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太陽光発電はやめたほうがいい?デメリットと、元が取れない家の3つの条件

太陽光発電はやめたほうがいい?元が取れない家の3つの条件(屋根の向き・家で使う割合・1kW あたりの値段)

太陽光発電を考え始めると、「やめたほうがいい」「後悔した」という声が目に入ります。

電気代が下がるという話と、元が取れないという話。どちらが自分の家に当てはまるのかが分からないと、決められないと思います。

答えは家によって分かれます。2025年に設置した家の平均の値段(税込)と、2026年度の売電の単価で計算すると、太陽光だけで元が取れるのは約18年でした。

分かれ目は、屋根の向き(発電の量)・発電した電気を家で使う割合・1kW あたりの値段の3つです。

3つとも悪い家は30年たっても元が取れませんが、ほかが平均の家なら、家で使う割合か1kW あたりの値段のどちらか1つが良いだけで14年台で戻ります。

東京都の補助を使い、1kW あたり28万円ほどで買えて、発電した電気の半分を家で使う家なら、最短で約6年です。

大手メーカーで電池開発に長年携わってきた筆者が、国の資料と、実際に太陽光をつけた人の声102件をもとに確かめました。

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蓄電ラボ管理人

この記事を書いた人

蓄電ラボ管理人

大手メーカーでリチウムイオン電池の開発に長年従事。さまざまな機器の電池設計・評価で培った知見をもとに、家庭用蓄電池と太陽光発電の経済性を中立的な立場で解説しています。

目次

太陽光だけで、元は取れるのか(筆者が計算しました)

よく言われるデメリットを見る前に、いちばん知りたい「元が取れるか」を、国の資料の数字で計算しました。

2025年(1〜8月)に設置した家の平均の値段で計算すると、太陽光だけ(5.5kW)で元が取れるのは17.7年でした。20年使うと約23万円、30年使うと約131万円の得です(電気代が毎年2%上がる場合)。

新築の家の平均の値段なら16.9年です。

国の資料の平均(既築30.1万円/kW)は、税抜の値です(調達価格等算定委員会の意見)。見積もりは税込で出てくるので、この記事は1.1倍した33.1万円/kW で計算しました。

分かれ目は3つ:発電の量・家で使う割合・1kW あたりの値段

平均の家から条件を1つだけ変えて、回収の年数と20年の損得を出しました。3つの分かれ目のどれか1つで、回収は14年から27年まで動きます。

表1|家の条件と、回収の年数・20年の損得(5.5kW・税込)

家の条件回収20年の損得
平均の家1kW 33.1万円家で使う35%17.7年+23万円
家で使う割合50%昼に在宅・EV14.3年+74万円
安く買えた1kW 28万円14.7年+51万円
高く買った1kW 38万円20.4年−4万円
東か西向きの屋根年1,000kWh/kW23.6年−28万円
家で使う割合20%共働きで昼は留守24.0年−27万円
3つとも悪い38万円・北寄り家で使う20%戻らない−113万円
良い条件が2つ28万円・家で使う50%12.0年+102万円

※平均の家=既築・1kW 税込33.1万円・1kW あたり年1,235kWh 発電・家で使う割合35%(算定委員会の意見の2025年1〜8月の平均。設置費用は税抜の値×1.1)。買う電気31円(税込)が毎年2%上がる。売電24円×4年→8.3円×6年→11年目から8.5円。パワコンの交換と点検で年5,740円/kW(国の資料の中の業界団体への聞き取りの額。税込か税抜かは書かれていない。税抜なら20年の得はさらに約6万円少ない)。パネルの劣化は年0.5%。補助金なし。外す費用と、屋根の塗り替えのときの脱着の費用は入れていない。年1,000kWh・900kWh は、太陽光発電協会の向きの割合(南を100として東西 約84・北 約62〜72)を全国の平均に掛けた値。筆者の計算(2026年10月)。

屋根が北寄りで影もある家(年900kWh/kW)は、27.2年です。3つの分かれ目のうち1つだけ平均より悪い家は、20年ではマイナスです。ただ30年使えば、どれもプラスに戻ります(+20万〜+104万円)。何年住むかで答えが変わります。

3つとも悪い家は、30年使っても71万円の損です。

なお、蓄電ラボのほかの記事(太陽光+蓄電池の回収の記事や、新築の記事など)にある15.1年や15年台は、国の想定の値段(1kW 25.5万円・税抜)・年1,200kWh・家で使う割合30%で計算した値です。

この記事は、見積もりと同じ税込の、2025年の平均の値段で計算しました。

売電は最初の4年が24円で、費用を早く取り戻せる仕組みです

回収の年数を左右するもう1つの数字が、売電の単価です。2026年度に売電を始める家は、最初の4年が1kWh 24円、5〜10年目が8.3円です。単価は国の認定のときに決まり、10年のあいだは変わりません。

図1|1kWh あたりの単価(売る電気と買う電気)

買う電気(目安)
31円
売電 1〜4年目
24円
売電 5〜10年目
8.3円
11年目から(東京電力)
8.5円
0102030円

※売電の単価は、2026年度に国の認定を受けた10kW 未満の家(資源エネルギー庁)。11年目からは電力会社ごとに違い、東京電力エナジーパートナーは8.50円(2026年10月時点)。買う電気の31円は、全国家庭電気製品公正取引協議会の目安(税込・2022年改定)。

最初の4年は、買う電気の31円の8割ほどの、24円で売れます。国が、設置の費用を早く取り戻せるように、高い単価を最初の4年に寄せたからです(2025年10月からの初期投資支援の仕組み)。

24円は家庭の電気の値段の想定を超えない値、8.3円は電力会社どうしが電気を売り買いする市場の値段の想定です(算定委員会の令和7年度の意見)。

10年をならした単価は約14.6円で、その前(2025年4〜9月)の15円とほぼ同じです。10年の合計を減らしたのではなく、前に寄せた形です(筆者の計算)。

そのため、1年で得をする額も最初の4年が大きくなります。平均の家で計算すると、1年目は14.8万円、5年目は8.3万円でした。

図2|1年で得をする額(平均の家)

1年目
14.8万円
4年目
15.0万円
5年目
8.3万円
10年目
8.8万円
11年目
9.0万円
20年目
10.0万円
051015万円

※既築・5.5kW・家で使う割合35%・電気代が毎年2%上がる場合。得をする額=電気代が減る分+売電の収入−パワコンの交換と点検の費用(年にならした額)。筆者の計算(2026年10月)。

5年目からは、売るより家で使うほうが得になります(売電8.3円・買う電気31円)。1年の得は半分ほどになり、そのあとは電気代が上がる分だけ、少しずつ増えます。11年目からは、電力会社が決める単価で売ります。

最初の4年の売電の収入だけで考えないよう、少し気をつけてください。

東京都の補助まで重なると、回収の年数は、いちばん短いケースで6年台まで縮みます。この家では、費用の7割ほどが最初の4年で戻ります。

蓄電ラボ管理人

計算してみて、条件がそろう家なら、回収はかなり短くなると分かりました。

そういう家には、太陽光を入れたほうがいいと思います。

平均の家で約18年でした。では、よく言われるデメリットは本当なのか。1つずつ確かめます。

元が取れるかは、家ごとの見積額で決まります

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「やめたほうがいい」と言われるデメリットは、本当か

よく挙がる理由を、国の資料で1つずつ確かめました。理由の多くは本当です。ただし、対処できるものと、家の条件で決まるものがあります。

表2|よく言われるデメリットと、本当か・対処(2026年10月時点)

言われる理由本当か・対処
費用が高い本当平均は5.5kW で税込 既築約182万円・新築約175万円対処:1kW あたりの値段で比べる
売電の単価が下がった本当2012年度は42円。2026年度は最初の4年24円・5年目から8.3円対処:家で使う電気を増やす
元が取れない家による平均の家で約18年・東京都の補助があれば約11年対処:3つの条件で見る
パワコンの交換や点検にお金がかかる本当20年で約57万円(5kW)対処:保証年数を確かめる
影や屋根の向きで発電が減る本当影は1枚でも、同じ列の発電が下がることがある。東・西向きは南の約84%対処:見積もりの前に影を見る
雨漏りする起こりうる後付けの工事が原因なら、建てた会社の保証は使えない対処:工事の保証を書面で
反射光で近所ともめる裁判の例がある一審は持ち主に撤去と賠償を命じた対処:北の面に載せる前に確かめる
火事になる起こりうる屋根の板まで燃えた7件は、すべて鉄板を敷かない載せ方対処:自分の家の載せ方を聞く
訪問販売で高く買わされる相談が増えた点検商法の相談は2017年度57件→2024年度613件対処:その場で契約しない
捨てるときにお金がかかる本当リサイクル費だけで5.5kW 4.4万〜6.6万円対処:外す費用も見積もりで聞く

※2012年度の42円は、資源エネルギー庁の過去の買取価格(10kW 未満)。ほかの行の出どころは、リンク先の見出しに書いています。

パワコンと点検の費用は、20年で約57万円です

戸建て住宅の外壁に設置されたパワーコンディショナーと、作業用の手袋をはめた手
パワコンは、外の壁や家の中に付けます。

パワコン(パワーコンディショナー)は、パネルで発電した電気を、家で使える電気に変える機械です。国の資料は、20年のあいだに一度は交換し、その費用を約38.4万円(5kW)と見ています。

点検は、1年目・5年目・9年目・13年目・17年目の5回が業界の目安で、1回約3.8万円です(保守点検ガイドライン)。パワコンの交換と点検を合わせると、20年で約57万円(5kW)になります。この記事の5.5kW なら約63万円です。

年にならすと、1kW あたり約5,740円です。国が売電の単価を決めるときの想定は年3,000円/kW ですが、業界団体への聞き取りから国が換算した5,740円のほうが高いので、この記事は高いほうで計算しました。

ただ、パワコンの寿命は10〜15年と言われます(太陽光発電協会)。15年で替える計算にすると、平均の家の回収は19.0年に延びます(筆者の計算)。

【2026年版】太陽光パネルの寿命は何年?劣化・パワコン交換・蓄電池セット寿命を電池開発エンジニアが解説

パネルとパワコンが何年もつのか、劣化と交換の時期を整理しています。 → 読んでみる

影は1枚にかかるだけでも、同じ列の発電が下がることがあります

屋根のパネルは、何枚かを数珠つなぎ(直列)にして1つの列にしています。電池を直列につなぐと、いちばん弱い1本に電流がそろってしまうのと同じで、1枚に影がかかると、同じ列の発電がまとめて下がることがあります。

パネルの中には、影の影響を和らげる部品(バイパスダイオード)が入っていますが、ゼロにはなりません。太陽光発電協会の資料にも「一部の陰でもストリング全体に影響を及ぼします」とあります。

年で見ると、南のすぐ隣(1m)に家がある場合で、発電が年1割前後減るという計算があります(太陽光発電協会・東京の例)。屋根の向きでも発電は変わり、南を100とすると、東・西は約84、北は約62です。

影の入り方は、見積もりのシミュレーションで「影を入れているか」を聞くと分かります(見積もりで確かめる4つ)。

つけた人の後悔でいちばん多いのは、パワコンなどの故障と交換の費用でした

2022年以降に、太陽光をつけた本人が書いた声を102件集めました(Yahoo!知恵袋88件・価格.com 7件・個人のブログ7件)。紹介料の入らない場所だけです。

知恵袋は困った人が質問する場なので、悪い声の割合は実際より多く出ます。割合ではなく、何で困ったかを見てください。

図3|つけた人の後悔の型(多かったもの)

故障・パワコンの交換費
12件
元が取れない
7件
訪問販売で高く買った
6件
蓄電池が期待外れ
6件
外すときの費用・手間
5件
売電の単価の下落
4件
0510件

※2022年以降に、太陽光をつけた本人が書いた102件(Yahoo!知恵袋・価格.com の保存版・個人のブログ)。1件の声に2つ以上の型があるときは、それぞれに数えた。雨漏り・火事・反射を実際に経験した本人の声は、この中に0件でした。2026年10月18日に数えた。

いちばん多かったのは、パワコンなどの故障と交換の費用(12件)です。交換の金額は15万〜50万円台が多く、90万円と言われて蓄電池を勧められた例もありました。国の資料では、5kW で約38.4万円です。

九州で15年使った人は、こう書いていました(2023年の書き込み・売電が42円だった時期もある人。蓄電池をつけたとは書いていません)。

日照時間長い九州に住んでても設備投資した分以上の発電はしませんでした平均12kWh/1日でも15年経ってもマイナス
途中でコンディショナー壊れて40万の交換代金、パネルは10%発電能力落ちました

Yahoo!知恵袋の回答(2023年6月)

※「コンディショナー」はパワコンのこと。原文のまま引用しました。

パワコンの保証年数と、交換したときの費用は、買う前に聞けます(見積もりで確かめる4つ)。

次に多かったのは、元が取れない(7件)、訪問販売で高く買った(6件)、外すときの費用や手間(5件)です。

訪問販売では「その場で215万円(太陽光4.02kW)」「その場で約500万円(蓄電池込み)」のほか、祖母がその場でパワコンの交換(47万円)を決めた、という孫の声がありました。

蓄電ラボ管理人

後悔の声でいちばん多かったのが、パネルではなくパワコンの交換でした。

電子部品の機械なので、パネルより先に寿命が来ることがあります。買う前に、ここの保証と費用だけは聞いておいてほしいと思います。

雨漏り・火事・反射:起きたときの責任と対処

よく言われる雨漏り・火事・反射の3つは、集めた声の中に、実際に経験した本人の声がありませんでした(屋根の心配の声は3件)。ただ、起きたときの責任と対処は、先に知っておくと慌てずに済みます。

雨漏りは、まず原因を確かめます。新築の家は、建てた会社が引き渡しから10年責任を負います。

ただ、後から別の会社が太陽光を載せて漏れた場合、原因がその工事なら、建てた会社は責任を負いません(住宅リフォーム・紛争処理支援センター)。

火事は、国の調べで、火元の多くはパワコンと接続箱でした。

図4|住宅の太陽光の火事の火元(原因を調べた72件)

パワコン・接続箱
59件
パネル・配線
13件
0204060件

※2008〜2017年に国に登録された127件のうち、原因を調べた72件(消費者安全調査委員会・2019年)。

パネルや配線が火元の13件のうち、屋根の板まで燃え広がった7件は、すべて「鋼板等なし型」(屋根材の上に鉄板などを敷かずに載せる形)でした。この載せ方は、住宅の太陽光の約4.5%です(2018年の推定)。

自分の家の載せ方は、付けた会社に聞くと分かります。

太陽光のある家の火事では、消防は感電を避けて、離れた位置から霧状に放水します(消防庁)。

反射光は、北の面のパネルの反射光で、隣の家と裁判になった例があります。一審は、パネルの持ち主に撤去と賠償を命じました。

控訴した施工会社への賠償は、東京高裁が2013年に「受忍限度(がまんすべき範囲)を超えない」として退けています(日本不動産学会誌の判例紹介)。

北の面に載せる前に、北側の家の窓の位置を確かめておきます。

理由の多くは本当でした。ただ、どれが効いてくるかは家ごとに違います。次は、やめたほうがいい家の形を見ます。

パワコンの保証年数も、見積もりで聞けます

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※最初の電話は、担当のアドバイザーからです

太陽光をやめたほうがいい家(5つのケース)と、当てはまったときにすること

表1の計算と、つけた人の声から、やめたほうがいい家の形が見えてきます。5つのうち、当てはまるものがあるかを見てください。

図5|太陽光をやめたほうがいい家

① 屋根が東か西向き・北寄り・影が多い
発電が年1,000kWh/kW なら、回収は23.6年
② 昼に家でほとんど電気を使わない
家で使う割合が20%なら、回収は24.0年
③ 1kW あたり税込38万円以上の見積もりしか出ない
回収は20.4年
④ 18年以内に建て替え・引っ越し・屋根のふき替えの予定がある
平均の家でも、元が取れる前に、外すか家ごと手放すことになる
⑤ その場で契約を迫られている
その場で決めると、ほかの会社と値段を比べられない

※回収の年数は、表1の平均の家から、その条件だけを変えた値。

①〜③は、見積もりで確かめられます。①は、見積もりのシミュレーションで「1kW あたり年何kWh 発電するか」を聞きます。②は、昼に動かせる家電や EV がある家なら話が変わります。③は、2〜3社で比べると分かります。

家で使う割合の考え方は、太陽光の自家消費率の記事にまとめています。

④は、外す費用が自分持ちになる点も見ておきます。国も、家庭用の太陽光は建て替えのときに外す想定で、捨てる費用を積み立てる仕組みは家庭用にはありません。

リサイクルの費用だけで、5.5kW なら4.4万〜6.6万円です(外す工事は別)。

東京都の補助を受けた家は、設置から17年のあいだに外したり譲ったりするとき、前もって公社の承認が要り、補助の一部を返すことがあります(クール・ネット東京の手引き)。

その場で契約を迫られたら

太陽光の「点検商法」(点検を口実に訪ねてきて、工事や機器の契約を勧める売り方)の相談は、2017年度の57件から、2024年度は613件に増えました(国民生活センター・2025年6月)。

相談した人の平均は69.1歳で、点検をきっかけに結んだ契約の平均は約113万円でした。

「点検が義務になった」と言われても、それは「その業者の点検を受ける義務」ではありません。売電をしている家の決まりは、申請のときに出した点検の計画どおりに点検することです(事業計画策定ガイドライン)。

その場で契約を迫られたときにすること
  • まず、付けた会社に、自分の家の点検の計画を聞く
  • 訪問販売や電話の勧誘での契約は、書面を受け取ってから原則8日以内ならクーリング・オフできる
  • 困ったときは、消費者ホットライン188に相談する

手順は、太陽光の点検商法と、クーリング・オフの手順にまとめています。

①〜③が3つとも当てはまる家は、30年たっても元が取れません(1kW 税込38万円・年900kWh・家で使う割合20%で計算)。ここに当てはまるなら、今はやめておく判断で正しいと思います。

1つだけなら、見積もりで確かめられます

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※断りの連絡は、アドバイザーが代わりに伝えます

つけてよかった声と、太陽光をおすすめできる家

つけてよかった声は、電気代と、元が取れたこと

つけた人の声のうち、良い声でいちばん多かったのは、電気代が下がったこと(28件)でした。次が、元が取れた(見込みを含む・17件)、壊れない・手入れがいらない(7件)、冷暖房を気にせず使える(6件)です。

新築で太陽光だけをつけた人(蓄電池はつけていない)が、1年の発電と、家で使った量を書いていました。

我が家の例でいえば太陽光5キロ、パワコン4キロ(中略)を新築時に買取で採用、昨年1年間で約6500キロの発電、3200キロの自家消費です。
(中略)
まあ、太陽光自体、電気代の先払いみたいなものですので、たとえば毎月1万円光熱費を抑えたいがために設備投資+維持費用で180万なら15年分。

Yahoo!知恵袋の回答(2026年2月)

※「キロ」は kW と kWh のこと。原文のまま引用しました。

発電した電気の約半分を家で使い、15年ほどで取り戻す考え方です。この記事の計算(家で使う割合50%で14.3年)と近い値です。

実際に元が取れたと書いた7人は、7〜10年ほどで取り戻していました。ただ、設置した年が分かる人は、売電を31〜48円で売っていた人です。

2022年以降に付けた人のよかった声には、補助金・昼の在宅・EV の充電が並んでいました。

こんな家には、太陽光をおすすめします

昼に家で電気を使う家には、太陽光をおすすめします。発電した電気の半分を家で使えば、平均の値段で買っても14.3年で元が取れ、20年で約74万円の得になるからです(表1)。

太陽光をおすすめできる家
  1. 屋根が南向き(南東・南西でも南の95%前後)で、影がない
  2. 昼に家にいる・EV やオール電化で、昼に電気を使う
  3. 1kW あたり税込28万〜32万円で買える(平均より安い)
  4. 補助金が使える(東京都なら約11年。28万円で買い、発電の半分を家で使えば約6年)
  5. 20年以上住む

家で使う割合か1kW あたりの値段のどちらかが良ければ14年台、両方なら12.0年で元が取れます(表1)。

工事込みの値段は、見積もりで出ます

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損をしないで買うには:補助金と、見積もりで確かめる4つ

補助金があれば、回収は11年ほどになります

東京都には、いまの家に太陽光を付けるときの補助があります(2026年度・家庭における太陽光発電導入促進事業)。3.75kW を超える家は、全体に1kW あたり12万円で、5.5kW なら66万円です。

東京都の補助を使うと、平均の家の回収は10.6年になり、20年で約89万円の得です(30年なら約197万円)。パワコンを15年で替える計算でも11.5年です。新築の家は補助が55万円で、回収は11.0年でした。

東京都の補助で気をつけること
  • 契約の前に、事前の申し込みが要る(契約したあとでは、原則として使えない)
  • 国や区の補助、キャッシュバックを受けると、その額を費用から引いて都の補助を計算する
  • 区の上乗せは別(この記事の計算には入れていない)
  • 設置から17年のあいだに外す・譲るときは、前もって公社の承認が要る(補助の一部を返すことがある)

ほかの自治体は、額も条件も違います。住んでいる市区町村の補助は、見積もりのときに業者に聞くと早いです。東京都の補助は、東京都の蓄電池の補助金の記事でも太陽光の分に触れています。

国には、いまの家に後付けで太陽光だけを付ける家への補助は、2026年10月に確かめた範囲ではありませんでした。国は補助のかわりに、最初の4年の売電を24円にして支えています。

いちばん短いケース:条件がそろえば、約6年で元が取れます

補助金に、あと2つの条件が重なると、回収はさらに縮みます。1つ足すごとに縮み、3つそろうと約6年です。

表3|条件を足していくと、回収はここまで縮む(既築・5.5kW・税込)

家の条件回収20年の損得
平均の家補助なし17.7年+23万円
+東京都の補助66万円10.6年+89万円
+安く買う1kW 28万円7.4年+117万円
+昼に家で半分使う家で使う割合50%6.3年+168万円

※「安く買う」の28万円は、2025年1〜8月に設置した家(新築と既築・34,163件)の、安い方から3割の値段(税抜25.6万円)を税込にした額(算定委員会の意見)。「昼に家で半分使う」は、発電した電気の半分を家で使う家(国の資料では、真ん中の家で約39%)。東京都の補助は手引き(2026年6月30日版)の既存住宅の額。ほかの前提は表1と同じ。筆者の計算(2026年10月)。

いちばん短いケースの家では、費用の7割ほどが最初の4年(売電24円)で戻ります。そのため、5年目からの単価や電気代の見込みが外れても、回収の年数はあまり延びません。

電気代が上がらなくても6.7年、パワコンを15年で替えても6.7年、その2つが同時でも7.2年でした。

家で使う割合が真ん中の家(39%)でも、7.0年です。東京都以外で補助がない家は、良い条件が重なった12.0年が最短です(表1)。新築の家は都の補助が55万円で、同じ条件なら7.3年でした。

「安く買う」の28万円は、2025年に実際に設置した家の、安い方から3割が払った値段です。ここが、見積もりを2〜3社からとる理由です。

見積もりで確かめる4つ

ダイニングテーブルに広げた屋根のパネル配置図と発電量のグラフを指さしながら説明を受けている様子
見積もりでは、パネルの配置と、発電量のシミュレーションの前提を聞いておきます。

図6|見積もりで確かめる4つ

1kW あたりの値段を、国の平均と比べる
平均は税込で既築33.1万円・新築31.8万円。28万円ほどなら安い方から3割。見積もりが税込か税抜かを先に確かめる
発電のシミュレーションの前提を聞く
「1kW あたり年何kWh か」「影を入れているか」。全国の平均は年1,235kWh
パワコンの保証年数と、交換の費用を聞く
機器15年のメーカーが多いが、無料は10年で15年は有料のメーカーもある
屋根の工事の保証(雨漏り)を書面でもらう
後付けの工事が原因の雨漏りは、建てた会社の保証では直らない

※国の平均は、2025年1〜8月に設置した家の値(税抜の28.9万円・30.1万円×1.1)。

パワコンの保証は、メーカーで違います。パナソニック・カナディアン・ソーラー・Qセルズと、シャープの一部は、機器の保証が15年です。京セラの標準と、シャープのそのほかは、無料が10年で、15年にするには有料です。

京セラは引き渡しから1年以内、シャープは1か月以内に申し込まないと付かない保証があります。保証の年数と一緒に、申し込みの期限も聞いておきます。

2〜3社の見積もりを並べるには、見積もりの紹介サービスを使う方法があります。蓄電ラボで約款とクチコミから仕組みを確かめたのは、ソーラーパートナーズです。

申し込むと、担当のアドバイザーから確認の電話があり、自社で工事をする会社を紹介してもらえます。

紹介される社数は地域で変わり、1社のこともあります。紹介された会社と契約したら、契約した日を含めて4日以内に、完了保証を申し込んでおきます。

ソーラーパートナーズの評判・口コミは?222件を全部読み、電話と完了保証の条件を確かめました

電話の流れ・紹介される社数・完了保証の条件を、約款とクチコミで確かめています。 → 読んでみる

東京都の補助の手続きまで1社に任せたい人などには、ソーラーパートナーズのほかにも頼み先があります(→ 太陽光の見積もりは、どこに頼むのがいいのか)。

蓄電ラボ管理人

その場で契約を迫られたら、いったん帰ってもらって大丈夫です。

太陽光は、急いで決めて得をする買い物ではないと思います。

1kW あたりの値段を、2〜3社で比べる

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蓄電池も一緒につけたほうがいい?

補助金がなければ、蓄電池は太陽光の回収を早める設備ではありません。蓄電ラボのほかの記事と同じ国の想定の値段で比べると、太陽光だけは15.1年、太陽光と蓄電池のセットは17.6年でした。

東京都のように蓄電池の補助が厚いと、セットで11年ほどに縮みます。蓄電池が稼ぐのは、売電が8.3円に下がる5年目からです。

つけた人の声でも、蓄電池が期待外れだったという声が6件ありました(夜までもたない・後付けで売電が減ったなど)。

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太陽光だけ・セットなど4つの形で、何年で元が取れるかを同じ前提で試算しています。

→ 4つの形の試算を見る

蓄電池だけで元が取れるかは、蓄電池は元が取れるかの記事で条件別に試算しています。すでに太陽光がある家は、蓄電池の後付けの記事が近い話です。

蓄電池とのセットも、まとめて見積もれます

ソーラーパートナーズで見積もる

※最初の電話は、担当のアドバイザーからです

よくある質問

東京都の義務化で、自分の家にも太陽光を載せないといけませんか?

いいえ。2025年4月から東京都で義務を負うのは、都内で年2万㎡以上の住宅を建てる大手の住宅供給事業者で、家を建てる人(施主)ではありません。いまある家も対象外です(東京都太陽光ポータル)。

川崎市も同じ形で、年5,000㎡以上を建てる事業者が対象です(川崎市の説明会資料)。新築で太陽光を勧められたときの考え方は、新築の太陽光と蓄電池の記事にまとめています。

電力会社に売電を止められる(出力制御)ことはありますか?

家の屋根の太陽光(10kW 未満)は、いまは「当面の間、対象外」です(資源エネルギー庁のガイドブック2026・九州電力送配電)。

ただし北海道・東北・北陸・中国・四国・九州・沖縄では、2015年4月以降に接続を申し込んだ家は、制御に応じられるパワコンを付けることが接続の条件です(資源エネルギー庁)。東京電力のエリアは、10kW 未満は「不要」と書かれています(東京電力パワーグリッド)。

捨てるときの費用は、いくらかかりますか?

家庭用は、捨てる費用を積み立てる仕組みがない(10kW 以上だけ)ので、自分で用意します(環境省の説明資料)。リサイクルの費用は1kW あたり8,000〜12,000円です(環境省の資料)。

外す工事は別で、古い調査が2つあり、1件あたりの平均は解体業者で8.9万円(2013年度)、施工業者で18.9万円(2012年)でした(環境省のガイドライン)。東京都は、リサイクルの費用に1kW あたり2.5万円の補助があります(クール・ネット東京)。

パネルのリサイクルの法律が2026年6月に公布され、住宅の扱いはこれから決まります(環境省)。

パネルは何年もちますか?

パネルは20年以上、パワコンは10〜15年と言われます(太陽光発電協会)。よく見る17年は、税金の計算に使う年数で、寿命ではありません。パネルの出力の保証は20〜30年です。詳しくは太陽光パネルの寿命の記事にまとめています。

10年たったら(卒FIT)、売電はどうなりますか?

電力会社が決める単価で売ります。大手で7〜9円ほどです(2026年10月・東京電力エナジーパートナー8.50円・九州電力7.00円・中国電力7.15円・東北電力9円)。売り先の選び方は、卒FITの売電先の記事にまとめています。

0円ソーラーなら損しませんか?

初期費用がかからないかわりに、決まった年数のあいだ、電気の料金やリースの料金を払う仕組みです。仕組みと向く家は、0円ソーラーの記事で実際の額で確かめています。

おすすめしないメーカーはありますか?

この記事では、メーカーの名前で良し悪しは決めません。見るのは、パワコンなど機器の保証が15年か、それが無料か、申し込みの期限がいつか、の3つです。パネルのメーカーごとの話は、長州産業の評判・カナディアンソーラーの評判の記事で確かめています。

点検は義務ですか?

売電をしている家は、申請のときに出した点検の計画どおりに点検することが、国の認定の条件です。守らないと、指導や改善命令を受けることがあります。

ただし「何年ごと」という決まりは法律になく、1年目・5年目・その後4年ごとは業界の目安です。屋根の上の10kW 未満なら、標識や柵はいりません。業者の「点検が義務になった」は、「その業者の点検を受けなければならない」という意味ではありません。

まとめ:あなたの家は、どれ?

太陽光は、条件のそろった家なら、20年で100万円前後の得になる設備です(筆者の計算)。東京都の補助を使い、1kW あたり28万円ほどで買えて、発電した電気の半分を家で使う家なら、最短で約6年で元が取れます。

あなたの家は、どれ?
  • つけてよい家(南向き・昼に使う・相場で買える)… 見積もりで値段を確かめて進める
  • 迷う家(1つだけ当てはまらない)… 元が取れるまで20〜27年。2〜3社で 1kW あたりの値段と発電の量を確かめる。補助金があれば変わる
  • やめたほうがいい家(3つとも悪い・18年以内に外す予定)… 今は見送る。建て替えや EV で条件が変わったら、もう一度考える
蓄電ラボ管理人

「やめたほうがいい」かどうかは、噂ではなく、自分の家の3つの数字で答えが出せる問いだと思います。

  • ✓1kW あたりの値段(平均は税込で既築33.1万円)
  • ✓1kW あたり年何kWh 発電するか(影を入れて)
  • ✓パワコンの保証年数と、交換の費用

自分の家の3つの数字を、見積もりで確かめる

申し込むと、担当のアドバイザーから確認の電話があります。紹介された会社の見積もりで、1kW あたりの値段と発電の量を比べてから決められます。

1kW あたりの値段を比べる(ソーラーパートナーズ)

※無料。太陽光の見積もり(蓄電池とのセットを含む)が対象で、土地だけに置く太陽光は対象外です。紹介を受けても契約の義務はありません。

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家庭用蓄電池を入れるかどうか、判断の順番を本にまとめました

同じ蓄電池でも、得する家と損する家に分かれます。

①我が家に向くか②何年で取り返せるか③どのメーカーを選ぶか④この見積書で契約していいか

4ステップで入れる・やめるを中立に判断し、納得して決められる一冊です。

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この記事を書いた人

蓄電ラボ管理人。大手メーカーでリチウムイオン電池の開発に長年従事してきたエンジニアです。電池の設計・評価・充放電制御を現場で担ってきた経験をベースに、家庭用蓄電池・太陽光発電・V2H・リチウムイオン電池の劣化メカニズム・補助金(DR・FIT・自治体)を中立的なエンジニア視点で解説しています。

【扱うテーマ】家庭用蓄電池の選び方/メーカー横断レビュー/サイクル寿命と保証条件の透明性/電池が劣化する仕組みの技術解説/DR 補助金・FIT 2 段階制の影響試算/V2H と蓄電池の比較。

【執筆ポリシー】カタログ値と実測値のギャップを技術で読み解く/サイクル寿命非公開やリコール等の不利な情報も明記する/特定メーカーに偏らず、補助金込みの実質負担額で比較する。

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