訪問販売や新築の打ち合わせで「初期費用0円で太陽光が載せられます」と言われて、うますぎる話に聞こえて手が止まっていませんか。

大手メーカーで電池開発に長年携わってきた筆者が、公的資料と各社の公式情報をもとに、15年ぶんを計算しました。
「0円ソーラー」は商品名ではなく、事業者が設備代を立て替えて屋根に太陽光を載せるサービスの総称です。あなたは初期費用を出さないかわりに、15年かけて別の形で払っていきます。
中身は何通りかあり、住宅でよく提案されるのはこの2つです。
- 電気を買う型(PPA)使った分だけ、事業者から電気を買う。発電しなかった月は支払いも減ります
- 設備を借りる型(リース)設備そのものを借りる。発電しなかった月も、毎月同じ額を払います
同じ「0円ソーラー」と呼ばれていますが、この2つは損得が正反対でした。
- 電気を買う型(PPA)は、自費購入とほぼ互角15年で払うのは71万円。現金で買う140万円の半額に見えますが、売電収入や点検費まで入れて比べると、差は14万円ほどでした
- 設備を借りる型(リース)は、自費で買うより134万円多く払う15年で払うリース料は304万円。現金で買えば140万円です。売電収入や点検費まで差し引きしても、134万円ぶん多く払う計算になりました
- 得か損かを決めるのは、3つだけ補助金が使えるか/昼に家にいるか/提案書の単価が1kWhあたり24.8円より下か。この3つで結論がひっくり返ります
※ 金額はすべてモデルケース(太陽光5.5kW/昼に使う割合30%/電気を買う型の単価25円/kWh)での試算です。条件が変われば結論も変わります。前提は本文に全部書き出しました。
読み終わるころには、目の前の提案書が得なのか損なのかを、金額で判定できるようになります。
そもそも0円ソーラーとは? PPA・リースなど4つの型があります
「0円ソーラー」は特定の商品名ではなく、初期費用ゼロで太陽光を載せられるサービスをまとめて呼ぶ総称です(自治体の補助事業の名前にも使われます)。
中身は大きく4つに分かれ、何を差し出して何を受け取るのかが型ごとに変わります。
0円ソーラーは総称。中身はこの4つです

※呼び名は事業者によって揺れます。「自己所有モデル」は神奈川県の資料での呼び方です。
型を分ける第一の基準は、設備の持ち主ではありません。図の右上に付けた支払いが従量か定額かです。使った分だけ払うのが従量、使わなくても同じ額を払うのが定額。携帯電話の従量制プランと使い放題プランの違いと同じです。
住宅でよく提案されるのは、①電気を買う型(PPA)と②設備を借りる型(リース)の2つです。この先も、おもにこの2つを見ていきます。
では、導入する側から見るとどう違うのか。型ごとの良し悪しを並べます。
導入する側から見た、4つの型の良し悪し
| 型 | いいところ | 気をつけるところ |
|---|---|---|
| 電気を買う型PPA | 発電が少ない月は支払いも減る。天気の悪い年のリスクを負うのは事業者側 | 昼の電気を買い続ける契約。単価しだいで自費購入に負ける |
| 設備を借りる型リース | 余った電気を売った収入は自分のもの。発電が多い年ほど得 | 電気を使わない月もリース料は同額。15年の総額はいちばん大きい |
| 屋根を貸す型屋根貸し | 支払いはゼロで、事業者から屋根の賃料が入る。手間もかからない | 発電した電気は事業者のもの=自分では使えず、電気代は下がらない |
| 売電の権利を渡す型自己所有モデル | 事業者から設備をゆずり受けるので、最初から自分のもの。売却や増改築のとき動かしやすい | 売電収入は事業者へ。設備代の毎月払いも残る |
※電気を買う型と設備を借りる型は、発電が少ない年に誰が損をするかが逆になります。この違いが、あとで出てくる損得の答えを正反対にします。
同じ「0円ソーラー」でも、型が違えば話がここまで変わります。まずは自分に提案されているのがどれなのかを、この4つと照らし合わせてください。
やっかいなことに、呼び名は業界で統一されていません。
環境省の手引き自身が「消費電力量に応じてリース料金を支払うモデルがPPAに分類されることもある」と注記していますし、「0円ソーラー」という名前で月3,960円〜の定額プランを出しているメーカーもあります。
だから型は、名前ではなく契約書の「支払いの決まり方」1点で判定してください。 何を見ればいいかは、記事の後半にチェックリストとして置いておきます。
なお既築の場合は、工事の足場を別に組むぶん条件が少し悪くなります。安全対策費として月額990円が乗ったり、電気を買う型ではなく設備を借りる型を案内されたりします。
型の見分け方は、これで分かりました。ただ、いちばん引っかかるところがまだ残っているはずです。
なぜタダにできるのか — 0円ソーラーのからくり
100万円を超える設備が、どうしてタダで載るのか。費用が消えているわけではありません。設備代140万円は、事業者が払っています。
事業者から見ると、0円ソーラーは140万円を先に立て替えて、15年かけて回収する商売です。回収し終えたあとに利益が残るように、毎月の金額が決められています。
どこから回収するかは、型によって違います。
- 電気を買う型(PPA)あなたが毎月払う電気代が、そのまま事業者の売上になります。使い切れずに余った電気も、事業者が電力会社に売っています
- 設備を借りる型(リース)毎月のリース料が売上です。天気に関係なく決まった額が入ります。そのぶん、余った電気を売った収入はあなたのものです
- 屋根を貸す型(屋根貸し)設備は事業者のものなので、発電した電気は事業者がまるごと電力会社に売ります。あなたに払う屋根の賃料は、その売電収入の中から出ています
- 売電の権利を渡す型(自己所有モデル)事業者が設備をあなたにゆずるかわりに、本来あなたが受け取るはずだった売電収入を受け取ります。あなたが毎月払う設備代は、そのぶん安くなっています
そしてどの型にも共通するのは、契約の期間内に回収し終える組み立てになっていることです。裏を返せば、あなたが15年で払う金額の中に、設備代140万円と事業者の利益がすべて入っているということになります。
回収し終えたあとの設備は、電気を買う型(PPA)と設備を借りる型(リース)なら、契約満了後に無償で自分のものになるのが一般的です。各社の公式サイトにも、満了後は無償で譲渡すると明記されています。
- 屋根を貸す型(屋根貸し)無償で譲られる契約もあれば、事業者が設備を撤去して屋根を元に戻す契約もあります。撤去費用の一部を屋根の持ち主が負担する取り決めになっていることもあるので、ここは契約書で確かめてください
- 売電の権利を渡す型(自己所有モデル)設備ははじめから自分のものなので、そもそも譲り受けるという話になりません
なお「余った電気を売る」とは、FIT(固定価格買取制度)で決まった値段・決まった年数だけ電力会社に買い取ってもらうことです(買取期間が終わったあとの選択肢はこちら)。
蓄電ラボ管理人つまり0円ソーラーは、「タダで太陽光をもらう」話ではありません。
正確に言えば、屋根を差し出す代わりに、昼の電気を割引価格で買う15年契約です。昼は事業者から1kWhあたり25円で買い、夜はこれまで通り31円で買う。支払いが増えたのではなく、支払い先が変わったわけです。
- 0円ソーラーは「割引」ではなく、「支払い方の変更」です
割引ならもらっておけばいい話ですが、支払い方の変更となると、変更後の払い方が自分に有利かどうかを確かめないと決められません。15年ぶんを数えます。
同じ0円ソーラーでも、15年の損得は正反対でした
ここからが金額の話です。まず、計算に使ったモデルケースを先に出します。ここから先の数字は、すべてこの条件でのものです。
- 太陽光 5.5kW/設備費 1,402,500円(25.5万円/kW)/年間発電量 6,600kWh
- 昼に自分の家で使う割合 30%(蓄電池なし・自家消費率の目安)
- 電気の買値 31円/kWh(年2%上昇)/売値はFIT 24円×4年 → 8.3円×6年
- 電気を買う型(PPA)の単価 25円/kWh(各社の公表レンジ22〜30円の中央)
- 設備を借りる型(リース)の月額 16,906円(公式プランを5.5kWへ換算)
0円ソーラーは、自費で買う代わりの手段です。だから比べる相手は自費購入しかありません。
そこで、自費で現金購入した場合を0円として、そこから15年でいくら多く払うことになるのかを計算しました。売電収入も、浮く電気代も、点検費も、パワコンの交換費用も入れた差額です。
電気を買う型(PPA)は自費購入とほぼ互角。設備を借りる型(リース)は134万円多く払う。
134万円は、同じ設備がもう1台買える金額です。同じ「0円ソーラー」と呼ばれていても、中身はここまで違いました。
設備を借りる型(リース)は、どの前提で計算しても自費購入より高い
自費で買うより134万円多く払う。 これが、この記事で最も強く言い切れる数字です。15年で払うリース料そのものは304万円。現金で買えば140万円ですから、出ていくお金は2倍を超えます。
前提を振っても、結論は動きませんでした。月額を1.4万円〜1.9万円の間で振っても、計算の窓を15年から30年に伸ばしても、自費購入より安くなることはありません。
ただし、リースに取り柄がないわけではありません。
- 自費で買うと、15年のあいだ自腹になるもの点検は自分で手配して年1万円ほど。パワコンが壊れれば40万円前後。どちらも自分の財布から出ます
- リース契約中は、どちらもゼロ払うのは月16,906円だけ。修理も点検も、パワコンの交換も事業者が引き受けます
設備代を15年で払いながら、そのあいだの故障の心配ごとも引き受けてもらう。 リースはそういう契約です。修理の手配も、突然の出費もありません。
- 初期費用が出せないなら、比べる相手はソーラーローンです金利2.5%で140万円を借りて自費購入した場合、多く払う分は30万円で済みます。設備を借りる型の134万円とは、104万円の差があります
「0円ソーラーは高い金利で借りるのと変わらない」という言い方をときどき見かけます。設備を借りる型については、その通りでした。
電気を買う型(PPA)は、自費購入とほぼ互角でした
一方で電気を買う型は、自費購入より14万円得でした。15年ぶんを積み上げてこの差なら、ほぼ引き分けです。



この結果は、計算していて意外でした。0円ソーラーは損だと思い込んでいたためです。
なぜこうなるのか。理由は、こちらが差し出しているものの価値が、昔ほど高くなくなったからです。
- 差し出すもの — 余った電気を売る権利いまのFIT価格は、5年目から1kWhあたり8.3円まで落ちます(1〜4年目は24円)。この権利には、もう大きな価値がありません
- 受け取るもの — 昼の電気の割引31円で買っていた電気が25円になれば、1kWhあたり6円。しかも電気代は年2%ずつ上がっていくので、割引の価値は年々大きくなります
FITが42円だった時代なら明確に大損でした。制度が変わったことで、評価が互角まで来た——これがこの数字の中身です。
ただしこの14万円には幅があり、条件によっては42万円得にも1万円損にもなります。何がその幅を決めているのかは、記事の後半で扱います。
提案書の単価が、得か損かの分かれ目です
いま提案書が手元にある方がすぐ使える数字を、1つ渡しておきます。


電気を買う型の分岐点は、1kWhあたり24.8円〜35.8円です。
- 24.8円/kWhを下回るどんな前提でも、自費購入より得
- 35.8円/kWhを超えるどんな前提でも、損
- その間互角。決め手は金額以外のところにあります(後述)
各社が公表しているレンジは22〜30円で、分岐点の帯とほぼ丸ごと重なっています。だから「0円ソーラーは得か損か」は、自分の提案書の単価を見ないと決まりません。
そして単価を判定するには、比べる相手が要ります。金額は屋根の形や向き、地域で変わるので、自費購入の見積もりを1本取っておくと判断が速くなります(自費購入なら何年で回収できるかはこちら)。
比べる相手が無いと、24.8円という線は引けません
自分の屋根で自費購入だといくらになるのか。それが分かって初めて、提案書の単価が高いのか安いのかを判定できます。
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お金の物差しでは、電気を買う型は互角の圏内にいました。ただ、0円型で差し出しているのはお金だけではありません。
契約中は、蓄電池を後から足せないことがあります
ここからは、金額に出てこない話です。
- あとから蓄電池の設置はできません
「今は太陽光だけ。蓄電池はあとで」——その計画が、契約中は止まってしまうことがあります。
足せない理由は、パワコンが事業者のものだから
パワコンは、太陽光パネルが作った電気を家で使える形に変換する機械です。パネルより先に寿命が来るのが特徴で、この話は次の章でもう一度出てきます。
蓄電池を後から足すやり方は、大きく2つあります。
- 単機能型蓄電池専用の機械を足す。既存のパワコンはそのまま使います
- ハイブリッド型太陽光の機械と一体にする。パワコンを交換する必要があります
問題は後者です。一体型にはパワコンの交換が要りますが、契約中そのパワコンは事業者のもの。他人の機械を、自分の都合で交換することはできません。



変換のロスが少なく後付けの本命とされるハイブリッド型が、構造的に選べなくなります。
環境省の手引きも、設備の持ち主が事業者になる3つの型すべてについて、「設備の処分・交換・移転等は自由にできない」と付しています。
太陽光に蓄電池は後付けできる?費用相場・メーカー6社の対応表
単機能型とハイブリッド型のどちらを選ぶか、既存のパワコンの残り年数からの決め方が分かります。 → 読んでみる


先に蓄電池を入れていると、0円型に申し込めません
順番が逆でも同じです。ある事業者の申込条件には「蓄電設備または発電設備を設置されていない方」とあります。つまり先に蓄電池を入れている家は、0円ソーラーに申し込めません。
- 太陽光を0円型で入れる → 契約中は蓄電池を足せないことがある
- 先に蓄電池を入れる → 0円型に申し込めないことがある
どちらを先にするかは、契約する前に決めておく必要があります。あとから軌道修正が効きません。
蓄電池をあとで足すかどうかは、そもそも自分の家に蓄電池が要るのかと蓄電池だけで元が取れるのかを先に見てから決めてください。
とはいえ、15年耐えれば設備は無償で自分のものになります。では、その設備はあと何年使えるのでしょうか。
15年後に”もらえる”設備は、あと何年使えるのか
電気を買う型(PPA)と設備を借りる型(リース)では、契約が終わると設備は無償で自分のものになります。
ここは0円ソーラーの魅力として説明されるところですが、もらった時点であと何年使えるのかまでは、あまり説明されません。太陽光の設備は、部品ごとに寿命が違います。


パネルはまだ半分ほど残っています。問題はパワコンで、契約が満了するころ、ちょうど寿命の域に入っています。交換費用は工事費込みで30〜40万円が相場です(令和6年度の平均は1台あたり約34.5万円)。
つまり「タダでもらえます」と言われた設備には、いずれ30〜40万円の交換費用がついてきます。それが譲渡直後に来るのか10年先なのかは、契約期間中に事業者が交換したかどうかで決まります。
- スイスの住宅用太陽光1,280件を追跡した研究では、15年以内にパワコンの交換が必要になったのは34.3%でした。裏を返せば、3分の2以上は15年を超えて動いています
【2026年版】太陽光パネルの寿命は何年?劣化・パワコン交換・蓄電池
パネル・パワコン・蓄電池の3層で寿命を整理し、交換費用がいつ・いくら来るのかが分かります。 → 読んでみる


前半の14万円という差は、このパワコンで決まっていました
前半で「14万円得には幅がある」と書きました。その幅を決めているのが、このパワコンです。
- 自費で買った人が、15年以内にパワコンを交換した場合30〜40万円の交換費用は自費購入側の負担になります。電気を買う型(PPA)が約42万円得
- 15年もった場合自費購入側に交換費用は発生しません。電気を買う型が約1万円損=ちょうど互角です
どちらに転ぶかの確率が、先ほどの34.3%です。実測データがあるので二択に重みをつけられ、期待値として約14万円得という数字が出ました。前半の図に載せたのは、この数字です。
なお窓を30年に伸ばしても結論は動きません。16年目からは、自費で買った人も0円ソーラーを終えた人も「同じ年式の同じ設備を持っている人」になるからです。
契約中の15年間、修理費を負担するのは事業者です
0円ソーラー側の価値も1つはっきりしました。契約期間中にパワコンが壊れても、直すのは事業者です。ある事業者は「故障修理・定期点検は無料」と明記しています。
つまり0円ソーラーは、34.3%の確率で降りかかる42万円の出費を、事業者に肩代わりさせていることになります。役割としては、保険に近いと思います。
- 契約中の15年間パワコンが壊れても、直すのは事業者です。期待値にすると、およそ14.5万円ぶんの価値があります
- 16年目からその保険は切れます。もらった設備が壊れたら、直すのは自分です
電気を買う型が自費購入と互角まで来る理由は、割引そのものよりも、このリスクの移転にあります。
金額では、決着がつきませんでした。差は15年で約14万円。年に直せば1万円足らずです。では、何で決めればいいのでしょうか。
0円ソーラーが正解になる家、自費購入が正解になる家
- 0円ソーラーの本当の役割は、「得する裏技」ではなく「現金を出せない人の選択肢」です。
約14万円という差は、15年で割ると年9,284円。月にすると770円です。現金を出せる人にとっては「140万円を15年間、手元に置いておける」ことの対価であって、ほぼ等価交換にすぎません。
そして条件が1つでも不利側に振れると、自費購入が勝ちます。
| あなたの家の条件 | 15年でどちらが得か |
|---|---|
| 共働きで昼はほぼ留守(昼の使用20%)+単価22円 | 0円型が約31万円得 |
| 標準(昼の使用30%+単価25円) | 0円型が約14万円得 |
| 既築で月990円の固定費が乗る | 自費購入が約4万円得 |
| 昼に在宅が多い(昼の使用40%)+単価28円 | 自費購入が約9万円得 |
| 東京都の補助金が使える | 自費購入が約52万円得 |
昼に電気を使う家ほど、自費購入のほうが得になります
いちばん意外なのは、4行目です。「昼に家にいて電気をよく使う人ほど0円ソーラーが向いている」と思えますが、計算すると逆でした。
昼の電気を1kWh自分で使ったときの価値が、型によってまったく違うからです。
- 自費購入31円で買うはずだった電気がタダになる。31円まるごと得
- 電気を買う型(PPA)31円が25円になる。差額の6円だけ得
昼に電気を使う家ほど太陽光の価値は大きくなり、その価値を丸取りできるのは、自分で買った人だけです。



逆に、留守がちな家ほど0円型が有利になります(昼の使用が15%なら約32万円得)。
⚠️ 在宅が多い家でも0円ソーラーで電気代は下がります。ただしその家は、自分で買ったほうがもっと下がる、という話です。
補助金が使えるなら、そこで判定は終わります
影響が飛び抜けて大きいのが補助金です。自分の住む自治体に制度があるかは、いちばん先に調べる価値があります。


東京都なら既存住宅で1kWあたり12万円、5.5kWで66万円。設備費140万円が実質74万円まで下がるので、この時点で自費購入が約52万円得です。ほかの条件を見るまでもありません。
【2026年最新】東京都の蓄電池・太陽光の補助金はいくら?
都と区市町村の助成をいくら重ねられるか、申請の順番と締切がまとまっています。条件を満たす場合の金額です。 → 読んでみる


補助金が使えるなら、現金がなくてもローンを組んで買うほうが得です。その差は36.4万円。補助金がない地域なら逆で、電気を買う型がソーラーローンより43.6万円安くなります。
なお東京都では、同じ助成が0円ソーラーの事業者にも出ており、「サービス利用料の低減等を通じて住宅所有者等に全額還元されることが必要」とされています。
0円型を検討するなら、この助成分がいくら還元されているかを必ず聞いてください。
何年住むかも、金額の話です
設備を借りる型を途中でやめる場合、残りのリース料を一括で払う形が一般的です。5年目で家を売るなら約203万円。
15年以上住む確信があるかどうかは、気持ちの問題ではなく金額の問題でした(蓄電池も一緒に載せる場合の総額は太陽光+蓄電池のセット価格はいくら?相場と内訳の読み方にまとめています)。
ここまでを1本の道にすると、こうなります。
あなたの家は、どちらが正解か
自費で買うより15年で134万円多く払う計算です。どの前提でもこの水準から下がりませんでした。初期費用が出せないという理由だけで選ぶ相手ではありません。
1つでも当てはまれば、金額の差は自費購入側へ振れます。補助金がある地域は、それだけで判定が終わります。
現金を手元に置いたまま始められ、15年間の修理は事業者持ち。留守がちな家ほど有利です。
※35.8円/kWh を超える提案は、どんな前提でも損になります。
自費購入側と判定された方は、まず実額を1本
この判定は、設備費140万円というモデルケースを前提にしています。あなたの屋根での実際の金額が分かれば、判定はもっと正確になります。
ソーラーパートナーズなら、審査を通過した施工店の見積もりを無料で取れます。0円型の提案書と並べるための1本として使ってください。
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自分がどちら側かは、見えてきたと思います。では契約する前に、何を確認すればいいのでしょうか。
契約前に必ず確認する6項目
契約書にサインする前の持ち物として、この6つを置いておきます。提案書を前に、これだけは聞いてみてください。判定を大きく動かすものから順に並べています。
契約前に必ず確認する6項目
※③④⑤は、公式サイトを読むだけでは出てきません。担当の方に直接聞くしかない項目です。
加えて、契約書では次の4点を見ておいてください。
- 中途解約金の算定方法と、売却・建て替えのときの扱い
- 屋根の修繕・塗装をするときの、脱着費用の負担者
- 台風・雪害のときの保険と、責任の所在
- 契約満了時の譲渡条件と、撤去を選んだ場合の費用
最後に、よくある質問に答えます。
よくある質問
0円ソーラーは総称で、PPA(電気を買う型)はその中の1タイプです。ほかにリース・屋根貸し・自己所有モデルがあります。見分ける鍵は、支払いが従量か定額かの1点です。
費用は消えていません。事業者は①あなたが買う電気の代金 ②余った電気の売却収入 ③契約終了後の設備、の3つで回収しています。割引ではなく、支払い方の変更です。
契約中は設備が自分のものではないため、蓄電池を後から足せないことがあります。また設備を借りる型は、15年で払うリース料が304万円。売電収入や点検費まで差し引きしても、自費で買う場合より134万円多く払う計算でした。
多いのは「15年の拘束」と「蓄電池を足せない」の2つです。特に途中で家を売る可能性がある場合は、中途解約金が残りのリース料の一括になることを確認してください。
リースは0円ソーラーの1タイプです。使っても使わなくても月額が同じなのが設備を借りる型(リース)、使った分だけ払うのが電気を買う型(PPA)です。
使えます。「PPA」で検索すると法人向けの情報が多く出ますが、戸建て住宅向けのサービスは各社が提供しています。東京都に登録されているものだけでも、電力販売型で13事業者24プランあります。
まとめ:判定するために、まず実額を取ってください
- 自分の自治体に補助金があるかを最初に調べる — 東京都なら66万円。これだけで判定が終わることがあります
- 提案書の型と単価を確認する — 従量か定額か。電気を買う型(PPA)なら、単価が24.8〜35.8円のどちら側か
- 自分の家の屋根で、自費購入だと総額いくらになるかの実額を取り、同じ土俵で並べる
- 「あとで蓄電池を足すか」を先に決める
0円ソーラーは、悪い商品ではありません。現金を出せない方にとっては、ソーラーローンより合理的な選択肢になりえます。 ただし「タダだからお得」ではありませんでした。
得か損かは、補助金・昼の電気の使い方・提示された単価・新築か既築かで、はっきり分かれます。裏を返せば、この4つさえ分かれば自分で判定できます。
残る材料は、比べる相手——自費購入だといくらになるのか、の1つだけです。
判定に必要なのは、自費購入の見積もり1本だけです
0円型の提案書はもう手元にあるはずです。足りないのは、比べる相手のほうです。
ソーラーパートナーズは、審査を通過した施工店にしぼって太陽光の見積もりを取れます。無料なので、契約するかどうかを決める前の材料集めとして使えます。
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蓄電池まで含めて、まとめて比べたい方へ
「太陽光だけか、蓄電池もか」で迷っているなら、両方をまとめて見積もれるサービスのほうが早く決着します。
グリエネは東証プライム上場企業が運営し、審査を通過した会社だけが登録されています。運営の窓口が先に希望を聞くので、申し込んですぐ複数社から一斉に電話が来る仕組みではありません。
※完全無料・最大5社。申し込んだ後の流れが不安な方はグリエネに実際に申し込んで分かった入口・断り方もどうぞ。見積もりサイトの選び方は→見積もりサイトの選び方・使い方。
この記事を書いた人
蓄電ラボ管理人
大手メーカーでリチウムイオン電池の開発に長年従事。さまざまな機器の電池設計・評価で培った知見をもとに、家庭用蓄電池と太陽光発電の経済性を中立的な立場で解説しています。



