850kWh)。安い方から3割=表5の「安い方から3割」の値段。ほかは表6と同じ前提です。

昼に家で多く使う家は、5kW で約14年と、平均的な家より3年ほど早く元が取れます。在宅の時間が長い家や、昼にお湯を沸かす家です。1kW あたり税込28.2万円(安い方から3割)で買えた家も、約15年です。

国のもう1つの統計(環境省)の、太陽光のある家の平均で計算すると、約19年です。日射の少ない秋田は約20年半かかります。電気代が今のまま上がらなければ、約21年です。

補助金は入れていません。東京都のように補助のある地域では、もっと早く元が取れます(補助を入れた計算は太陽光発電はやめたほうがいい?に載せました)。

蓄電ラボ管理人

計算する前は、屋根に載るだけ載せたほうが得だと思っていました。数字にすると、足した分の多くは昼に余って、安く売ることになります。

元が取れる年数を左右するのは、容量の大きさより、見積もりの1kW あたりの値段のほうだと思います。

では、何kW にすればよいのかを、決める順番で整理します。

工事込みの値段は、見積もりで出ます

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何kW にするか:決める3つの順番

何kW にするかは、屋根に載る量、昼に家で使える量、1kW あたりの値段の順に決めます。平均的な家なら、4〜6kW が目安です。

図3|何kW にするかを決める3つの順番

① 屋根に載る量を確かめる
1kW でパネル 約4.5㎡。屋根に載る量が上限になります
② 昼に家で使える量を考える
在宅が長い・昼にお湯を沸かす・EV を昼に充電する家は、大きくしても家で使える割合が下がりにくい
③ 見積もりの1kW あたりの値段は?
安い方から3割に入る屋根に載るだけ載せても、損になりにくい
平均くらい平均的な家なら 4〜6kW が目安
平均より高い小さめにするか、ほかの会社の見積もりと比べる

① 屋根に載る量:1kW でパネル約4.5㎡

いまのパネルは1枚230〜470W ほど(小さいハーフサイズは130W)で、1kW あたりの面積は4.1〜4.9㎡でした(5社15製品の公式の仕様から計算)。5kW なら約22〜26㎡、11〜22枚です。

4.1〜4.9㎡はパネルだけの面積で、屋根の端から離す分やすき間は入っていません。同じ屋根でも、1枚の出力が大きいパネルなら、kW を大きくできます。

② 昼に家で使える量:大きさの見当をつける

在宅の時間が長い家、昼にお湯を沸かすエコキュートを使う家、EV を昼に充電する家は、容量を大きくしても、家で使える割合が下がりにくくなります。

「年の発電=年の使用量」で容量を決めると、昼しか発電しない分を見落とします。家で使う割合を上げる手には蓄電池もあり、環境省の統計から計算すると、蓄電池のある家は37.8%、ない家は29.1%でした。

太陽光+蓄電池は何年で元が取れる?4パターンで徹底検証

太陽光と蓄電池を一緒に付けたとき、何年で元が取れるかを4つのパターンで計算しています。 → 読んでみる

蓄電ラボ管理人

電池の仕事をしてきた立場から言うと、昼に余る電気は、蓄電池にためれば夜に使えます。

ただ、蓄電池にもお金がかかります。まず太陽光だけで合う大きさを決めてから、蓄電池を足すかを考えるのが順番だと思います。

③ 1kW あたりの値段:見積もりを並べて決める

平均的な家なら、4〜6kW が目安です。4〜6kW なら元が取れるのは17〜18年で、6kW を超えると、1kW 足しても30年で増える得は2〜3万円ほどです(表6)。

論文のもう1つの式で計算すると約9万円なので、7〜8kW にするかは見積もりの値段で決めます。

1kW あたり税込28万円ほど(安い方から3割)で買えるなら、屋根に載るだけ載せても損になりにくくなります。

5kW から8kW まで1kW ずつ足しても、20年の損得はほとんど変わらず(1kW で−3万円ほどまで)、30年では1kW 足すごとに7〜10万円ほど増えます。

33万円ほどなら、大きくするほど20年の得が減り、8kW では約1万円になります。容量を減らすか、ほかの会社の見積もりも取って、1kW あたりの値段を比べます。

見積もりを頼む先の選び方は、太陽光の見積もりはどこに頼む?にまとめています。

10kW を超えると、売電の条件が変わります

屋根に載せる太陽光が10kW 以上(50kW 未満)になると、売電の値段と期間が変わり、条件が付きます。

表8|10kW を境に変わること

10kW 未満10kW 以上
売電の値段1〜4年目24円、5〜10年目8.3円1〜5年目19円、6〜20年目8.3円
売電の条件—発電の30%以上を家で使う・災害のときに使える機能
固定資産税の申告要らない個人の家でも要る

※売電の値段は資源エネルギー庁、条件は制度ガイドブックから。固定資産税の申告は償却資産としての申告で、埼玉県吉見町と京都府亀岡市の案内で、ほかの市町村は取っていません。屋根材と一体のパネルは、kW に関係なく家屋として固定資産税に入ります。

所得税は、国税庁の案内に kW の区切りはなく、会社員が家で使った残りを売る収入は雑所得です(国税庁)。

給与を1か所から受けて源泉徴収されている会社員なら、売電の所得(収入から減価償却費などを引いた額)が、ほかの副収入と合わせて年20万円以下のとき、所得税の確定申告は要りません(国税庁のタックスアンサー)。

住民税の申告は、お住まいの市区町村に別に必要です(例:横浜市の案内)。

住宅では、9.9kW までに抑えれば売電の条件は変わりません。売電で10kW かどうかは、パネルの合計とパワコンの出力のうち、小さい方で数えます(国の施行規則・パワコンが2台以上なら、つなぐ組ごとに小さい方を足します)。

パワコンより多くパネルを載せる考え方は、過積載で捨てる電力は蓄電池で取り戻せる?で計算しています。

容量の見当がついたら、見積もりで1kW あたりの値段を確かめます。

パワコンの保証年数も、見積もりで聞けます

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※断りの連絡は、アドバイザーが代わりに伝えます

よくある質問

5kW で、オール電化の家の電気はまかなえますか?

年の量では近くなることがありますが、夜と冬の電気は買います。発電した電気のうち家でそのまま使えるのは3〜4割で、夜にお湯を沸かす分や、冬の暖房の分は買う電気になります。

お湯を昼に沸かすようにすると、家で使える割合は上がります。

発電量が、見積もりのシミュレーションより少ない気がします。

発電は月ごとに25%ほどぶれるので、1年で比べます。付けた人の声では、1年で見ると見積もりより多い家のほうが多くありました。

1年で見ても大きく少ないときは、パワコンの表示とモニターの数字を控えて、付けた会社に見てもらいます。

10kWh の蓄電池は、何kW の太陽光で満タンになりますか?

昼に余る量で決まります。5kW の場合、東京の5月は1日 約20kWh 発電し、家で昼に使う分(平均で1日 約6kWh)を引いても10kWh 以上余ります。

秋田の12月は1日 約5.5kWh で、昼に使うとほとんど残りません。蓄電池の元が取れるかは、蓄電池は元が取れる?取れない?で計算しています。

東向きや西向きの屋根でも、付ける価値はありますか?

東か西向き(傾き30度)なら、真南の約84%(1kW で年 約1,037kWh)発電します。平均的な家の5kW で元が取れるのは約20年で、日射の少ない秋田と同じくらいです。

南東・南西向きなら、真南の約95%です。

パネルは何年で発電が落ちますか?

この記事の計算では、発電が年0.5% ずつ落ちるとしました。発電は20年で約10%落ちる計算です。寿命と交換の目安は、太陽光パネルの寿命は何年?にまとめています。

まとめ:何kW にするかは、3つの順番で決める

4kW・5kW・6kW の発電量・費用・元が取れる年数
  • 発電量:1kW で年 約1,240kWh(日射のデータで計算すると、地域で約1,000〜1,400kWh)。5kW なら年 約6,175kWh・1日 約17kWh
  • 費用:1kW あたり税込 約32〜33万円が平均。安い方から3割は約28万円。5kW なら約159万〜166万円
  • 元が取れるまで:平均的な家で4kW 16.7年・5kW 17.6年・6kW 18.4年。1kW の値段が同じなら、大きくするほど元が取れるのは少しずつ遅くなる

何kW にするかは、屋根に載る量、昼に家で使える量、1kW あたりの値段の順に決めます。平均的な家なら4〜6kW が目安で、昼に家で多く使う家や、1kW 税込28万円ほどで買える家なら、7〜8kW でも損になりにくくなります。

蓄電ラボ管理人

私なら、屋根に載る量と昼に家で使える量を先に確かめて、1kW あたりの値段を2〜3社の見積もりで比べてから、大きさを決めます。

  • ✓1kW あたりの値段(平均は税込で既築33.1万円・新築31.8万円)
  • ✓提案された容量が、屋根の面積と枚数に合っているか
  • ✓パワコンの保証年数と、交換の費用

手元の見積もりの1kW あたりの値段を、ほかの会社と比べる

申し込むと、担当のアドバイザーから確認の電話があります。紹介された会社の見積もりで、1kW あたりの値段と提案される容量を比べてから決められます。

1kW あたりの値段を比べる(ソーラーパートナーズ)

※無料。太陽光の見積もり(蓄電池とのセットを含む)が対象で、土地だけに置く太陽光は対象外です。紹介を受けても契約の義務はありません。

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この記事を書いた人

蓄電ラボ管理人。大手メーカーでリチウムイオン電池の開発に長年従事してきたエンジニアです。電池の設計・評価・充放電制御を現場で担ってきた経験をベースに、家庭用蓄電池・太陽光発電・V2H・リチウムイオン電池の劣化メカニズム・補助金(DR・FIT・自治体)を中立的なエンジニア視点で解説しています。

【扱うテーマ】家庭用蓄電池の選び方/メーカー横断レビュー/サイクル寿命と保証条件の透明性/電池が劣化する仕組みの技術解説/DR 補助金・FIT 2 段階制の影響試算/V2H と蓄電池の比較。

【執筆ポリシー】カタログ値と実測値のギャップを技術で読み解く/サイクル寿命非公開やリコール等の不利な情報も明記する/特定メーカーに偏らず、補助金込みの実質負担額で比較する。

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