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V2Hのメーカーはどこがいい?家の条件で候補を絞る比較

V2Hのメーカーは特徴を比べる前に家の条件で候補が絞れることと、住宅用として現行品を確認できたのが10社であることを示したアイキャッチ画像

各社のサイトを開くと、特徴はどこにもきちんと書いてあります。出力6kW、保証10年、停電のときも家で使える。

読み終えて、ではどれが自分の家に合うのか。そこだけが決まりません。

特徴を比べるのは後です。先にやるのは、家の条件で候補を減らすことです。

太陽光があるか。そのパワコンを替えるか。蓄電池も入れるか。すでにメーカーの設備が入っているか。この4つに答えるだけで、候補はぐっと絞れます。

筆者は大手メーカーで電池開発に長年携わってきたエンジニアです。各社の公式カタログと取扱説明書を1社ずつ読んできた立場から、比べる前に決まってしまうことと、残った社をどの軸で並べるかを書いていきます。

蓄電ラボ管理人

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蓄電ラボ管理人

大手メーカーでリチウムイオン電池の開発に長年従事。さまざまな機器の電池設計・評価で培った知見をもとに、家庭用蓄電池とV2Hの技術を中立的な立場で解説しています。

カーポートのEVとV2H充放電器がある、屋根に太陽光パネルを載せた戸建て住宅

目次

いま買えるV2Hは、どのメーカーのどんな製品か

比べる話に入る前に、そもそも何が並んでいるのかを見ておきます。

公的なリストには15社・97型式が載っています

国の補助金の対象機器として登録されているV2Hの一覧が公開されています。2026年8月31日に更新された版で、15社・97型式です。

型式の数だけ見ると多いのですが、中身を出力で並べ直すと様子が変わります。

充電/放電の出力型式数割合
5.9〜6kW8285%
5kW66%
9.9〜11kW77%
充電9.9kW/放電5.9kW11%
3kW11%

次世代自動車振興センター「V2H充放電設備 型式ごとの補助金交付上限額一覧」(2026年8月31日更新)を当サイトで集計。

97型式のうち82型式、率にして85%が5.9〜6kWに固まっています。9.9kW以上の帯は、住宅ではなく事業者向けの機器が中心です。

つまり、家庭用のV2Hを「出力で選ぶ」余地は、ほとんど残っていません。カタログの先頭に大きく書かれている6kWという数字は、各社の違いではなく、この機器の標準的な姿です。

出力で差がつかないとなると、比べる軸を別に用意しないといけません。この記事で最後に効いてくるのは、保証に付いている条件と、部品がいつまで出るかのほうです。

そのうち、住宅用として今も買えるのは

上の15社には、事業者向けの機器を出している会社も混ざっています。1社ずつ公式ページを開いて、住宅で使う前提の現行品が案内されているかを確かめました。該当したのは、次の10社です。

いま住宅用として買えるV2H(10社)

メーカーと製品選ぶときの目安
ニチコンVSG3シリーズ/
トライブリッド蓄電システム
向いている家V2Hだけ足すか、まとめて替えるか決めきれていない家この社の特徴自動切替開閉器つきの型式なら、全負荷対応の分電盤が要りません。本体は壁掛けと据置のどちらも選べます
オムロンマルチV2X
(単機能・ハイブリッド)
向いている家いまのパワコンを残して、V2Hだけ足したい家この社の特徴単機能と一体型が同じシリーズ名。どちらでも1社で揃います
長州産業マルチV2X/SMART PV EVO向いている家太陽光・蓄電池・V2Hをまとめて新しく入れる家この社の特徴工事ができるのは認定施工店に限られます。蓄電池を屋外に置けるのは海岸から500mを超える場所だけです
パナソニックeneplat向いている家パワコンの交換時期で、蓄電池もV2Hも1台にまとめたい家この社の特徴V2Hだけ足す形はありません。海に近い家は蓄電池やコンバータも型式が変わります
シャープ蓄電池連携型パワコン+
EV用コンバータ
向いている家すでにシャープの太陽光が載っている家この社の特徴つなげるパワコンが決まっていて、形名と定格ラベルの識別記号で判定します
エリーパワーPOWER iE Connect
(V2H蓄電システム)
向いている家パワコンを替えて、蓄電池もV2Hもまとめて入れる家この社の特徴パワコンごと置き換える形と、既設の太陽光パワコンに足す形の両方があります
デンソーSDシリーズ向いている家太陽光の有無を問わず、V2Hだけを単体で足したい家この社の特徴蓄電池を同じ系統に入れる形はありません。重塩害の地域では型式の末尾にSが付いたものを選びます
ホンダアクセスHonda V2H Stand向いている家対応するホンダ車に乗っていて、V2Hだけ足したい家この社の特徴使える車が公式に4車種で、蓄電池は使用できません
ダイヤゼブラ電機EIBS Va-1(V2Hユニット)向いている家蓄電池を先に入れて、あとからV2Hを足したい家この社の特徴蓄電システムの一部としてユニットを足す形です。停電時に使える出力は5.5kVA
東光高岳SmanecoV2H向いている家停電のときに、冷蔵庫や照明だけ保たせたい家この社の特徴出力は3kWで他社の半分ほど。停電時に太陽光の電気をEVへためられません

出力は東光高岳の3kWを除き、どの社も5.9〜6kW前後で差がほとんどありません。保証は年数より条件のほうが効くので、この記事の後半でまとめて扱います。

各社の公式製品ページ・カタログの記載より(2026年9月時点)。オムロンの正式な社名はオムロン ソーシアルソリューションです。

住宅で使う前提で公式に案内されているものを数えると、いまのところ10社ぶん、というのがこの記事の数え方です。

残りの5社は、公式ページで住宅向けとして案内されていませんでした。椿本チエインGSユアサ新電元工業は施設・オフィス・集合住宅・事業所に向けた機器(出力も三相10kWなど)、アイケイエスは病院・学校・工場などのBCP対策として案内されています。住友電気工業だけは住宅向けですが、公式の製品ページに発売時期は現状未定です(2026年5月時点)と書かれています(いずれも2026年9月時点)。

10社の中には、同じ表に並んでいても性格が違うものが2つあります。

  • Honda V2H Stand対応するのはホンダ車4車種(Super-ONE、N-ONE e:、N-VAN e:、Honda e)です。公式ページには蓄電池は使用できない旨の記載があります。本体はメーカー希望小売価格110万円(税込)で、設置工事は別途です
  • 東光高岳 SmanecoV2H充放電の出力は3kW(短時間なら6kW)、無料保証期間は据付工事完了日から1年です。家全体ではなく、冷蔵庫・照明・テレビといった機器を賄う設計になっています。公式のよくある質問には「停電時は太陽光発電で発電した電気を電気自動車にためることはできません」と書かれています

出典=ホンダアクセス「Honda V2H Stand」東光高岳「SmanecoV2H」同 よくあるご質問(2026年9月時点)。

3kWは他社より小さい数字ですが、劣っているというより、想定している使い方が違います。停電のときに家中の200Vまで動かしたいのか、必要な機器だけを保たせたいのかで、要る出力は変わります。

蓄電ラボ管理人

登録されている型式の数と、いま自分が選べる型式の数は、別のものです。補助の対象として登録された一覧は、いま出荷されている機器の一覧ではありません。登録があっても未発売の社があり、登録が無くても発売済みの製品があります(記事の最後のよくある質問で扱います)。


比べる前に、家の条件で決まってしまうことがあります

ここからが本題です。

各社の特徴を並べて比べようとすると手が止まるのは、特徴を見るより前に、家の側の条件で候補が消えているからです。

家の条件で候補を減らす4つの問い

Q1
いま家に太陽光はありますか無い/有る/これから一緒に付ける
有る・これから↓ 次の質問へ
Q2
その太陽光のパワコンを、そろそろ替えますか10年前後で交換の時期がきます
替えない・太陽光は無い
1既設に足すタイプ

いまの設備を残したまま、V2Hだけを足す形。単体で動く機器を出している社が候補に残ります

替える↓ 次の質問へ
Q3
蓄電池も一緒に入れますか入れるなら、組み方の考え方が社ごとに違います
まとめて入れる
2パワコンごと置き換える

太陽光のパワコンごと1台にまとめる形。置く機器の数も、工事の大きさも変わります

すでに設備が載っている↓ 次の質問へ
Q4
すでにメーカーの設備が入っていますか太陽光や蓄電池がもう載っている家
入っている
3まず適合判定から

比べる前に「そのパワコンに付くか」の判定が先。形名と、定格ラベルの識別記号で決まります

ここで決まるのは家の側の条件だけです。機器の特徴を見るのは、そのあとです。

1. いま家に太陽光はありますか

無い場合は、いちばん自由が利きます。V2Hだけを足す形になるので、単体で動く機器を出している社が全部候補に残ります。

有る場合は、次の問いに進みます。これから太陽光も一緒に付ける場合は、3つ目の問いが効いてきます。

2. その太陽光のパワコン、そろそろ替えますか

太陽光のパワコンは、10年前後で交換の時期がきます。ここが分かれ道です。

残すなら、いまの設備にV2Hを足す形になります。替えるなら、太陽光のパワコンごと1台にまとめてしまう形が選べます。

この2つは、置く機器の数も、工事の大きさも変わります。同じメーカーでも、どちらの形かで製品が別になります。

3. 蓄電池も一緒に入れますか

入れる場合、社によって組み方の考え方が違います。

容量を選ぶと一式の型式が決まる社と、ユニットを後から足していける社があります。前者は最初に容量を決め切る必要があり、後者は後から増やす余地が残ります。

一方で、そもそも蓄電池を同じ系統に入れられない製品もあります。デンソーのSDシリーズは単機能のV2Hで、Honda V2H Stand は公式に蓄電池は使用できないとされています。

V2Hと蓄電池をどう組むかは、それだけで1本になります(→ V2Hと蓄電池を併用するなら単機能型か一体型か|パワコンの数と価格差で決まる)。

4. すでにメーカーの設備が入っていますか

すでに太陽光や蓄電池が載っている家では、比べる前に「そのパワコンに付くか」の判定が先にきます。

たとえばシャープの場合、EV用コンバータが接続できるパワコンは限られていて、判定には形名と、定格ラベルに書かれた識別記号を見ます。同じメーカーの設備でも、機種と年式で答えが変わります。

戸建て住宅の外壁に設置されたパワーコンディショナーと、作業用の手袋をはめた手
既設がある家では、比べる前に「付くかどうか」の判定が先にきます。

自分の家が該当しそうなら、判定の手順はこちらです(→ シャープのV2Hはうちに付く?対応パワコン2機種と識別記号の見分け方)。

4つ答えると、どこまで落ちるか

住宅用の現行品を出している社をすべて並べて、実際に数えてみました。

あなたの家の状況主な候補として残る社社数
太陽光は無い・付ける予定もない単機能で動く社4社
太陽光あり・パワコンは替えない・蓄電池も入れない同上4社
太陽光あり・パワコンを替える・蓄電池も一緒に一体型を持つ社5社
すでに同じメーカーの太陽光が載っている適合判定+単機能を足す道2社

当サイトが各社の公式仕様から社ごとに可否を起こして数えたものです(2026年9月時点)。ここに数えたのは主な候補で、条件によっては、これに数社を足せる場合があります。

4つ答えても、1社にはなりません。落ちるのは4〜5社までです。

これは分岐が甘いのではありません。残った社は、同じことができるから残っています。単機能もある、一体型もある、蓄電池も同じ系統に入る。そこまで揃っている社どうしを、家の条件だけで区別することはできません。

例外は4つ目の問いです。すでにそのメーカーの設備が載っている家だけは、2社まで落ちます。この場合は「付くかどうか」が先に効くので、選択肢がもともと狭くなります。

残った4〜5社は、次に同じ軸で並べます。

候補が絞れた段階が、いちばん見積もりを取りやすいタイミングです。

1社の金額だけでは、それが高いのか安いのかは分かりません。エコ発電本舗はV2Hを扱う販売施工店で、無料見積りフォームから商品種別を選んで問い合わせできます。各社の価格を公開しているので、相場感もつかめます。

戸建てにお住まいの方向けのサービスで、補助金の活用もサポートしています。

候補を絞った条件で見積もりを取る(エコ発電本舗)

リンク先はトップページで、無料見積りフォームの「商品種別」で〈V2H〉を選べます。対応エリアは公式の会社概要で8地方46都道府県とされ、北海道は含まれません(2026年9月時点)。地域によっては提携する施工店が担当します。複数社を並べて比べたい場合は一括見積もりサービスの選び方もどうぞ。


残った社を、同じ軸で並べます

ここからは製品の話です。並べる軸は、分岐で使った条件と、買ったあとに効く項目にしぼります。

既設の太陽光に足せるパワコンごと置き換え蓄電池を同じ系統に保証
ニチコン10年/15年
オムロン10年
長州産業15年
パナソニック15年
シャープ○※5年(EV用コンバータ)
エリーパワー15年(システム)
デンソー10年
ホンダアクセス10年
ダイヤゼブラ電機10年
東光高岳1年

各社の公式仕様・カタログの記載より(2026年9月時点)。「✕」は公式に「できない」旨の記載があるもの、「—」は当サイトが公式の記載を確認できていない項目です。

シャープの「○※」は、接続できるパワコンが公式に指定されているためです。東光高岳の「△」は、停電時は太陽光で発電した電気をEVにためることはできないと公式に書かれているためです。

パナソニックに「✕」が付いているのは、性能が低いからではありません。パワコン側と一体で成り立つ設計で、V2Hの部分だけを既設に足す形が用意されていない、という意味です。

パナソニックのV2Hスタンドは、単体では動きません。

シャープも一体で成り立つ設計ですが、足せる相手が公式に決まっているという形です。既設がシャープなら候補に残り、そうでなければ残りません。

エリーパワーの「○」は、公式カタログに既設の太陽光パワコンに加えて設置することも可能と書かれているためです。出典=エリーパワー「パワーイエ・コネクト」カタログ(2024年10月現在の記載・2026年9月取得)。

仕様表の数値が一致している組があります

比べているうちに気づいたことがあります。別のメーカーだと思って並べていた2つが、同じ数字を持っていることがあります。

  • デンソーのSDシリーズとニチコンのVSG3は、寸法と質量が同一です(パワーユニット、プラグホルダとも)
  • パナソニックのeneplatと長州産業のSMART PV EVOは、仕様表の数値と寸法が一致します
  • オムロンと長州産業のマルチV2Xは、系統連系の方式・出力・効率の記載が一致します。長州産業のセットに含まれる分電盤は、KP-DB75B-EP というオムロンの型式表記のままです
蓄電ラボ管理人

どの会社がどの会社に供給しているのか、当サイトでは断定しません。各社の公式資料に、相手先の記載はありません。ここで言えるのは「数値が一致している」という事実までです。

読者にとって意味があるのは、そこから先です。メーカー名で比べていると、同じ機器を2回見ていることがあります。

見積もりを並べるときは、メーカー名ではなく型式で比べてください。同じ社の中でも型式で条件が変わりますし、社をまたいでも型式まで見れば、実は同じものだったかどうかが分かります。

各社の中でどれを選ぶかは、それぞれの記事にまとめています

候補が絞れたら、その社の中での選び分けに進んでください。

社が決まったら読む記事

EVバッテリーの寿命と劣化がわかる本(Kindle版)
EV・PHEV に乗っている方/検討している方へEV・PHEV に乗っている方へ

EVバッテリーの寿命と劣化がわかる本

長持ちさせる10の習慣

同じEVでも、乗り方しだいで電池の減り方は変わります。今日から変えられることと、その裏にある電池の仕組みを一冊にまとめました。

メーカーで総額はどう変わるのか

V2Hの相場そのものは別の記事で扱っています(→ V2Hは何年で元が取れる?設置費用100万〜300万円の回収シミュレーション【2026年版】)。

ここで書くのは、社によって総額の作られ方が違うという1点です。3つあります。

1. 本体だけでは動かない社があります

パナソニックのV2Hスタンドは、単体では動きません。パワーステーションと組み合わせて初めてシステムになります。

本体価格を並べて比べていると、この違いは見えません。その社の「一式」が何を指しているのかを、先にそろえる必要があります。

2. 必須オプションがある社があります

ニチコンのカタログには、本体システム表の直下に必須オプションという欄があります。

必須オプション(施工ケーブルセット、設置部材セットから、各1つずつ選択ください)

ニチコン「汎用総合カタログ」(V2H充放電システム)

施工ケーブルセットは7種類(7.3万〜16.2万円)、設置部材セットは4種類(6.25万〜12.05万円)です。いずれも税抜で、配線の長さと設置のしかたで型番が変わります。

デンソーのSDシリーズにも、同じ構造の必須オプション欄があります。長州産業のカタログにも「【必須別売品】のケーブル、センサ類が必要となります」という注記があります。

定価表に載っている金額が、そのままでは総額になりません。

ダイニングテーブルに広げた屋根のパネル配置図と発電量のグラフを指さしながら説明を受けている様子
本体の型式が同じでも、必須オプションと工事で総額は動きます。

3. 同じメーカーの中でも、型式で額が違います

国の型式一覧は、社ごとではなく型式ごとに額が決められています。

デンソーの3型式は、出力がどれも6kWで同じです。それでも並んでいる交付上限額は55万円・74万円・75万円で、19万円の差があります。ニチコンは26型式が登録されていて、幅は44.9万円から75万円です。

同じ社の中でも、型式が変われば公的に置かれている水準が変わる、ということです。

国のCEV補助金は、2026年8月27日到着分で受付を終了しています。制度そのものと自治体の上乗せは、次の記事で扱っています。

【2026年版】V2Hの補助金はいくら?最大130万円の内訳と機種別の上限額

型式ごとの上限額と、自治体の上乗せ・申請の順番をまとめています。 → 読んでみる

「ニチコンで見積もってください」では、総額は決まりません。決まるのは、型式と、必須オプションと、工事の中身がそろったときです。

総額は、型式と必須オプションと工事の中身がそろって初めて出ます。

本体の定価だけを並べても比べられないので、この3つを指定した見積もりが要ります。エコ発電本舗はV2Hを扱う販売施工店で、無料見積りフォームから商品種別を選んで問い合わせできます。各社の価格を公開しているので、返ってきた金額をその相場と照らせます。

戸建てにお住まいの方向けのサービスで、補助金の活用もサポートしています。

型式まで指定して総額を出してもらう(エコ発電本舗)

リンク先はトップページで、無料見積りフォームの「商品種別」で〈V2H〉を選べます。対応エリアは公式の会社概要で8地方46都道府県とされ、北海道は含まれません(2026年9月時点)。地域によっては提携する施工店が担当します。相場そのものは総額の内訳と回収年数の記事にまとめています。


買ったあとに効いてくる違い

候補が4〜5社まで落ちて、同じ軸で並べても差がつかない。そこから先の決め手は、買ったあとの条件にあります。

契約する前に確かめる3つ

保証の年数に付いている条件を確かめる
書類の提出、販売店による登録、認定を受けた施工店の指定。年数の数字には表れません
補修用性能部品の保有期間を聞く
起点は「製造打切」。新規生産が終わった型式を在庫で買うときに効いてきます
海までの距離を先に測る
近ければ選べる型式そのものが変わり、増える分の大きさも社によって違います

どれも見積もりの段階で聞けます。契約したあとでは変えられません。

保証は年数だけ見ても分かりません

住宅向けの保証年数は、5年から15年まで開きがあります。ただし年数には条件が付いていることが多く、そこは年数の数字には表れません。

年数公式に書かれている条件
ニチコン10年(室内リモコンは5年)「事前確認書」「設置完了報告書」が提出された場合の期間
オムロン10年「長期保証には条件があります」。保証書は販売店が登録サイトで登録して発行(施主は登録不可)
長州産業構成機器15年長州産業が認定した施工店による施工が必須。保証書の提示が必須(再発行不可)
パナソニック15年
シャープEV用コンバータ5年
デンソーSDシリーズ10年事前確認書と施工完了報告書の提出が必要。SDの施工は施工講習の受講が必須
東光高岳1年据付工事完了日から

各社の公式カタログ・よくある質問・保証規定より(2026年9月時点)。「—」は当サイトが公式の記載を確認できていない項目で、条件が無いという意味ではありません。

並べてみると、書類を出す・登録する・認定を受けた業者が工事をするという形が繰り返し出てきます。

蓄電ラボ管理人

言い換えると、頼む相手によって、保証が付くかどうかが変わりえます。カタログの「10年保証」は、条件を満たしたときの年数です。

見積もりの段階で聞けることです。「保証を有効にするための書類は、そちらで出してもらえますか。」この一言で、施工の登録や講習を受けている業者かどうかも同時に分かります。

直せなくなるのはいつか

保証とは別に、補修用性能部品の保有期間という数字があります。機能を維持するために必要な部品を、メーカーがいつまで持っているかです。

当サイトが公式資料で確認できたのは、いまのところ2社です。

  • シャープ製造打切後10年
  • デンソー製造打切後10年(DシリーズもSDシリーズも同じ記載)

他の社について「無い」わけではありません。カタログや取扱説明書の範囲では見つけられなかった、というだけです。気になる社があれば、見積もりのときに聞いてください。

この数字が効いてくるのは、新規生産が終わった型式を在庫で買うときです。起点が「製造打切」なので、終了した日から数えることになります。

海の近くは条件が変わります

海に近い家では、選べる型式そのものが変わります。ここも社ごとに考え方が違います。

公式に書かれている条件差額
ニチコン標準/重塩害を型式で選ぶ+12万円(税抜)
オムロン一般は海岸および汽水域から500mを超える屋外。保護構造は一般IP55/重塩害IP66単機能 +15万円/ハイブリッド +36万円(税別)
長州産業海岸からの距離(〜300m/〜500m/〜1km/1km超)×海域の区分(離島・外洋・内海)で可否を規定。海水飛沫のかかる場所は設置不可重塩害タイプ +16.5万円(税込)
パナソニック耐重塩の型式が用意されているシステム全体で +115.5万円(税込)
デンソー型式末尾のSが重塩害地域向け。Dシリーズは沖縄・離島と重塩害の場所には設置不可

各社の公式カタログ・施工説明書の記載より(2026年9月時点)。税抜と税込が社によって違います。見積書と突き合わせるときは、どちらの表示かを確かめてください。

金額の幅を見てください。+12万円の社から、+115.5万円の社まであります。

パナソニックの増分が大きいのは、V2Hスタンドだけでなく、パワーステーション・コンバータ・蓄電池まで耐重塩の型式に変わるためです。同じ「重塩害対応」という言葉でも、変わる範囲が違います。

作業員が家庭用蓄電池の前にしゃがみ、タブレットを見ながら点検している様子
保証の書類も、部品の在庫も、買ったあとに効いてきます。

海までの距離は、地図で測れば分かります。候補が絞れた段階で先に測っておくと、見積もりが1回で済みます。

保証の条件と、部品の保有期間は、契約する前にしか聞けません。

この章の3つは、どれも見積もりの段階なら販売店に確認できます。エコ発電本舗はV2Hを扱う販売施工店で、無料見積りフォームから商品種別を選んで問い合わせできます。型式まで指定して聞けるので、返ってきた条件をそのまま比べられます。

戸建てにお住まいの方向けのサービスで、補助金の活用もサポートしています。

保証の条件まで指定して見積もりを依頼する(エコ発電本舗)

リンク先はトップページで、無料見積りフォームの「商品種別」で〈V2H〉を選べます。対応エリアは公式の会社概要で8地方46都道府県とされ、北海道は含まれません(2026年9月時点)。地域によっては提携する施工店が担当します。実際の評判はクチコミ483件を数えた記事にまとめています。


設置した人が使ってから気づいた、5つの注意点

すでに設置した人が公開している記録を読んでいくと、カタログを何度読んでも出てこない引っかかりが繰り返し出てきます。5つ挙げます。

1. 放電中も、少しだけ電気を買い続けます

EVから家へ電気を出しているあいだも、電力会社からの購入がゼロにはなりません。

実測した記録では、ニチコンで常に約50W、長州産業で最低でも約0.1kWという値が出ています。前者の書き手は「マニュアルには記載されておらず、使ってみないと気づかない仕様」と書いています。

蓄電ラボ管理人

これは1社の欠点ではなく、V2Hという機器の性質です。出した電気が電力会社側へ逆流しないよう、常にわずかに買う向きへ寄せて制御しています。メーカー選びの判断材料にはなりません。

2. 車種との相性で、思ったとおりに動かないことがあります

対応車種の一覧に載っていても、組み合わせによって挙動が変わる例が報告されています。

メルセデス・ベンツのGLC 350eでは、ロックが作動しない・充電電流が15A以下に制限される・100%まで充電したあと放電を開始できないという3つの症状が記録されています。これはメーカー公式の注記と一致する内容です。

長州産業では、車種とスタンドの型式の組み合わせによっては、停電のときにEV側から起動できないという記載があります。

自分の車が対応表に載っているかだけでなく、注記まで読んでください。

3. アプリの使い勝手は、カタログに出ません

ニチコンでは、グラフは見られるが正確な数値が確認できず、データを外部に取り出せないという指摘があります。デンソーの記録では「専用アプリの画面は今ひとつ」という書き方をしています。

毎日開くものなので、気になる場合は展示や販売店で実際の画面を見せてもらうのが早道です。

4. 置き場所は、届く距離だけでは決まりません

各社の説明書には「直射日光を避ける」という趣旨の推奨が書かれています。温度が上がると出力を抑える制御が入るためです。

これを実際に庇を付けて工事で形にした例があります。設置場所を決める段階でしか手を打てないので、打ち合わせのときに出しておく話です。

5. 読むときは、どの型式のいつの話かまで見ます

デンソーについて詳しく書かれた記録は、2019年の初代Dシリーズについてのものです。いまのSDシリーズは形も操作も変わっていて、そのままは当てはまりません。

戸建て住宅の外壁に取り付けられたシルバーのV2H充放電器から、太い黒い充電ケーブルが1本伸びて電気自動車の充電口につながっている
他の人の記録は、どの型式のいつの話かまで見て読みます。

この5つは、見積もりのときに先に聞いてしまえるものです。放電中の購入電力、自分の車種での注記、アプリで見られる項目、置き場所の日当たり、そして提示された型式が現行かどうか。


ハウスメーカーから提案されている場合

新築や建て替えの打ち合わせでV2Hを提案されている場合は、事情が少し違います。

専用モデルという区分が、実際にあります。ニチコンの公式製品一覧には「ハウスメーカー専用モデル」という区分が置かれていて、通常の製品とは別に型式が並んでいます。

その専用モデルは、容量帯がふつうと違います。公式ページに載っている蓄電池の容量は、専用モデルが4.9/9.9/13.2/14.9kWh、通常のトライブリッドが7.4/9.9/14.9/19.9kWhです。

共通しているのは9.9と14.9の2つだけで、4.9と13.2は専用にしかなく、7.4と19.9は専用にありません。同じメーカーの同じシリーズのつもりで他社と容量を突き合わせると、噛み合わないことがあります。

出典=ニチコン「蓄電システム 製品一覧」同 ハウスメーカー専用モデル同 トライブリッド蓄電システム(2026年9月時点)。

相見積もりを取るなら、図面が固まったあとです。計画の初期は、一括見積もりサービスの受付条件から外れることが多く、図面の提出を求められます。

提案を受けている段階では、まず型式と容量を控えて、その型式が通常品と何が違うのかを担当者に聞くところからで十分です。


よくある質問

V2Hのおすすめメーカーは?

1社を挙げることはできません。太陽光の有無、パワコンを替えるかどうか、蓄電池も入れるか、既設の設備があるかの4つで、候補に残る社が変わるためです。この4つに答えると4〜5社まで落ちるので、そこから保証の条件・部品の保有期間・塩害の条件で比べてください。

V2Hに対応している自動車メーカーは?

CHAdeMO方式の充放電に対応している車かどうかで決まります。対応車種の一覧は各メーカーが公開していて、車種だけでなく年式や車両型式まで指定されていることがあります。公式のページで自分の車を引いてください。なお Honda V2H Stand は、対応するのがホンダ車4車種です。

V2H どれが良い?

出力で差はほとんどつきません(登録されている97型式のうち85%が5.9〜6kWです)。差がつくのは、既設の太陽光に足せるか、パワコンごと置き換える形があるか、蓄電池を同じ系統に入れられるか、そして保証に付いている条件です。比べるときは、メーカー名ではなく型式で並べてください。

一番安いV2Hは?

本体価格の安さだけでは決まりません。必須オプション(施工ケーブルセット・設置部材セット)が別に要る社があり、本体だけでは動かない社もあります。相場と内訳は「V2Hは何年で元が取れる?」の記事にまとめています。

補助金の対象リストに載っていれば、いま買えるということですか?

一致しません。国の補助金の対象機器として登録されている一覧(15社97型式)は、補助の対象になっている機器を並べたもので、いま出荷されている機器の一覧ではありません。たとえば住友電気工業は登録がありますが、公式の製品ページには発売時期は現状未定です(2026年5月時点)と書かれています。逆に、2026年6月下旬に発売された Honda V2H Stand は、この一覧にはまだ載っていません(載っているのは以前の型式1つだけです)。見積もりのときにこの型式は、いま出荷されていますかと一言聞いてください。

検索で出てきた型式が、いまも作られているものか分かりません

新規生産が終わった型式が、現行品とまったく同じ書式で並んでいることがあります。公式に告知されているものでは、デンソーの DNEVC-D6075/-D6075-2 が2026年2月22日に製造終了(在庫限り)、ニチコンの VCG-663CN3/VCG-663CN7 が2024年8月に生産終了、VCG-666CN7 が2026年2月に生産終了です。新規には作られていないという状態で、販売店に在庫が残っていれば買えます。候補の型式が公式の製品ページに残っているかを一度確かめてください(デンソーの3型式の状況は デンソーのV2Hはどれを選ぶ?3型式の違いと必須オプション込みの総額 に詳しくまとめています)。

出典=デンソー「Dシリーズ製造終了のお知らせ」ニチコン「生産終了品」住友電気工業「V2Hシステム」(2026年9月時点)。


まとめ

この記事の要点
  • 登録されている型式の85%が5.9〜6kW。家庭用のV2Hを出力で選ぶ余地はほとんどありません
  • 登録されている=買える、ではありません。登録があっても未発売の社があり、登録が無くても発売済みの製品があります
  • 太陽光・パワコン・蓄電池・既設設備の4つで、候補は4〜5社まで落ちます。2社まで落ちるのは、すでに同じメーカーの設備が載っている家だけです
  • 残った社は同じことができるから残っています。最後の決め手は、保証に付いている条件と、補修用性能部品の保有期間と、塩害の条件です
  • メーカー名ではなく型式で比べてください。別のメーカーだと思っていた2つが、同じ寸法・同じ数値を持っていることがあります

見積もりを頼むときに指定するのは、次の4つです。

見積もりで指定する4つ
  1. 型式メーカー名だけでは総額も条件も決まりません
  2. いま出荷されているか新規生産が終わった型式が、現行品と同じ書式で並んでいることがあります
  3. 保証の条件と、補修用性能部品の保有期間年数だけでは分かりません
  4. 海までの距離近ければ、選べる型式そのものが変わります

このうち2つ目と3つ目は、契約する前にしか聞けません。候補が絞れた段階で、まとめて確認してください。

  • 型式まで指定して聞けるので、返ってきた金額を本体・必須オプション・工事に分けて読める
  • 保証を有効にする書類を出してもらえるかを、契約の前に確認できる
  • 複数社の金額を同じ条件でそろえられる

候補が絞れたら、その条件で見積もりを取ります。

型式まで決めて1社から具体的な金額をもらうか、複数社を並べて相場そのものを確かめるか。エコ発電本舗はV2Hを扱う販売施工店で、各社の価格を公開しています。グリエネは東証プライム上場企業が運営する一括見積もりで、V2Hの相談にも対応しています。

どちらも運営の窓口が先に入るので、申し込んですぐ複数社から一斉に電話が来る仕組みではありません。

保証の条件まで含めて見積もりを取る(エコ発電本舗)

複数社の金額を並べて比べる(グリエネ)

リンク先はトップページで、無料見積りフォームの「商品種別」で〈V2H〉を選べます。対応エリアは公式の会社概要で8地方46都道府県とされ、北海道は含まれません(2026年9月時点)。地域によっては提携する施工店が担当します。北海道の方はグリエネをご利用ください。グリエネは完全無料・最大5社で、加盟店は審査を通った会社に限られます(→ グリエネに実際に申し込んで分かった入口・断り方)。サービスの選び方は見積もりサイトの比較、エコ発電本舗の評判はクチコミ483件を数えた記事にまとめています。

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この記事を書いた人

蓄電ラボ管理人。大手メーカーでリチウムイオン電池の開発に長年従事してきたエンジニアです。電池の設計・評価・充放電制御を現場で担ってきた経験をベースに、家庭用蓄電池・太陽光発電・V2H・リチウムイオン電池の劣化メカニズム・補助金(DR・FIT・自治体)を中立的なエンジニア視点で解説しています。

【扱うテーマ】家庭用蓄電池の選び方/メーカー横断レビュー/サイクル寿命と保証条件の透明性/電池が劣化する仕組みの技術解説/DR 補助金・FIT 2 段階制の影響試算/V2H と蓄電池の比較。

【執筆ポリシー】カタログ値と実測値のギャップを技術で読み解く/サイクル寿命非公開やリコール等の不利な情報も明記する/特定メーカーに偏らず、補助金込みの実質負担額で比較する。

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