【2026年最新】北区の蓄電池補助金は1万円/kWh・上限10万円|区内業者なら12万円

北区の蓄電池補助金はいくら戻ってくる?区から蓄電容量1kWhあたり1万円・上限10万円、区内の業者に頼むと1kWhあたり1万2,000円になり、東京都の10万円/kWhと併用できる

北区で蓄電池を入れると、いくら戻ってくるのか。区から蓄電容量1kWhあたり1万円・最大10万円、東京都から最大120万円で、この2つは併用できます。

ただし北区には、もう1段あります。区内に本店がある会社に工事を頼むと、単価が1kWhあたり1万2,000円・上限12万円に上がります。同じ機種を同じ日に付けても、頼む相手で最大2万円変わります。

北区の蓄電池補助金 4つの要点
  • いくら — 蓄電容量1kWhあたり1万円(上限10万円)。区内業者なら1万2,000円(上限12万円)東京都の10万円/kWhと併用でき、蓄電容量7kWhなら区8万4,000円+都70万円で合計78万4,000円になります
  • 誰が — 北区にお住まいの方。太陽光がなくても、蓄電池だけで申請できます区内に住民税の滞納がないことが条件です。賃貸に出している部屋やアパートの共用部は対象になりません
  • いつまで工事に取りかかる前に申請。交付申請は2027年2月26日、工事完了報告は2027年3月15日が締切先着順で、予算に達した時点でその年度の受付は終わります。着工してからでは受け付けてもらえません
  • どうやって — 都へ事前申込 → 区へ交付申請 → 着工 → 工事完了報告 → 交付請求区も都も工事の前に動く制度です。順序を間違えると、大きいほうの都の助成が消えます

この記事では、北区の交付要綱(全文と別表)と令和8年度のご案内、申請書の記入例、区のよくあるお問い合わせ、そして東京都の実施要綱と申請の手引きにあたって順番に見ていきます。

金額 → 区内業者で増える仕組み → 都との合計 → 対象条件 → 期限 → 申請の順序、の順です。

蓄電ラボ管理人

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蓄電ラボ管理人

大手メーカーでリチウムイオン電池の開発に長年従事。さまざまな機器の電池設計・評価で培った知見をもとに、家庭用蓄電池の技術を中立的な立場で解説しています。

目次

北区の蓄電池補助金はいくら?【結論:1kWhあたり1万円・区内業者なら1万2,000円】

項目内容
制度名再生可能エネルギー及び省エネルギー機器等導入助成(令和8年度)
個人の住宅は【一般用】の区分(機器名は「住宅用蓄電システム」)
補助額蓄電容量1kWhあたり10,000円(上限100,000円)
区内業者に頼んだ場合蓄電容量1kWhあたり12,000円(上限120,000円)
上限に届く容量10kWh(区内業者でも区外業者でも同じ)
機器の条件国の補助事業で、SII(環境共創イニシアチブ)に指定された蓄電システム
太陽光の要否不要。蓄電池だけでも申請できます
対象者区内に居住、または居住する予定の方。住民税の滞納がないこと
申請受付先着順。交付申請は2027年2月26日(金)必着
申請タイミング工事の着工前(事前)申請。着工後は受け付けられません
都との併用可能(国・都・区の合計が助成対象経費を超えない範囲)

出典:東京都北区再生可能エネルギー及び省エネルギー機器等導入助成要綱(令和8年4月1日施行)別表第1、および北区「再生可能エネルギー及び省エネルギー機器等導入助成のご案内【一般用】令和8年度版」。いずれも2026年8月13日確認。

金額そのものは23区のなかでは中位です。港区は1kWhあたり4万円で上限20万円、品川区は上限30万円なので、それらと比べると小さく見えます。

ただし北区には、他の区にはほとんど見られない仕組みがあります。誰が工事をしたかで、助成額そのものが変わります。

戸建て住宅の外壁沿いに設置された家庭用蓄電池のユニット
蓄電池は屋外の外壁沿いに据え付けます。北区は太陽光がなくても、蓄電池だけで申請できます。

区内の会社に頼むと、区の助成が2割増える

北区の助成額の表には、金額の欄が2つ並んでいます。ひとつは通常の額、もうひとつは「区内業者による設置又は施工」の額です。

蓄電容量7kWhのとき、区内業者と区外業者でいくら違うか(税抜)

区内業者 1万2,000円/kWh 8万4,000円 区外業者 1万円/kWh 7万円 差は1万4,000円 単価も上限も同じ1.2倍。頭打ちはどちらも10kWh

区内業者なら8万4,000円、区外業者なら7万円です。単価が1kWhあたり2,000円上がるので、容量が大きいほど差も開きます。10kWh以上なら上限どうしの差で2万円です。

増えるのは蓄電池だけではありません。区の助成メニューは、すべて同じ率で上乗せされます。

機器通常区内業者に頼んだ場合
住宅用蓄電システム1kWhあたり1万円(上限10万円)1kWhあたり1万2,000円(上限12万円)
太陽光発電システム1kWあたり8万円(上限20万円)1kWあたり9万6,000円(上限24万円)
高効率給湯器(エコキュート等)1台5万円1台6万円
家庭用燃料電池(エネファーム)1台5万円1台6万円
高反射率塗料経費の50%(上限10万円)経費の60%(上限12万円)
窓の断熱改修経費の20%(上限5万円)経費の24%(上限6万円)
HEMS経費の20%(上限2万円)経費の24%(上限2万4,000円)

※ 交付要綱 別表第1より(2026年8月13日確認)。助成対象経費は税抜で、機器本体・部材・架台の購入費と取付け工事費・施工費が対象です。

太陽光4kWと蓄電池7kWhをまとめて入れる場合で比べると、通常なら27万円、区内業者に頼めば32万4,000円です。差は5万4,000円になります。

増える額は、申請者が取りにいくもの
  • 要綱は「いずれかを選択することができる」と書いている自動で高いほうになるわけではありません。申請書に施工業者を書き、区内業者であることを証明する書類を添えて、はじめて上乗せされます(詳しくは申請の順序の章で)

「区内業者」は、本店がどこにあるかで決まる

では、どこまでが区内業者なのか。要綱は第2条2項のかっこ書きで定義しています。

区内業者(区内に本店登記を有する法人又は区内に事業所を有する個人事業者で、助成対象者と機器等の設置又は施工に係る契約を締結し、見積書及び領収書を発行するものをいう。

東京都北区再生可能エネルギー及び省エネルギー機器等導入助成要綱 第2条

条件は2つに分かれています。ひとつは所在で、法人なら本店登記が区内にあること。営業所や支店が北区にあるだけでは足りません。個人事業者の場合は、区内に事業所があれば該当します。

もうひとつが契約関係です。その会社があなたと契約を結び、見積書と領収書を出す立場でなければなりません。区外の会社と契約して、実際の工事だけ区内の下請けが担当した、という形では上乗せされないということです。

区内業者かどうかを確かめる
  • 見積もりを取るときに聞いておきたい2つ「本店(または事業所)は北区にありますか」「契約と見積書・領収書は御社の名義になりますか」。この2つが揃っていれば、区内業者加算の対象になります
  • 証明する書類は、コピーでは受け付けられない法人なら登記事項証明書の原本(発行からおおむね1年以内)、個人事業者なら直近の確定申告書の控えなど、公的機関が発行する書類の写しです。登記事項証明書は取り寄せに日数がかかるので、早めに依頼してください

その10万円はどう決まる? — 上限に届くのは、どちらも10kWh

助成額は容量に単価をかけて決まるので、容量が小さければ金額もそのぶん小さくなります。容量ごとに見ていきます。

蓄電容量通常区内業者
4kWh4万円4万8,000円
5kWh5万円6万円
7kWh7万円8万4,000円
10kWh10万円(上限)12万円(上限)
12kWh10万円(増えない)12万円(増えない)

差は容量に比例して開きます。4kWhなら8,000円、7kWhなら1万4,000円、10kWh以上なら上限どうしの差で2万円です。

上限に届くのは、どちらも10kWhです。単価が1.2倍になっているぶん上限も1.2倍になっているので、頭打ちになる位置は変わりません。

これは当たり前のようでいて、区によって違います。江東区は単価が2.5倍なのに上限は2倍なので、条件によって頭打ちの容量がずれます。

北区は単価と上限が同じ倍率なので、容量の判断は区内業者かどうかに関係なく同じでよいということです。

家庭用でよく選ばれる5〜7kWhの機種なら、区から出るのは5〜7万円、区内業者に頼めば6万〜8万4,000円ということになります。

区内業者に頼んだときだけ、1,000円未満の切り捨てが起きる

要綱には、端数の扱いを定めた条項があります。

助成金の額に1,000円未満の端数が生じた場合は、切り捨てる。

東京都北区再生可能エネルギー及び省エネルギー機器等導入助成要綱 第2条

容量は小数点第2位を四捨五入するので、0.1kWh刻みで扱われます。通常の単価は1kWhあたり1万円なので、0.1kWhあたり1,000円。端数はまず生じません。

ところが区内業者の単価は1kWhあたり1万2,000円で、0.1kWhあたり1,200円です。そのため容量の小数第1位が0か5でないときは、必ず切り捨てが発生します。

蓄電容量計算どおりの額実際の交付額
6.3kWh7万5,600円7万5,000円
6.5kWh7万8,000円7万8,000円(端数なし)
7.4kWh8万8,800円8万8,000円

※ 切り捨てられるのは最大でも800円です。区内業者に頼んだほうが得になる関係は、どの容量でも変わりません。

「蓄電容量」がカタログの数字とは限らない

もうひとつ、容量には注意が要ります。カタログの表紙に大きく載っている「7.0kWh」のような数字と、制度が計算に使う数字は、同じ機種でも一致しないことがあります。まず3つを整理します。

家庭用蓄電池の断面イラスト。全体を指す数字がカタログの「定格容量」とSII登録一覧の「蓄電容量」の2つあり、指す範囲は同じでも値は異なること、中央の青い部分だけが「初期実効容量」であることを示す図
同じ電池でも、指す範囲と計算のしかたで3つの呼び方があります。東京都が使うのは真ん中の「蓄電容量」です。
呼び方どう決まる数字か使っている制度
定格容量電池が理論上ためられる量。メーカーがカタログに載せるカタログ表示用(品川区は書類として提出)
蓄電容量単電池の定格容量×公称電圧×セルの数。SIIが算出して登録一覧に載せる東京都
初期実効容量実際に出し入れできる量。JIS C 4413などの方法で算出する港区など

東京都が使うのはSIIの蓄電容量で、その登録済製品一覧には次の注記が付いています。

単電池の定格容量、単電池の公称電圧、セルの数の積で算出された値です。(小数点第二位以下は切り捨て)製品HP、カタログ等に掲載されている値とは異なるのでご注意ください。

SII「蓄電システム 登録済製品一覧」※2 蓄電容量について

では北区はどちらを使うのか。要綱の別表第1にも、ご案内にも、「蓄電容量」の定義は書かれていません。あるのは「蓄電容量は小数点第2位を四捨五入する」という指定だけです。

電池開発の現場から
  • 助成対象の機器がSIIの指定を受けたものに限られている以上、実務ではSIIの値になるとみるのが自然ですただし区の資料に定義がない以上、断定はできません。見積もりの段階で「区の申請にはどの数字を書きますか」と施工会社に確認するか、環境政策課(03-3908-8603)に機種名を伝えて聞くのが確実です

実際の交付額が数千円ずれる話なので、契約を左右するほどではありません。ただし都のほうは1kWhあたり10万円なので、同じ0.1kWhの差でも1万円動きます。機種のSII登録値は、どのみち一度は確認しておく価値があります。

東京都と合わせるといくらになる? — 容量別の早見表

北区から取れる額は10kWhで頭打ちでした。ここから先を伸ばすのは東京都の側です。

北区の8万4,000円と東京都の70万円 — 蓄電容量7kWhのとき(税抜)

東京都 10万円/kWh 70万円 北区 1万2,000円/kWh 8万4,000円 単価は8分の1以下 合計78万4,000円。容量を増やして伸びるのは都の側

図は区内業者に頼んだ場合です。区外業者なら区の助成は7万円になります。いずれにしても都の側が桁違いに大きいので、区の額に気を取られて都の申込を落とすと、失うのは大きいほうです。

容量ごとの合計額を先に示します。

蓄電容量北区(区内業者)東京都合計
4kWh4万8,000円40万円44万8,000円
5kWh6万円50万円56万円
7kWh8万4,000円70万円78万4,000円
10kWh12万円100万円112万円
12kWh12万円120万円132万円

※ 区外業者に頼んだ場合、北区の欄は上から4万円・5万円・7万円・10万円・10万円になります(合計はそれぞれ2万円以内で下がります)。すべて税抜・DR実証に参加しない場合の額です。実際の交付額は機器のSII登録値で決まるため、見積もりの段階で施工会社に確認してください。

上限に当たる位置が、区と都でずれています。区は10kWhで止まりますが、都は12kWhまで伸びます。12kWhを超えると、どちらも増えません。

※ 上限120万円は東京都の助成金だけにかかる額です。区の12万円と合わせた132万円に上限がかかるわけではありません。なおDR実証に参加する場合は、この120万円の上限そのものが外れます。

導入費用そのものが何年で回収できるかは蓄電池は何年で元が取れるのかに、東京都の制度全体は東京都の蓄電池補助金ガイドにまとめています。

北区は都の助成額を差し引かない — 引き算をするのは都の側だけ

「区からもらったぶん、都の助成が削られるのでは」という疑問は、半分だけ当たっています。北区は引き算をしませんが、東京都は引き算をします。

まず北区の側です。要綱は併用について、控除ではなく合計の上限という形で定めています。

国及び地方公共団体、その他これらに準ずる団体による機器等への助成金並びに、区の機器等に対する助成金の合計金額は、助成対象経費の合計金額を超えてはならない。

東京都北区再生可能エネルギー及び省エネルギー機器等導入助成要綱 第2条

読むべきは「超えてはならない」の部分です。都の助成額を区の助成額から引く、という規定ではありません。国・都・区を足した額が、工事の税抜総額を超えなければよい、というだけです。

港区や江東区は、区の側が都の助成額を差し引いて計算します。北区はその方式を取っていません。

いっぽう東京都の側は、次の順で計算します。

東京都の助成額の計算(申請の手引き 7.)
  1. 対象経費 =(蓄電池システム機器費+工事費+IoT機器費+IoT工事費)- 国および他の地方公共団体からの補助金
  2. 助成額 = 蓄電容量×10万円 + DR実証参加10万円 +(IoT機器の設置台数×5万円)
  3. この2つを比べて、小さいほうが助成金額(千円未満切り捨て・税抜)

北区は地方公共団体なので、区の助成額は都の対象経費から引かれます。そのうえで都の助成額は、引いたあとの対象経費と「容量×10万円」の小さいほうになります。

つまり早見表どおりに出るのは、工事の税抜総額が表の合計額を超えているときです。7kWhなら78万4,000円、10kWhなら112万円が目安になります。

ここに注意
  • 蓄電池の工事は、総額100万円を超えることが多い5〜7kWhクラスで工事費まで含めれば、78万4,000円を下回るケースは多くありません。表の額がそのまま出ると考えて構いませんが、極端に安い見積もりのときだけは表より減ります
住宅のダイニングテーブルで、夫婦が補助金の申請書類と見積書を見比べている様子
確かめるのは、手元の見積書の税抜合計です。早見表の合計額を超えていれば、表のとおりの額が出ます。

北区が併用を前提にしていることは、提出書類からも読み取れます。

都や国の助成に申し込む場合は「他の助成金等申請状況申出書」を出すのですが、その記入例に書かれている制度名が、都の蓄電池・太陽光の助成そのものなのです。

記入例には、制度名として「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」、申請先として「クールネット東京」があらかじめ書き込まれています。

対象機器等の欄は「①太陽光発電システム ②住宅用蓄電システム」で、申請状況は「申請済み」にチェックが入った状態です。

区が用意した記入例に、都の制度名がそのまま印刷されています。併用が例外的な使い方ではないということです。

国の補助金は上乗せできない — 2026年5月29日に受付終了

かつては国のDR補助金(3.45万円/kWh・上限60万円)も重ねられましたが、いまは使えません。SIIの公式サイトに次の告知が出ています。

2026年5月29日(金)に交付申請額の合計額が予算に達したことを確認したため、公募は終了しました。

SII 令和7年度補正 蓄電システム等導入支援事業
ここに注意
  • いま使えるのは、東京都と北区の2階建てです「国+都+区の3階建て」という説明を見かけたら、2026年5月以前の情報の可能性があります

北区の8万4,000円より、7kWhなら70万円になる都のほうを落とさない

都の助成は容量に単価をかけて決まるので、7kWhなら70万円、10kWhなら100万円と大きくなります。区の額とは8倍以上の差です。

しかも契約を結ぶ前に事前申込を出す必要があります。区の申請は着工前に間に合えばよいので、区の締切だけを見ていると都のほうを落とします。

省エネタイガーは東京都に特化した見積もりサービスで、東京都の補助金を事前の申込から実績報告まで一気通貫で支援し、書類・写真の整備から電子申請の入力まで追加費用なしで対応すると公表しています。

無料で見積もりだけ取ることもできます。

都と区の両方を取り切る見積もりを相談する(省エネタイガー)

対応は東京都・戸建てが中心です。サービスの比べ方は東京で蓄電池の見積もりを取るならにまとめています。

自分は対象になる? — 誰が・どんな機器が

合計で最大132万円。では、これを受け取れるのはどんな人で、どんな機器なのかを確認します。

北区の蓄電池助成を受けられる条件

北区内に居住している、または居住する予定であることその住宅に自分で使う目的で購入し、設置することが要件です。工事完了報告のときに、住民票の住所と設置場所が同じでなければなりません
個人住民税を滞納していないこと工事完了報告のときに納税証明書(令和7年度・令和6年所得分)を提出します。非課税の方は非課税証明書です
SIIに指定された蓄電システムで、未使用品であること国が令和7年度以降に実施した補助事業で、補助対象機器としてSIIに指定されたものが対象です
同一年度内に、同じ種類の機器で助成を受けていないこと太陽光やエコキュートで受けていても、蓄電池は別の種類なので申請できます
賃貸・使用貸借の住宅なら、所有権者の同意を得ていること同意書を申請書に添えます
建築物の販売・貸付けなどによる利益を目的としていないこと賃貸に出している部屋や、アパートの共用部への設置は対象外です

※ 交付要綱 第3条およびご案内【一般用】令和8年度版より作成(2026年8月13日確認)。所得制限の定めはありません。

要件そのものは23区のなかでは素直なほうです。太陽光との接続を求める区が多いなか、北区にはその条件がありません。

太陽光がなくても、蓄電池だけで申請できる

港区や中央区、新宿区は「太陽光発電と常時接続していること」を蓄電池の条件にしています。北区の別表第1にはその記載がありません。

国が令和7年度以降に実施した補助事業において補助対象機器として一般社団法人環境共創イニシアチブに指定された蓄電システムであること。

北区「再生可能エネルギー及び省エネルギー機器等導入助成のご案内【一般用】令和8年度版」

求められているのは機器の要件だけで、太陽光や燃料電池との連系は出てきません。屋根に何も載っていない家でも、蓄電池だけで区の助成は取れます。

ここに注意
  • ただし東京都のほうには条件がある都の要件は①太陽光が既設②蓄電池と同時に太陽光を新設③再生可能エネルギー電力メニューを契約済み、のいずれかです。太陽光がない家が都の70万円も取りにいくなら、③の電力メニューへの切り替えがいちばん現実的です

賃貸に出している部屋には使えない

要件のなかで、判断に迷いやすいのが最後の1つです。

建築物の販売、貸付け等による利益を目的としていないこと。

東京都北区再生可能エネルギー及び省エネルギー機器等導入助成要綱 第3条

ご案内はこれを具体例で補っていて、集合住宅のオーナーが賃貸部分または共用部分に機器を設置する場合は申請できないと明記しています。

所有しているアパートに蓄電池を入れて、入居者に使ってもらう、という形は【一般用】では通りません。

逆に、自分が住んでいる部分に自分で使う目的で設置するなら対象です。一戸建てを二世帯で使っている場合も、その機器を自ら使う世帯の方が申請できます。ただし申請者と、領収書の名義が一致していることが求められます。

太陽光・エコキュートも一緒に入れるなら

蓄電池だけを入れる方は、この章を読み飛ばして構いません。北区には他の機器のメニューもあり、組み合わせるときだけ知っておきたいことがあります。

この章でわかる3つ
  • 上限は機器ごとに立っている太陽光20万円・蓄電池10万円・給湯器5万円をそれぞれ受け取れる(区内業者ならすべて2割増)
  • 太陽光は2.5kWで上限に届く4kW載せても区の助成は増えない
  • EV充電設備・V2Hはメニューにない区にはありません。国と東京都にはあります

太陽光は2.5kWで上限 — それ以上載せても区からは増えない

北区の太陽光は1kWあたり8万円で、上限が20万円です。割り算をすると2.5kWで上限に届きます。区内業者なら1kWあたり9万6,000円・上限24万円で、こちらも2.5kWです。

戸建てに載せる太陽光は4kW前後が多いので、多くの場合は最初から上限に張り付くことになります。パネルを増やしても区の助成は動きません。

蓄電池と組み合わせたときの合計を見ておきます。

組み合わせ通常区内業者
蓄電池7kWhのみ7万円8万4,000円
太陽光4kW+蓄電池7kWh27万円32万4,000円
太陽光4kW+蓄電池7kWh+エコキュート32万円38万4,000円

※ 太陽光は上限20万円(区内業者24万円)、エコキュートは1台5万円(同6万円)として計算しています。いずれも税抜・1,000円未満切り捨て後の額です。

機器をまたいだ合計の上限は要綱に定められていません。種類ごとの上限を足していけるということです。

EV充電設備・V2Hは北区のメニューにない

令和8年度のご案内にも交付要綱の別表第1にも、EV充電設備やV2Hは登場しません。区からの補助はないということです。

国の次世代自動車振興センターと東京都には制度があるので、電気自動車と組み合わせる予定なら、そちらを個別に確認してください。

戸建て住宅の外観。屋根に太陽光パネル、外壁沿いに家庭用蓄電池、カーポートにEV充電設備と電気自動車が設置されている
屋根の太陽光、外壁の蓄電池、カーポートのEV充電設備。北区の助成があるのは、このうち太陽光と蓄電池です。

パワコンを兼用する機種は、見積書の書き方で助成額が変わる

蓄電池と太陽光を一度に入れる場合、都の側に落とし穴があります。トライブリッドやハイブリッドのパワーコンディショナを使うときです。

トライブリッド・ハイブリッド等、同一のパワーコンディショナが含まれる複数機器を複数事業に申請する場合、どれか一つの事業にパワーコンディショナの費用を寄せて申請を行ってください。その際、事業の優先度は、「蓄電池>V2H>太陽光」としてください。

東京都「家庭における蓄電池導入促進事業」申請の手引き

1台のパワコンで蓄電池も太陽光も動かす機種なら、その費用はどれか1つの事業にだけ計上します。優先されるのは蓄電池です。つまり見積書の作り方しだいで助成額が変わります。

この構成を考えているなら、見積もりの段階で施工会社に伝えておいてください。省エネタイガーのように東京都の助成に慣れている会社なら、この寄せ方まで含めて組み立てられます。

いつまでに動けばいい? — 着工の前に申請する

条件を満たしていても、順番を間違えると受け取れません。北区でいちばん多い取りこぼしは、工事を始めてから申請しようとすることです。

必ず工事着工前(原則として7開庁日以上前)に交付申請を行ってください。着工後は受付できません。

北区「再生可能エネルギー及び省エネルギー機器等導入助成のご案内【一般用】令和8年度版」

区のよくあるお問い合わせでも、最初の質問がこれです。すでに工事が終わっている場合の申請は認められないと明記されています。

手続き期限(令和8年度)備考
交付申請2027年2月26日(金)必着かつ、着工の前であること
工事完了報告2027年3月15日(月)必着領収書・完了写真・住民票・納税証明書を添付
交付請求交付確定通知を受け取ってから概ね1か月で指定口座へ振込

※ 交付要綱 第5条・第8条およびご案内【一般用】令和8年度版より(2026年8月13日確認)。審査は7〜10日程度で、現場調査が入ることがあります。

この2つの日付は、要綱から機械的に決まっています。要綱は交付申請の期限を「その年度の2月末日、休日ならその直前の休日以外の日」としており、2027年2月28日は日曜日なので2月26日の金曜になります。

完了報告の3月15日も同じ考え方です。

「7開庁日前」と「10日前」— 早いほうに合わせる

ここで気をつけたいのは、期限の数え方が資料によって違うことです。ご案内と区のページは「7開庁日以上前」ですが、要綱の書き方は違います。

申請の期限は、機器等の設置又は施工の着手10日前の日(当該日が休日(東京都北区の休日を定める条例(平成元年3月東京都北区条例第1号)第1条に規定する休日をいう。以下同じ。)の場合は、その直前の休日以外の日)又は当該交付を受けようとする年度の2月末日(当該日が休日の場合は、その直前の休日以外の日)のいずれか早い日とする。

東京都北区再生可能エネルギー及び省エネルギー機器等導入助成要綱 第5条

要綱は「着手10日前」で、これは暦の日数です。いっぽうご案内の「7開庁日」は、土日祝を数えません。同じ長さを別の数え方で書いているので、連休の並び方によってはずれます。

どちらも満たそうとするなら、着工予定日の2週間前を目安にしてください。書類が1つでも足りないと受付されないので、実際にはもう少し余裕がほしいところです。

ここに注意
  • 書類が全部そろってからでないと受け付けてもらえない見積書・パンフレット・図面・現況写真に加えて、区内業者加算を受けるなら登記事項証明書の原本が要ります。登記事項証明書は取り寄せに数日かかるので、ここが日程を決めることが多くなります

先着順で、予算に達したらそこで終わる

北区は抽選ではありません。要綱が受理の順序をはっきり定めています。

前項の規定による申請の受理は、先着順で行う。

東京都北区再生可能エネルギー及び省エネルギー機器等導入助成要綱 第5条

予算枠に達した時点で、その年度の受付は終わります。区は残額を常時公表しているわけではなく、少なくなった段階でページの上部に告知する運用です。

ここに注意
  • 予算の残りは公表されていない区のページには「予算の残りわずかとなりましたら、こちらのページでお知らせいたします」とあります。告知が出ていない=まだ受付中ですが、いつ埋まるかは読めません。気になるときは環境政策課(03-3908-8603)へ

東京都は「10月1日」で対象機器が変わる

区の締切とは別に、東京都の側にも区切りがあります。

令和8年10月1日以降に事前申込をする場合、助成対象機器の要件が変わります。国の「二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(戸建て住宅・集合住宅のZEH化・省CO2化促進事業)」における補助対象機器として、SIIによって令和8年度の登録済製品一覧に登録された機器のみが助成対象となります。

東京都「家庭における蓄電池導入促進事業(令和8年度)」

これまでは令和4〜7年度に登録された機器も対象でしたが、10月1日以降に事前申込をする分からは令和8年度の登録機器に限られます。

検討している機種が令和8年度の一覧に載っているかどうかで、都の助成そのものが使えるかどうかが変わります。

北区の要件は「国が令和7年度以降に実施した補助事業でSIIに指定された機器」なので、都の条件を満たす機種を選べば、区の条件は自動的に満たされます。厳しいほうに合わせておけば取りこぼしません。

※ 2026年4月1日から6月30日までに契約締結、または契約・工事が完了した事業は除外されます。

住宅の玄関先で、施工会社のスタッフが住人に蓄電池の設置場所を説明している様子
着工日をいつにするかは、現地を見てもらうといちばん早く決まります。区の審査に7〜10日かかることも、その場で伝えておいてください。

着工の2週間前と、都の10月1日。どちらにも間に合うかを先に確かめる

北区は着工前の申請が必須で、書類がそろってからの受付です。東京都は10月1日から対象機器の条件が変わります。

省エネタイガーは東京都に特化した見積もりサービスで、東京都の補助金の申請を事前の申込から実績報告まで支援すると公表しています。

いまの検討状況で間に合うか、機種が要件を満たすかは、見積もりの段階で確認できます。

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対応は東京都・戸建てが中心です。無料で見積もりのみの依頼もできます。

どの順で申請する? — 都が先、区も工事の前

北区も東京都も、動くのは工事の前です。先に見積もりを取り、契約する前に都へ、契約後・着工前に区へという流れになります。

①申請者は助成対象の契約締結(購入、設置、保険加入)を行う前に事前申込を行ってください。

東京都「家庭における蓄電池導入促進事業」申請の手引き

都は契約より前、区は着工より前です。都のほうが早いので、この順序を崩さないでください。

北区と東京都をあわせて使うときの順序
  1. 東京都へ事前申込(契約より前・ここを落とさない)
  2. 事前申込受付通知(メール)を受け取る
  3. 契約し、着工の2週間前までに北区へ交付申請(窓口へ持参・書類がそろってから)
  4. 区から交付決定通知が届いてから着工(審査は7〜10日程度)
  5. 工事完了・支払い後、2027年3月15日までに北区へ工事完了報告
  6. 区から交付確定通知が届いたら、交付請求書と口座振替依頼書を出す
  7. 東京都へ交付申請兼実績報告(事前申込から1年以内)

6番目を見落とさないでください。区の交付確定通知が届いた時点では、まだ振り込まれません。請求書をもう1枚出して、はじめて口座に入ります。

区内業者の上乗せは、申請書に書かないと付かない

最初の章で触れた区内業者加算は、自動では付きません。要綱の書き方がそもそも選択制です。

別表第1助成金額の欄又は同表助成金額(区内業者による設置又は施工)の欄による助成のいずれかを選択することができる。

東京都北区再生可能エネルギー及び省エネルギー機器等導入助成要綱 第2条

選択するための手続きが、交付申請書の3つ目の欄です。区が配っている記入例には、次の注意書きが添えられています。

区内業者が施工又は設置することによって加算を受ける場合は必ず記載してください。区外業者の場合は記入不要です。

北区 再生可能エネルギー及び省エネルギー機器等導入助成金交付申請書(第1号様式)記入例

書くのは商号または名称、代表者名、本店所在地または事業所の3つです。あわせて登記事項証明書などを添付します。この欄が空欄のまま提出すると、通常の額で決定されます。

いちばん惜しい取りこぼし
  • 区内の会社に頼んだのに、書き忘れると2万円損する10kWhなら12万円のはずが10万円になります。見積もりの段階で「御社は北区の区内業者加算の対象になりますか」と確認し、なるなら申請書に書く。これだけのことです

完了報告に要る納税証明書は、コンビニでは取れない

工事が終わったあとの提出書類にも、時間のかかるものがあります。要綱は完了報告に住民税の証明を求めています。

個人にあっては個人住民税を滞納していないことを証明するもの

東京都北区再生可能エネルギー及び省エネルギー機器等導入助成要綱 第8条

必要なのは令和7年度(令和6年所得分)の納税証明書で、課税証明書ではありません。年度が違うものや、未納がある状態のものは受け付けられません。しかも入手先が限られます。

コンビニエンスストアでは発行できません。税務課(北区役所第一庁舎2階12番)及び各区民事務所でのみ取得可能です。

北区「再生可能エネルギー及び省エネルギー機器等導入助成(令和8年度)」よくあるお問い合わせ

住民票も納税証明書もコピー不可で、原本を出します。完了報告の締切は2027年3月15日なので、年度末に工事が終わる日程なら、証明書を取りに行く日をあらかじめ空けておいてください。

このほかに必要なのは、工事完了報告書・契約書の写し・領収書の写し・完了後の写真です。領収書は申請者本人の名義でなければなりません。ローンで支払う場合は、ローン申込書と支払いが確認できる書類で代えられます。

郵送でも出せるが、着工が近いなら窓口へ

ご案内には「書類は直接窓口までお持ちください」とありますが、区のよくあるお問い合わせはもう少し柔軟です。

郵送での申請も可能ですが、着工まで期間が短い場合は必ず窓口に持参して申請してください。不足書類がある場合は追加で書類送付をお願いしたり、審査状況によっては着工日を延ばしていただく場合があります。

北区「再生可能エネルギー及び省エネルギー機器等導入助成(令和8年度)」よくあるお問い合わせ

不足があれば着工日をずらすことになると区自身が書いています。工事の日程が決まっているなら、窓口で確認してもらうほうが確実です。

最新の様式・提出先・受付状況は、北区の公式ページで必ず確認してください。
北区公式「再生可能エネルギー及び省エネルギー機器等導入助成(令和8年度)」

この手続き、自分でやる? 任せる?

北区の要綱には、手続きの代行についての条文がありません。新宿区のように「手続代行者に依頼することができる」と書かれた区もありますが、北区は代行を制度として位置づけていないということです。

それどころか、区のページには次の注意書きがあります。

交付申請書は必ず申請者本人が記入をしてください。

北区「再生可能エネルギー及び省エネルギー機器等導入助成(令和8年度)」よくあるお問い合わせ

申請書そのものは自分で書く前提です。とはいえ、書類の大半は施工会社しか用意できません。見積書、機器のパンフレット、図面、着工前の写真、そして区内業者であることの証明。ここが遅れると着工日が動きます。

補助金の申請書類を自分で用意する場合と、施工会社に任せる場合を並べたイラスト
申請書は本人が書きますが、添付書類の多くは施工会社が用意します。都の事前申込は契約より前です。
施工会社に確認したい4点
  • 都の事前申込を、契約前に出してくれるかここを落とすと都の助成が丸ごと消えます(7kWhなら70万円)。代行の範囲に入っているかを最初に確かめてください
  • 区内業者加算の対象かどうか、その場で答えられるか本店登記が北区にあるか、契約と見積書・領収書がその会社の名義になるか。答えられない会社は、加算の証明書類も出てこない可能性があります
  • 着工前の写真と図面を、申請用にそろえてくれるか現況写真はおおむね1か月以内に撮影したものが求められます。図面は建物を上から見た平面図で、設置場所が分かるものです
  • 着工日を、区の審査期間(7〜10日)のあとに置いてくれるか交付決定の前に着工すると対象外になります。工程表を組むときに伝えておく必要があります

たとえば省エネタイガーは東京都に特化した見積もりサービスで、東京都の補助金については、事前の申込から交付申請、実績報告まで一気通貫で支援すると公表しています。

書類・写真・図面の整備、電子申請の入力、差戻しへの対応までとあり、申請サポートに追加費用はかからないとも明記しています。

ただしこれは東京都の手続きについての説明です。神奈川県向けの解説では「県および市区町村ごとの補助金」の申請も支援するとあるので、区を扱わない会社ではなさそうです。

申し込むときに「北区の申請も手伝ってもらえますか」と確認しておくと確実です。

実際に使った人の評価が気になるなら省エネタイガーの評判・口コミにまとめています。

契約の前に、その会社が「対象外」になっていないか見ておく

会社を決めるときに、もう1つ確かめておきたいことがあります。東京都は、申請の代行で不正が確認された事業者を、社名・所在地・措置期間つきで公表しています。

措置期間中、本事業において、上記事業者が施工していると認められる申請については、助成金を交付しませんので御注意ください。

クール・ネット東京「手続代行者への措置等について」

代行を頼んだかどうかに関係なく、施工した会社がリストに載っていれば都の助成は出ません。契約を結ぶ前に、会社名でこのページを一度見ておくだけで避けられます。

確認先 → クール・ネット東京「手続代行者への措置等について」(掲載される事業者は随時入れ替わるため、この記事には社名を書きません。契約前にご自身で最新の一覧をご確認ください)

北区の蓄電池補助金についてよくある質問

区内業者に頼むと、どのくらい得になりますか?

蓄電池の単価が1kWhあたり1万円から1万2,000円に上がり、上限も10万円から12万円になります。7kWhなら7万円が8万4,000円で、差は1万4,000円。10kWh以上なら上限どうしの差で2万円です。区の助成メニューはすべて同じ率で上乗せされるので、太陽光4kWと蓄電池7kWhをまとめて入れるなら27万円が32万4,000円になり、差は5万4,000円まで広がります。ただし自動では付きません。交付申請書の「3 施工業者情報」欄に商号・代表者名・本店所在地を書き、登記事項証明書などを添付して、はじめて上乗せされます。空欄で出すと通常の額で決定されます。

「区内業者」とは、北区に営業所がある会社のことですか?

営業所だけでは足りません。要綱は「区内に本店登記を有する法人又は区内に事業所を有する個人事業者で、助成対象者と機器等の設置又は施工に係る契約を締結し、見積書及び領収書を発行するもの」と定めています。法人なら本店登記が北区にあることが必要で、支店や営業所では該当しません。個人事業者の場合は区内に事業所があれば対象です。もう1つの条件が契約関係で、その会社があなたと契約を結び、見積書と領収書を出す立場でなければなりません。区外の会社と契約して工事だけ区内の下請けが行った、という形では上乗せされません。

太陽光がなくても申請できますか?

できます。北区の蓄電池の要件は「国が令和7年度以降に実施した補助事業において補助対象機器として一般社団法人環境共創イニシアチブに指定された蓄電システムであること」だけで、太陽光や燃料電池との接続は求められていません。屋根に何も載っていない家でも、蓄電池単独で区の助成は取れます。ただし東京都のほうには条件があり、①太陽光が既設②蓄電池と同時に太陽光を新設③再生可能エネルギー電力メニューを契約済み、のいずれかを満たす必要があります。太陽光のない家が都の助成も取りにいくなら、③の電力メニューへの切り替えがいちばん現実的です。

もう工事を始めてしまいました。あとから申請できますか?

できません。北区は着工前の申請が必須で、ご案内にも「必ず工事着工前(原則として7開庁日以上前)に交付申請を行ってください。着工後は受付できません」と明記されています。区のよくあるお問い合わせでも、すでに工事が終わっている場合の申請は認められないと回答されています。要綱の第5条3項はさらに「着手10日前の日」と定めていて、ご案内の「7開庁日」とは数え方が違います。どちらも満たすには、着工予定日の2週間前を目安にしてください。なお交付決定の通知が届く前に着工した場合も対象外になります。審査には7〜10日程度かかります。

上限の10万円は、どのくらいの容量から届きますか?

蓄電容量10kWhからです。通常の単価は1kWhあたり1万円なので10kWhで10万円に達し、区内業者の場合も1kWhあたり1万2,000円で10kWhで12万円に達します。単価も上限も同じ1.2倍なので、頭打ちになる容量は変わりません。5kWhなら5万円(区内業者6万円)、7kWhなら7万円(同8万4,000円)です。なお助成額は1,000円未満が切り捨てになるため、区内業者の単価では容量の小数第1位が0か5でないときに端数が出ます。6.3kWhなら7万5,600円ではなく7万5,000円です。

東京都の助成と併用すると、区の助成は減りますか?

北区の側は減りません。要綱の第2条8項は「国及び地方公共団体、その他これらに準ずる団体による機器等への助成金並びに、区の機器等に対する助成金の合計金額は、助成対象経費の合計金額を超えてはならない」と定めていて、都の助成額を区の額から差し引く規定ではありません。国・都・区を足した額が工事の税抜総額を超えなければ、区は満額出ます。いっぽう東京都は「国および他の地方公共団体からの補助金」を対象経費から引いてから助成額を計算するので、引き算をするのは都の側だけです。工事の税抜総額が区と都の合計を超えていれば、早見表どおりの額になります。7kWhなら78万4,000円が目安です。

補助金があっても、蓄電池はやめたほうがいいのでは?

補助金は負担額を下げますが、向き不向きまでは変えません。蓄電池が合うかどうかは、停電への備えをどれだけ重く見るか、そして昼につくった電気や夜間の安い電気をどれだけ自分の家で使い切れるかで決まります。北区と東京都を合わせて78万4,000円が出ても、電気の使い方が合わなければ回収は長くなります。蓄電池はやめたほうがいい?と言われる理由何年で元が取れるのかを先に読んで、そのうえで申請の準備に進むのが確実です。

まとめ — 北区で蓄電池の補助金を取りにいくなら

この記事の要点
  • 北区は蓄電容量1kWhあたり1万円・上限10万円。区内業者なら1万2,000円・上限12万円単価も上限も同じ1.2倍なので、頭打ちはどちらも10kWh。ただし申請書に業者を書かないと上乗せは付かない
  • 太陽光がなくても、蓄電池だけで申請できる求められているのはSII指定の機器であることだけ。ただし都のほうには太陽光か再エネ電力メニューの条件がある
  • 動くのは工事の前。着工の2週間前を目安に、書類をそろえて窓口へ交付申請は2027年2月26日、完了報告は3月15日が締切。先着順で、予算に達した時点で終わる
  • 東京都に特化した見積もりサービス(無料)
  • 都の補助金は事前の申込から実績報告まで一気通貫・書類や電子申請の入力も追加費用なしと公表
  • 見積もりだけの依頼もできる

北区と東京都、両方を取り切った見積もりを比べる

補助金は、制度を知っているかどうかより申請の順序を間違えないかどうかで結果が変わります。都の事前申込を落とすと、大きいほうの助成がそこで消えます。

その順序ごと相談できる相手かどうかは、見積もりを取る段階で確かめられます。北区の区内業者加算に当てはまるかも、そのときに聞けます。

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本記事の金額・期限は2026年8月13日時点で、北区および東京都の公表資料と交付要綱をもとに整理したものです。予算の消化状況によって受付が終了する場合があります。申請の前に必ず各窓口で最新の情報をご確認ください。

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この記事を書いた人

蓄電ラボ管理人。大手メーカーでリチウムイオン電池の開発に長年従事してきたエンジニアです。電池の設計・評価・充放電制御を現場で担ってきた経験をベースに、家庭用蓄電池・太陽光発電・V2H・リチウムイオン電池の劣化メカニズム・補助金(DR・FIT・自治体)を中立的なエンジニア視点で解説しています。

【扱うテーマ】家庭用蓄電池の選び方/メーカー横断レビュー/サイクル寿命と保証条件の透明性/電池が劣化する仕組みの技術解説/DR 補助金・FIT 2 段階制の影響試算/V2H と蓄電池の比較。

【執筆ポリシー】カタログ値と実測値のギャップを技術で読み解く/サイクル寿命非公開やリコール等の不利な情報も明記する/特定メーカーに偏らず、補助金込みの実質負担額で比較する。

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