2026年に家庭用蓄電池を導入するなら、お住まいの地域や買い方しだいで、補助金を使って実質負担を大きく抑えられます。
一方で、調べ始めると、すでに終了した制度の情報が現役のように残っていたり、地域ごとに金額がバラバラだったりで、全体像がつかみにくいのも事実です。
この記事では、2026年6月時点で本当に使える補助金を、国と自治体の3層に整理します。
蓄電池”単体”を入れる場合は国の補助金が実質ゼロになった一方、自治体の補助金や、断熱リフォームと組み合わせる国の住宅省エネ補助は今も活用できます。容量別の実質負担まで、具体的な数字で見ていきましょう。
補助金を使っていくら下げられるか、まず確認
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この記事を書いた人
蓄電ラボ管理人
大手メーカーで電池開発に長年携わってきたエンジニア。BMS(バッテリーマネジメントシステム:電池の状態を監視・制御する装置)やセルの充放電制御を専門とし、メーカーの公開仕様や学術データをエンジニアの視点で読み解いて、中立な立場から解説します。
2026年に使える蓄電池の補助金は「3層」に分かれる
2026年に家庭用蓄電池で使える補助金は、大きく次の3つの層に分かれます。
このうち、蓄電池”単体”の導入で確実に当てにできるのは自治体の補助金だけ、というのが2026年の現実です。
国のDR補助金(デマンドレスポンス=電力の需要を調整する仕組みに対応した蓄電池への補助)は5月末で予算が尽きて終了し、再開の予定はありません。
国の住宅省エネ補助は使えますが、蓄電池だけでは対象にならず、断熱リフォームなどとセットで行うことが条件です。
逆に言えば、自治体の補助金は今も多くの地域で残っています。東京都のように手厚い地域もあり、買い方を工夫すれば実質負担はしっかり下げられます。
なお、そもそも導入すべきか迷っている段階なら、判断基準を先に押さえておくと後悔しません(蓄電池はやめたほうがいい?後悔しない判断基準)。
次の章から、それぞれの中身を順番に見ていきます。
2026年に使える蓄電池の補助金は「3層」── まず使えるかどうかで整理
| 状況 | 補助の層(制度) | 補助額の目安 | 主な条件 |
|---|---|---|---|
| ✕終了 | 国のDR補助金DR家庭用蓄電池事業 | 〜3.45万円/kWh上限60万円(終了時の実績値) | 2026年5月末で予算満了・受付終了。再開は2027年度の見込み(時期・内容は未定) |
| 条件付き | 国の住宅省エネ補助みらいエコ住宅2026事業 | 96,000円1戸あたり定額(リフォーム枠) | 断熱リフォーム等と同時施工が必須。蓄電池“単体”では対象外 |
| 地域差 | 自治体の補助金都道府県・市区町村 | 0円〜数十万円地域により大きく異なる | 太陽光の同時設置などの条件あり。予算上限に達すると年度途中でも終了 |
金額・条件は2026年6月時点。蓄電池“単体”で確実に当てにできるのは自治体の補助金です。国のDR補助金は終了し、国の住宅省エネ補助は断熱リフォームとの同時施工が条件になります。
国の補助金①:DR補助金は2026年5月末で終了(次は2027年度の見込み)
国の代表的な蓄電池補助金だったのが、DR家庭用蓄電池事業です。
SII(環境共創イニシアチブ:国の補助金を実際に運営・執行する団体)が担っていたこの制度は、2026年5月29日に交付申請額が予算の上限に達し、受付を終了しました。
公式にも「公募の再開を行う予定はありません」と明記されています。
終了前の水準は初期実効容量(蓄電池が実際に充放電できる容量)1kWhあたり3.45万円・補助率3/10以内・1申請あたり上限60万円でしたが、これは終了した制度の実績値で、今から申し込むことはできません。
次の機会は2027年度(例年3月下旬ごろ公募開始)が見込まれており、同等の制度が再開されれば、再びこの水準の補助が戻ってくる可能性があります。
蓄電ラボ管理人DR補助金は2027年度に再開する可能性がありますが、現時点では時期も内容も未定です。再開を待って導入計画が止まってしまうのはもったいないので、まずは今使える自治体の補助金を前提に進めるのがおすすめです。再開の動きが見えてきたら、その時点で検討に組み込めば十分間に合います。
国の補助金②:みらいエコ住宅2026事業(断熱リフォームと同時なら96,000円)
国の補助金には、もう一つみらいエコ住宅2026事業があります。これは国土交通省が所管する住宅の省エネ支援制度で、リフォーム枠のなかで蓄電池(定置用リチウムイオン蓄電池)が補助対象になっています。
補助額は1戸あたり定額96,000円です。前身の制度より1.5倍ほど増額されました。
ただし注意したいのは、蓄電池だけを単体で申請することはできない点です。断熱改修などの必須工事と組み合わせ、1回の申請で補助額の合計が5万円以上になることが条件になっています。
すでに断熱リフォームを検討している家庭にとっては、蓄電池の費用を上乗せで圧縮できる制度といえます。
なお、新築住宅向けのメニューもありますが、新築の本体補助に蓄電池の定額枠はありません。蓄電池の補助はあくまでリフォーム枠が中心です。
また、ネット上では「こどもエコすまい支援事業」の名前を見かけることがありますが、これは2023年に終了した3代前の制度です。2026年の制度名は「みらいエコ住宅2026事業」なので、混同しないようにしましょう。
リフォーム枠は2026年6月15日時点でまだ受付開始前です。利用を検討する場合は、最新の受付状況を公式サイトで確認してください。
みらいエコ住宅2026事業 早わかり
- ✔ 補助額1戸あたり定額96,000円(前身の約1.5倍)
- ▲ 条件断熱改修等と同時・合計5万円以上。蓄電池単体は不可
- ✕ 対象外新築本体補助に蓄電池定額枠なし/「こどもエコすまい」は3代前・終了済
- ● 受付2026/6/15時点でリフォーム枠は受付開始前・公式で最新確認
補助金で結局いくら安くなる?容量別の実質負担シミュレーション
では、補助金を使うと実質負担はどのくらいになるのでしょうか。蓄電池の本体価格を基準に、2026年の現実的なケースで整理します。
ここでは目安として、本体相場が10kWhでおおよそ160〜240万円(2026年初頭時点)のケースで見ていきます。
補助金の併用ルール
国+自治体=併用できる/国の補助金同士(みらいエコ住宅 vs DR)=重複申請はできない。DRが終了した今、実質的に成り立つ組み合わせは「みらいエコ住宅(条件を満たせば)+自治体」。ただし自治体によっては国の補助との併用に制限を設けている場合があるため、併用の可否は各自治体の要綱で確認を
【ケースA:蓄電池”単体”で導入する場合(多くの家庭がこちら)】
国の補助金は実質ゼロです。DR補助金は終了し、みらいエコ住宅2026事業は断熱リフォームとの同時施工が条件のため、蓄電池だけでは対象になりません。
したがって実質負担は「本体相場 − 自治体の補助金」で決まります。自治体補助は0円から数十万円まで地域差が大きく、ここが実質負担を左右します。
【ケースB:断熱リフォーム同時、または太陽光とセットで導入する場合】
みらいエコ住宅2026事業の96,000円に加え、自治体補助でさらに圧縮できます。東京都のように手厚い地域なら、実質負担はもう一段下がります(東京都の詳しい金額は別記事で解説しています)。
ここで一つ注意点があります。補助金の金額は容量が大きいほど増えるため、「どうせ補助が出るなら大きい容量を」と考えたくなります。
しかし、家庭の電力使用量に対して容量が大きすぎると、使いきれない分が余り、かえって投資効率が下がります。
補助金額ではなく、自分の家に必要な容量で選ぶことが大切です(容量の選び方は別記事で詳しく解説しています)。
技術的にも、使用量に対して容量が大きすぎると、常に高い充電率(SOC)帯で電池を保持しがちになり、暦(こよみ)劣化を早める方向に働きます。
補助金額ではなく必要容量で選ぶことは、寿命の面でも理にかなっています。



補助金が手厚い地域ほど、「補助が出るうちに大きめに」と容量を盛りたくなります。ですが、余った容量は補助金以上に投資効率を下げてしまいます。補助金は”必要な容量を安く買う手段”であって、”大きく買う理由”ではない、と考えるのが安全です。
10kWhの蓄電池|補助金で引ける額の大きさ(2026年・例)
本体相場(工事込み・税込)に対して、いま使える国の補助は小さめです(みらいエコ住宅は断熱リフォーム同時が条件)。実質負担を大きく左右するのは自治体補助で、地域差がとても大きいのが特徴です。国のDR補助金は2026年5月末で終了し、いまは使えません(点線=過去の参考値)。容量が大きいほど本体価格も実質負担も増えるため、補助金は“必要な容量を安く買う手段”と考えるのが安全です。
自分の地域でいくら使えるかを確認する
補助金は地域で大きく変わります。実際に使える額と補助金込みの実質負担は、複数社の見積もりで具体的に分かります。その場で1社に決めるものではなく、複数社の内容をまとめて取り寄せて、落ち着いて見比べたうえで選べます。
💡 補助金を含めて何年で元が取れるかは、条件別に試算しています → 蓄電池は元が取れる?取れない?。容量選びの詳細は 蓄電池10kWhはどれくらい使える?
SII登録機器とは?補助の対象になる蓄電池の確認方法
補助金を使ううえで意外と見落としがちなのが、自分が選ぶ蓄電池が「補助の対象になる機種か」という点です。ここで関わってくるのがSIIです。
補助対象か確認する3つのポイント
- ①その蓄電システムがSIIに型式登録された「SII登録機器」であること。カタログ性能が良くても、未登録の機種は補助の対象外です
- ②申請の窓口は制度で異なる。家庭が直接SIIに申請するのではなく、DR補助金は登録アグリゲーター・小売電気事業者、住宅省エネ補助は登録施工業者を通じて申請します
- ③検討中の機種が登録済みか、見積もりの段階で業者に確認を。海外メーカーには国内認証(JET認証など)未取得で対象外の機種もあり、テスラのパワーウォールが該当します(テスラ パワーウォール3)
自治体の補助金とお住まいの地域での探し方
2026年に蓄電池”単体”で確実に当てにできるのは、自治体の補助金です。ただし金額や条件は地域ごとにバラバラで、全国の一覧を眺めても自分の地域に当てはまるかは分かりません。
次の手順で、自分の地域の制度を効率よく探せます。
自分の地域の補助金を探す4ステップ
- ①都道府県の制度を調べる … まず都道府県レベルの補助金があるかを確認
- ②市区町村の制度を調べる … 都道府県とは別に独自補助を出す市区町村もあり、両方使える地域も
- ③「自治体名+蓄電池+補助金」で検索 … 公式の案内ページにたどり着きやすくなります
- ④予算と受付状況を確認 … 予算が決まっており、申請が集中すると年度途中でも受付終了。早めの確認が安心
地域差の一例として、東京都は全国でもとくに手厚い補助を用意しています。
1kWhあたり10万円・1戸あたり上限120万円という水準で(太陽光の同時設置などの条件あり)、他地域と比べて実質負担を大きく下げられます。
東京都の金額や区市町村との組み合わせは、別記事で容量別に詳しく解説しています。
東京都にお住まいの方へ
東京都は全国でもとくに手厚く、実質負担を大きく下げられる場合があります。容量別の補助額や区市町村との組み合わせは、東京都の蓄電池補助金はいくら?で詳しくまとめています。
手厚いのは東京都だけではありません。全国を見渡すと、ほかにもとくに手厚い補助を用意している自治体があります。たとえば、次のような例があります(金額・条件はいずれも2026年6月時点)。
全国の手厚い自治体補助金の例(東京都を除く・補助額の大きい順)
| 自治体 | 補助の目安 | 主な条件 | 受付状況(2026年6月時点) |
|---|---|---|---|
| 神奈川県・川崎市 | 10万円/kWh(設置費の半額)・上限70万円 | 新設の太陽光(FITを使わない自家消費型)と連系する場合。FITつき・既設の太陽光との連系は上限30万円 | 受付中(〜12/28・先着) |
| 福岡県・福岡市 | 機器費の半額・上限45万円(容量14kWh以上。9〜14kWh=30万円/9kWh未満=15万円) | 太陽光+HEMSと同時設置・SII登録機器 | 受付中(〜2027/1/29・先着) |
| 長野県(県全体) | 定額20万円(太陽光と同時設置)/40万円(太陽光+V2Hも同時設置) | 「信州の屋根ソーラー認定事業者」を通じて設置・容量4kWh以上 | 受付中 |
| 兵庫県・西宮市 | 対象経費の3分の1・上限23.5万円 | 新設の太陽光と同時設置 | 受付中(〜12/1・先着) |
| 神奈川県・相模原市 | 定額20万円 | 太陽光と連系・設置完了後に申請(期別受付) | 受付中(第1期9月〜) |
| 京都府・京都市 | 5万円/kWh(補助対象経費の3分の1まで) | 太陽光(2kW以上)と同時設置・戸建て住宅 | 受付中(〜2027/1/29) |
ただし、上の表からも分かるように、手厚い自治体補助の多くは太陽光の同時設置(または連系)を条件にしています。
蓄電池”単体”で使える自治体補助は地域によって限られるため、太陽光もあわせて検討すると、使える補助の幅は大きく広がります。
※補助金は年度ごとに金額・条件が変わり、予算に達すると年度の途中でも受付を終了します(実際、上の表にはなかった自治体でも2026年6月に予算枯渇で終了した例があります)。
上の表は2026年6月15日時点の各自治体公式情報をもとにした一例です。検討の際は、最新の情報を各自治体の公式ページで確認してください。
これ以外にも手厚い補助を用意している地域は数多くあります。お住まいの自治体名で調べてみると、思いがけず手厚い補助が見つかることもあるので、先ほどの手順でぜひ一度確認してみてください。
補助金の対象条件・申請の流れ・いつまでに申請すべきか
補助金は制度ごとに細かな条件が違いますが、家庭用蓄電池の補助で共通して問われやすいのは次のような点です。
対象機種がSII登録済みであること、未使用の新品であること、自分が居住する住宅に設置すること、申請前に工事契約や工事着手をしていないこと(制度により異なる)などです。
申請の流れは、おおまかに次の3ステップです。
申請の流れ(3ステップ)
- ①制度の対象条件と予算の残りを確認する
- ②登録業者を通じて交付申請を行う(多くの制度で工事前の申請が必要)
- ③工事・設置後に実績報告を行い、補助金が交付される
ここで最も注意したいのが、申請のタイミングです。多くの補助金は予算の上限が決まっており、申請額が予算に達した時点で、年度の途中でも受付が終了します。
国のDR補助金が予定より早く5月末に終了したのも、この仕組みによるものです。「来年でもいいか」と先延ばしにすると、使えたはずの補助を逃すことがあります。
利用するなら、検討と並行して早めに条件を確認しておくのが安心です。
補助金をうたう訪問販売・詐欺に注意
補助金は読者にありがたい制度ですが、それを悪用する業者もいます。
とくに訪問販売では「補助金が使えるのは今だけ」「今日契約すれば確実に取れる」と急がせ、相見積もりの時間を与えない手口が見られます。
補助金額を強調して総額から目をそらさせ、1kWhあたりの単価が相場より高い契約になっているケースもあります。
見分けの起点はシンプルで、その場で契約せず、複数社の見積もりを比べることです。補助金を含めた実質負担と、1kWhあたりの単価を冷静に並べれば、不自然な提案は見えてきます。
悪質な手口や上手な断り方、契約後の対処法は、別記事で詳しくまとめています(蓄電池の訪問販売トラブル)。
はじめての見積もりで失敗しないための進め方は、蓄電池の見積もりガイド(失敗しない選び方)にまとめています。



補助金を盾に契約を急がせる業者は、それだけで一歩引いて見て大丈夫です。本当に良い提案なら、相見積もりを取られても困らないはず。焦らせてくる時点で、お客さんの利益より自社の都合が優先されているサインだと、私は考えています。
よくある質問(補助金のFAQ)
蓄電池”単体”の場合、2026年は国の補助が実質ゼロのため、自治体の補助金しだいです。0円から数十万円まで地域差があります。
断熱リフォームと同時に行えば、国のみらいエコ住宅2026事業で1戸あたり96,000円が加わります。
制度ごとに期限は異なりますが、共通して言えるのは「予算が尽きると年度の途中でも終了する」ことです。国のDR補助金も予定より早く2026年5月末で終了しました。
検討と並行して、早めに条件と受付状況を確認してください。
多くの補助金は「自分が所有・居住する住宅への設置」を前提にしています。
賃貸住宅は、所有者でない入居者は対象外になりやすく、分譲マンションも専有部への蓄電池設置は構造上難しいケースが多いです。戸建て向けの制度が中心と考えておくとよいでしょう。
国の補助金は2026年時点で実質ゼロのため、太陽光の有無にかかわらず国からの上乗せは期待しにくい状況です。
自治体の補助金は地域によりますが、太陽光の同時設置を条件にしているところもあります(東京都など)。お住まいの自治体の要件を確認してください。
まとめ:補助金を使って蓄電池を賢く導入するには
2026年の蓄電池の補助金を整理すると、ポイントは次の3つです。
- ・蓄電池”単体”なら国の補助は実質ゼロで、当てにできるのは自治体の補助金
- ・断熱リフォームや太陽光とのセットなら、国のみらいエコ住宅2026事業も活用できる
- ・補助金額に引っ張られて容量を盛らず、自分の家に合った容量で選ぶことが結局いちばん得
補助金は地域や買い方で実質負担が大きく変わります。そして、自分が使える補助金と実質負担を正確に知るには、補助対象の機種を前提に複数社の見積もりを比べるのが最も確実です。
補助金込みで何年くらいで元が取れるかは別記事で条件別に試算しているので(蓄電池は元が取れる?)、太陽光とセットにした場合の回収(太陽光+蓄電池は何年で元が取れる?)とあわせて確認してみてください。
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補助金込みの実質負担を、複数社で見比べる
この記事の知識があれば、各社の提案を冷静に評価できます。蓄電池“単体”はタイナビ、太陽光とのセットはグリエネで、無料で見積もりを比べられます。一度に複数社へ依頼でき、内容を見比べてから選べるので、急かされて決める必要はありません。
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