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長州産業のV2Hはどれを選ぶ?2製品の違いと対応車種・総額の内訳

長州産業のV2HはスマートPVエボとマルチV2Xの2製品に分かれ、どちらを選ぶかは太陽光と蓄電池もまとめて入れるかどうかで決まることを示したアイキャッチ画像

長州産業のV2Hを調べると、名前の違う2つが出てきます。スマートPVエボマルチV2Xシステムです。どちらも長州産業のV2Hですが、別の製品です。

公式の定価表を開くと、「必須別売品」という欄があります。ここを足さないと総額になりません。しかも、その部品が価格に入っているかどうかが、2つの製品で逆になっています。

対応車種の一覧も製品ごとに別々で、載っている車は同じではありません。自分の車がどちらの一覧にあるかは、製品を決める前に見ておくところです。

この記事では、次の順に整理します。

  1. 2つの製品は、それぞれ何をする機器か
  2. 定価をどう積み上げるか
  3. 自分の家ならどちらになるのか
  4. 自分の車はどちらの一覧に載っているのか

読み終えたときには、見積もりで指定する製品名と型式が1組に決まっている状態を目指します。

もう製品が決まっている方は、そのまま見積もりへ進めます

エコ発電本舗はV2Hを扱う販売施工店です。無料見積りフォームで商品種別と機種まで指定できるので、工事費まで含めた金額を、1社ぶんですが具体的に受け取れます。

長州産業のV2Hを指定して見積もりを取る(エコ発電本舗)

リンク先はトップページで、無料見積りフォームの「商品種別」で〈V2H〉、「機種」で〈長州V2X〉を選べます。対応エリアは公式の会社概要で8地方46都道府県とされ、北海道は含まれません(2026年9月時点)。地域によっては提携する施工店が担当します。複数社を並べて比べたい場合は一括見積もりサービスの選び方もどうぞ。

蓄電ラボ管理人

この記事を書いた人

蓄電ラボ管理人

大手メーカーでリチウムイオン電池の開発に長年従事。さまざまな機器の電池設計・評価で培った知見をもとに、家庭用蓄電池の技術を中立的な立場で解説しています。

カーポートのEVとV2H充放電器がある、屋根に太陽光パネルを載せた戸建て住宅

目次

いま買えるのはどれか

長州産業の公式サイトの「電動車連携システム」のページには、3つのラインが並んでいます。スマートPVエボが2世代、それとマルチV2Xシステムです。

製品蓄電池何をする機器か希望小売価格(税込)
スマートPVエボ(2026年5月カタログ)6.4/6.5/9.7/12.8kWh太陽光・蓄電池・V2Hを1台のパワコンで動かすパッケージ 349.6万〜596.2万円
スマートPVエボ(2023年12月カタログ)6.3/12.6kWh同上(1つ前の世代)パッケージ 350.8万/596.2万円
マルチV2XシステムなしV2Hに特化。太陽光を直流でつなぐ構成もあるセット 140.8万〜306.7万円

※長州産業の公式カタログとセット型式一覧より(2026年9月時点・税込・工事費と太陽光モジュールは別)。スマートPVエボはV2Hスタンドが別売です。

いちばん大きな分かれ目は、蓄電池が入っているかどうかです。スマートPVエボは太陽光と蓄電池とV2Hをひとまとめにした住宅設備で、マルチV2XはV2Hの機能に絞った機器です。

旧型と新型が、同じ値段で並んでいます

スマートPVエボは、2世代が同じページで売られています。そして価格が完全に同じです。

蓄電池の容量パッケージ型番希望小売価格(税込)
6.3kWh(旧) → 6.4kWh(新)CB-E63HS1 → CB-E64H2どちらも 350万7,900円
12.6kWh(旧) → 12.8kWh(新)CB-E126HS1 → CB-E128H2どちらも 596万2,000円

同じ金額で、容量が少し増えています。ところが販売店の解説の多くは、旧型の6.3kWhと12.6kWhだけを載せています。V2Hスタンドの型式も、旧型のVCP601だけを書いているものがあります。

蓄電ラボ管理人

見積書に「CB-E63HS1」や「VCP601」とあったら、それは1つ前の世代です。

同じ金額の新型があることを知ったうえで選んだのかどうか、確認してください。

スマートPVエボは、中でも2つの系列に分かれます

容量を選ぶと、V2Hスタンドも分電盤もリモコンも、まとめて決まります。

容量で決まる組み合わせ
  • 6.5kWh・9.7kWhパワコン PCM601P / V2Hスタンド VCM601P / 電力切替ユニット KP-DB75B-EP / リモコン RC311
  • 6.4kWh・12.8kWhパワコン PCP602 / V2Hスタンド VCP602 / 電力切替ユニット KCC751 または KCP1001 / リモコン RC310

V2Hスタンドは、あとから追加できます。公式に「V2Hスタンドが無い場合はハイブリッド蓄電システムとして稼働します」と書かれています。ただし後から足すと保証の終わる日が変わります。

V2Hを入れるべきかで迷っているなら、こちらが先かもしれません(→ V2Hのデメリット5選|やめたほうがいい人・向いている人の特徴)。

EVがまだなく蓄電池と迷っているなら、比較記事が向いています(→ V2Hと蓄電池はどっちがいい?EVがあれば蓄電池はいらないのか)。

メーカーをまだ決めていない段階なら、先に候補を減らすほうが早いかもしれません。長州産業が残るかどうかは、太陽光・蓄電池・V2Hをまとめて新しく入れるかで決まります(→ V2Hのメーカーはどこがいい?家の条件で候補を絞る比較)。

最初の分かれ目は「エボか、マルチV2Xか」。エボはそのあと容量で4つに分かれます。


いくらかかるのか

公式の定価表には「必須別売品」という欄があります。電力切替ユニット(全負荷分電盤)で、これが無いと停電のときに家じゅうへ電気が回りません。

スマートPVエボで6.4kWhを選んだ場合の、積み上げです。

何を買うか型式希望小売価格(税込)
パッケージ(パワコン+コンバータ+蓄電池6.4kWh)CB-E64H2350万7,900円
V2HスタンドVCP602176万円
電力切替ユニット(必須別売品)KCC75140万1,500円
機器の合計566万9,400円

※太陽光モジュール・架台・通信ケーブル・工事費は含みません。長州産業のスマートPVエボ カタログ(2026年9月時点)より。

2026年9月時点の目安
  • スマートPVエボのパッケージ349万5,800円〜596万2,000円(4型式)
  • V2Hスタンド176万円(VCM601P・VCP602とも同額)
  • 電力切替ユニット(必須別売品)35万2,000円〜47万3,000円
  • マルチV2Xのセット140万8,000円〜306万6,800円(10セット)
  • 太陽光モジュール・工事費定価表にありません
  • 販売店の表示工事込みの総額を金額表で公開している主要販売店は、今回は見つかりませんでした。いずれも「お見積り」です
  • 当サイトが見積もりを取って確かめた額ではありません
ダイニングテーブルに広げた屋根のパネル配置図と発電量のグラフを指さしながら説明を受けている様子
説明を受ける場でも、分電盤とケーブルが金額に入っているかは自分で聞きます。

「必須別売品」が抜けている解説があります

上位の解説の1つに「システム価格でおおむね約350万〜772万円」という数字があります。これはパッケージの最小と最大に、V2Hスタンド176万円を足した金額と一致します。電力切替ユニットの35万〜47万円が入っていません。

電力切替ユニットを型式で書いている解説も、今回調べた範囲ではありませんでした。「全負荷分電盤」という言葉すら出てきません。

分電盤が価格に入っているかは、2製品で逆です

分電盤の扱いが逆
  • スマートPVエボ … 電力切替ユニットは必須別売品。パッケージの価格には入っていません
  • マルチV2X … 10セットのうち8セットは全負荷分電盤が価格に入っています。入っていない2セット(型式の末尾がN)は、別に統合全負荷分電盤が必要と注記されています
  • どちらも共通 … ケーブル・センサ類は別。セット型式一覧に「この他に必須別売品のケーブル、センサ類が必要となります」と書かれています

同じ長州産業でも、定価表の見え方がこれだけ違います。2つを並べて比べるときは、分電盤とケーブルを両方に足してから比べてください。

補助金については、国のCEV補助金が2026年8月27日到着分で受付を終えています。東京都のV2H補助は2027年3月31日まで受付中です。

型式ごとの上限額と申請の順番は、補助金の記事にまとめています(→ 【2026年版】V2Hの補助金はいくら?最大130万円の内訳と機種別の上限額)。

見積書は「パッケージ+V2Hスタンド+分電盤」がそろっているかで読みます。


どれを選べばいいのか

上から順に答えると、製品と型式が1組に決まります。

あなたの家だと、どちらの製品か

Q1
太陽光も蓄電池も、これから一緒に入れますかすでに太陽光が載っている家は「いいえ」です
はい
スマートPVエボ

太陽光・蓄電池・V2Hを1台のパワコンでまとめる構成です。容量を選ぶと、V2Hスタンドと分電盤の型式も決まります。

いいえ/V2Hだけ足したい↓ 次の質問へ
Q2
いまの太陽光パワコンは、替える時期ですか設置から10〜15年が更新の目安です
はい
ハイブリッドV2X(型式にMH)

いまのパワコンを外して、V2X用PVユニットに置き換えます。太陽光の電気を直流のままEVへ充電できます。

いいえ/太陽光がない
単機能マルチV2X(型式にM)

いまの太陽光パワコンをそのまま残し、家の配線を通してつなぎます。太陽光がない家もこの構成です。

Q3
海岸や汽水域から500m以内ですか①〜③のどれに着いても、最後にここを確認します
はい
重塩害タイプ(型式にS)

一般タイプの条件は「海岸または汽水域から500mを超えること」です。500m以内は重塩害タイプを選びます。

※①に着いた方は、次の章で対応車種の一覧を必ず確認してください。マルチV2Xの一覧にあって、スマートPVエボの一覧に無い車があります。

上から順に答えてください
  1. 太陽光も蓄電池も、これから一緒に入れますかはいならスマートPVエボです。太陽光と蓄電池とV2Hを1台のパワコンでまとめます。V2Hだけを足したいなら、マルチV2Xに進みます
  2. いまの太陽光パワコンは、替える時期ですか一般に設置から10〜15年が更新の目安です。その時期ならハイブリッドV2X(型式にMHが入るセット)で置き換えられます。まだ新しいなら単機能のセットです
  3. 海岸や汽水域から500m以内ですか重塩害タイプ(型式にSが入るもの)にします

スマートPVエボを選んだ場合、蓄電池ユニットで置ける場所が変わります。

6.4kWhと12.8kWhに使うBCP642は耐塩害仕様で家の外壁側、6.5kWhと9.7kWhに使うCB-LMP65B2・CB-LMP97B2は、海岸や汽水域から500mを超えていれば屋外にも置けます。

蓄電ラボ管理人

質問1で半分が決まります。太陽光がもう載っていて、パワコンもまだ新しい家なら、選ぶのはマルチV2Xのほうです。

スマートPVエボを選ぶと、まだ使えるパワコンを1台捨てることになります。

あなたの型式は「CB-E64H2+VCP602+KCC751」のように1組に決まります。

マルチV2Xのほうは、オムロンが同じ仕様の機器を「マルチV2X」の名前で販売しています。仕様表の数値・寸法・質量は一致し、全負荷分電盤の型式(KP-DB75B-EP)も同じです。

ECHONETコンソーシアムの認証登録でも、同じ品番の欄に両社の型式が並んでいます。

ただし対応車種の一覧は一致しません。オムロン側は12メーカー、長州側は11メーカーで、長州の一覧にMINIはありません。

車で決まる人は、両社の一覧を見比べてください(→ オムロンのV2Hはどれを選ぶ?マルチV2X 10セットの違いと工事込みの総額)。

本体の価格に部材が入っていないのは、長州産業だけではありません。デンソーも本体のほかに施工ケーブルセットと設置部材セットを1つずつ選ぶので、見積書は本体の下に別の型番が数行ぶら下がります(→ デンソーのV2Hはどれを選ぶ?3型式の違いと必須オプション込みの総額)。

パナソニックと迷っている場合、分かれ目は容量を選んで一式が決まるか、ユニットを1つずつ選ぶかです。長州産業のスマートPVエボは蓄電池の容量を選ぶとV2Hスタンドも分電盤も決まりますが、パナソニックの eneplat はパワーステーションを土台にユニットを足す形なので、「いまは蓄電池だけ、V2Hスタンドはあとで」という組み方も初期に設計できます(→ パナソニックのV2Hはどれを選ぶ?eneplat の構成とユニットの選び方)。

製品と型式が決まったら、その型式を指定して金額を聞きます

エコ発電本舗の無料見積りフォームは、商品種別で〈V2H〉、機種で〈長州V2X〉まで選べます。型式まで伝えて聞けるので、返ってきた金額をパッケージ・V2Hスタンド・分電盤に分けて読めます。

決めた型式で見積もりを取る(エコ発電本舗)

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見積もり先の評判が気になる場合は、こちらもあわせてどうぞ(→ エコ発電本舗の評判・口コミは?クチコミ483件の星を数えて分かったこと)。


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自分の車で使えるのか

長州産業は、対応車種の一覧を製品ごとに2つ公開しています。同じメーカーの製品ですが、載っている車は同じではありません。

マルチV2XスマートPVエボ
一覧の基準日記載なし2026年8月現在
メーカー数118
一覧にあってエボに無いメーカーメルセデス・ベンツ/Hyundai/ダイハツ

※ここで見ているのは、公開されている一覧の中身です。一覧に無いことが「つながらない」と決まったわけではありません。長州産業は理由を公開しておらず、確認が済んでいないだけの可能性もあります。

エボの一覧に無い車(抜粋)
  • メルセデス・ベンツ(マルチV2Xの一覧にはあります)
  • Hyundai … KONA、INSTER
  • ダイハツ … e-ハイゼットカーゴ、e-アトレー
  • トヨタ・レクサス … RAV4(Z/GR Sports)、レクサス ES350e/ES500e
  • BYD … ATTO 3、DOLPHIN、SEALION 7、SEAL
  • 三菱 … i-MiEV、ミニキャブ・ミーブ
  • スズキ … e エブリイ

※2026年9月時点で、当サイトが公式のマルチV2X 対応車種一覧スマートPVエボ 対応車種一覧を突き合わせた抜粋です。年式・型式まで一致しないと接続できません。全車種は公式の一覧で確認してください。

上位の解説では、この2つが1つにまとめて紹介されていることがあります。「メルセデス・ベンツも対応」と読んでスマートPVエボで話を進めると、自分の車がどちらの一覧にあるのかを、あとから確認し直すことになります。

戸建て住宅の外壁に取り付けられたシルバーのV2H充放電器から、太い黒い充電ケーブルが1本伸びて電気自動車の充電口につながっている
充電も放電も、この1本のケーブルで行います。つながるかどうかは年式と型式で決まります。

同じ車でも、公表されている使える範囲が違います

2つの一覧に共通して載っている車のうち、数字が食い違うのは2つだけでした。

マルチV2XスマートPVエボ
リーフ 2013〜2017年式(ZAA-AZE0)充電上限 約80%/放電下限 約30%約100%/約10%
e-NV200 2014〜2016年式(ZAA-ME0)約80%/約30%約100%/約10%

使える幅が50%と90%で違います。24kWhのリーフなら、12kWhと21.6kWhの差にあたります。

ただしこれは、メーカーが公表している数字どうしの食い違いで、実測の差ではありません。マルチV2X側の一覧には基準日の記載がないため、古い記載が残っている可能性があります。契約前に販売店へ確認してください。

蓄電ラボ管理人

「うちの車はどっちの一覧に載っているんだろう」——先に2つの一覧を開いて、年式と型式まで照らしてください。

載っているほうが、あなたの選べる製品です。

製品を決める前に、自分の車の型式を2つの一覧で照らしてください。


思ったとおりに動かないのはどんなときか

ここからは、買ったあとに「そうなの?」となりやすいところを、仕組みから説明します。

停電のとき、EVからは起動できない組み合わせがあります

スマートPVエボの対応車種一覧には、「停電時のシステム起動方法」という列があります。中身は3つに分かれていて、充放電コネクタ、アクセサリーケーブル、そして「不可」です。

「不可」の例は、日産アリア(2021年6月〜)と三菱アウトランダーPHEV(2024年10月〜)で、V2HスタンドがVCP601の場合です。

公式には「停電時に後からEVを接続し自立起動させる場合、システムに蓄電池もしくは太陽光パネルが必要になります」と注記があります。

スマートPVエボは蓄電池を含む構成なので実害は小さいのですが、「EVだけで家を起こせる」とは限りません。この列に触れている解説は、今回調べた4本にはありませんでした。

放電しているあいだ、電気は少し買い続けます

カタログの仕様一覧の冒頭に、こう書かれています。

放電時、放電電力が商用系統に逆流しないように最低でも約0.1kWを購入します

長州産業「スマートPVエボ」カタログ(2026年5月)

電力会社の系統へ電気を流し返さないよう、常にわずかに買う向きへ寄せて制御しているためです。100Wの電球1個ぶんくらいで金額としては小さい部類ですが、「V2Hを入れれば買う電気がゼロになる」わけではありません。

回収年数の計算は別記事で扱っています(→ V2Hは何年で元が取れる?設置費用100万〜300万円の回収シミュレーション【2026年版】)。

停電の夜、周囲の家が真っ暗な中で1軒だけ窓に灯りがともり、駐車スペースのEVから外壁のV2H充放電器へケーブルがつながっている戸建て住宅
停電のときに何をどこまで使えるかは、契約前に決めておく話です。

オプティマイザ付きの太陽電池モジュールとはつながりません

誤作動や期待される出力が得られない恐れがあるため、本製品はオプティマイザ付き太陽電池モジュールとの接続はできません

長州産業「スマートPVエボ」カタログ(2026年5月)

影が落ちる屋根で他社のオプティマイザを使っている家は、スマートPVエボの構成に載せ替えられないことがあります。

仕様で押さえておくところ
  • 太陽光発電の電力変換効率は96.5%(定格入力電圧DC330V・力率0.95のとき)
  • 蓄電池だけで使うときの出力は容量で変わります(6.5kWhで3.0kW/9.7kWhで4.5kW/6.4kWhで3.0kW/12.8kWhで6.0kW)
  • 停電時の自立出力は6.0kVAでも、片側は3.0kVAまで
  • 使用周囲温度は-20〜50℃で、直射日光が当たらないこと
  • V2Hスタンドの充放電ケーブルは約7.3m。本体は約55kg
蓄電ラボ管理人

電池開発の視点で言うと、効いてくるのは片相3.0kVAのほうです。合計は足りていても、100Vの片側だけ先に足りなくなります。

停電のときに何を使うかは、あらかじめ回路を分けて決めておくのが確実です。

停電時の動きは、「車種」と「V2Hスタンドの型式」の組み合わせで決まります。


実際に使っている人の声

スマートPVエボもマルチV2Xも、使っている人自身が書いた使用レポートは、公開情報では見当たりませんでした。検索結果の上位に並ぶのは公式ページと販売店の解説で、個人の記事はありません。

動画では販売店のチャンネルによる解説(1.3万回再生)がありますが、売る側の説明なので、第三者の声としては扱いません。

公式・販売店が挙げている評価点
  • EVと蓄電池を同時に充放電できる(スマートPVエボ)
  • V2Hスタンドを後から追加でき、無い間はハイブリッド蓄電システムとして動く(スマートPVエボ)
  • パワコンとEVユニットが分かれていて壁掛けできる(マルチV2X)
  • スマートフォンのアプリで外出先から状態を確認できる(マルチV2X)
公式の注記から読める弱点
  • 放電中は最低でも約0.1kWを買い続ける
  • オプティマイザ付きの太陽電池モジュールとは接続できない
  • 車種とV2Hスタンドの型式によっては、停電時にEVから起動できない

買ったあとの10年はどうなるか

最後に、買ったあとの話です。ここに、この記事でいちばん見落とされている条件があります。

後から足すと、保証の終わる日がそろいます

スマートPVエボの保証は、太陽電池モジュールの出力保証が30年、パワコンや蓄電池ユニット、V2Hスタンドなどの構成機器が15年、施工が10年です。そのうえで、注記にこうあります。

V2Hスタンド、リチウムイオン蓄電池ユニット、蓄電池用コンバータを後から追加した場合、保証終了日は多機能パワーコンディショナと同じになります

長州産業「スマートPVエボ」カタログ(2026年5月)

つまり、先に太陽光と蓄電池を入れて5年後にV2Hスタンドを足すと、そのV2Hスタンドの保証は15年ではなく残り10年です。「あとから足せます」は本当ですが、保証は最初に入れた機器の時計で動きます。

作業員が家庭用蓄電池の前にしゃがみ、タブレットを見ながら点検している様子
保証を受けられるのは、長州産業が認定した施工店が工事した場合です。

充放電コネクタは、抜き差しの回数でも寿命が来ます

保証の細かい条件
  • 充放電コネクタ・ケーブルは「10年」か「抜き差し1万回」の早いほう。寿命に達したあとの交換は保証の対象外です
  • 蓄電池ユニットが保証の対象になる残り容量は、BCP642が初期値の70%、CB-LMP65B2・CB-LMP97B2が60%です
  • ネットリモコンの液晶部は2年です
  • 保証は長州産業が認定した施工店の工事が条件で、開始日は電力受給開始日です。保証書は再発行できません

1万回は、1日に1回抜き差しして約27年、1日2回で約13年半という計算になります。毎日使うなら、10年のほうが先に来ます。

なお、マルチV2Xのほうは構成機器の保証が10年です。同じ長州産業でも、2製品で保証年数が違います。

蓄電ラボ管理人

施工店に聞くことは2つです。「認定施工店ですか」と「V2Hスタンドを後から足したら、保証終了日はいつになりますか」。

この2つで、保証の入口でつまずくことはなくなります。

蓄電池そのものの保証や価格相場は、長州産業の蓄電池の記事にまとめています(→ 長州産業 蓄電池の口コミ・評判|価格相場とNMC/LFPの選び方を本音で比較)。

補助金を受けて購入した場合は、法定耐用年数の6年間、取扱説明書に従って適切に管理・運用することが求められます。

保証の条件も、見積もりの段階で確かめられます

「認定施工店ですか」「後から足したら保証終了日はいつですか」は、契約前に聞いておく項目です。見積もりを依頼するときに、型式と一緒に伝えておくと確認が早く済みます。

保証の条件も含めて見積もりを取る(エコ発電本舗)

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よくある質問

長州産業のV2Hの価格は?

スマートPVエボはパッケージが税込349万5,800円〜596万2,000円で、V2Hスタンド176万円と電力切替ユニット35万2,000円〜47万3,000円が別に必要です。マルチV2Xはセットで税込140万8,000円〜306万6,800円です(2026年9月時点・工事費と太陽光モジュールは別)。

V2Hは何年くらい持ちますか?

長州産業の保証は、スマートPVエボの構成機器が15年、マルチV2Xが10年です。ただし充放電コネクタ・ケーブルは「10年」か「抜き差し1万回」の早いほうまでで、寿命に達したあとの交換は保証の対象外です。

蓄電池とV2Hのどちらがいいですか?

EVを持っていて、停電のときに大きな容量を使いたいならV2Hが向きます。EVがまだない場合は蓄電池のほうが確実です。スマートPVエボは両方を1台のパワコンでまとめる構成なので、迷っている場合の選択肢になります。

V2Hに対応している車種は?

長州産業は製品ごとに一覧を分けており、マルチV2Xが11メーカー、スマートPVエボが8メーカーです。メルセデス・ベンツ、Hyundai、ダイハツはマルチV2Xの一覧にだけあります(エボ側は2026年8月現在)。一覧に無い理由は公開されていないので、エボで検討するなら販売店に確認してください。


まとめ

この記事の要点
  • 長州産業のV2HはスマートPVエボとマルチV2Xの2製品。蓄電池が入っているかどうかが最初の分かれ目
  • 対応車種の一覧は製品ごとに別々。自分の車がどちらに載っているかを先に見る
  • エボは電力切替ユニットが必須別売品(35万2,000円〜47万3,000円)。マルチV2Xは8セットが分電盤込み
  • 旧型と新型が同じ値段で並んでいる(6.3kWhと6.4kWhがどちらも350万7,900円)
  • 後から足すと保証終了日がパワコンにそろう。充放電コネクタは抜き差し1万回でも寿命

見積もりを取る前に、自分の車の型式・いまの太陽光パワコンの設置年・海からの距離の3つをメモしておいてください。

この3つが決まっていると、返ってきた見積書の型式が自分に合っているかを、自分で読めるようになります。

  • 機種で〈長州V2X〉を選んで聞けるので、返ってきた金額を機器・分電盤・工事に分けて読める
  • 見積もりは無料。相場を知るだけの利用でも問題ありません
  • 工事費は現地の条件で動くため、ネットの定価だけでは総額が決まりません

製品が決まったら、あとは金額を確かめるだけです

型式を指定して1社から具体的な金額をもらうか、複数社を並べて相場そのものを確かめるか。どちらから始めても、この記事の3つのメモがあれば見積書を読み解けます。

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この記事を書いた人

蓄電ラボ管理人。大手メーカーでリチウムイオン電池の開発に長年従事してきたエンジニアです。電池の設計・評価・充放電制御を現場で担ってきた経験をベースに、家庭用蓄電池・太陽光発電・V2H・リチウムイオン電池の劣化メカニズム・補助金(DR・FIT・自治体)を中立的なエンジニア視点で解説しています。

【扱うテーマ】家庭用蓄電池の選び方/メーカー横断レビュー/サイクル寿命と保証条件の透明性/電池が劣化する仕組みの技術解説/DR 補助金・FIT 2 段階制の影響試算/V2H と蓄電池の比較。

【執筆ポリシー】カタログ値と実測値のギャップを技術で読み解く/サイクル寿命非公開やリコール等の不利な情報も明記する/特定メーカーに偏らず、補助金込みの実質負担額で比較する。

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