停電のとき、家のどこまで電気が使えるか——蓄電池のタイプ選びで、ここが大きく変わります。家全体のコンセントが使える「全負荷型」と、選んだ数回路だけが使える「特定負荷型」。この2つの違いです。
どちらかが一方的に優れているわけではありません。全負荷型は便利な分だけ価格も容量も大きくなり、特定負荷型は必要な範囲をコンパクトに守れます。自分の家に合うほうを選べば、後悔のない選択になります。
この記事では、両者の違いを範囲・出力・価格・持続時間で比較し、分電盤の仕組み、メーカー別の対応、そして「あなたはどっち」の選び方までを、電池開発の視点で整理します。
この記事を書いた人
蓄電ラボ管理人
大手メーカーでリチウムイオン電池の開発に長年従事。さまざまな機器の電池設計・評価で培った知見をもとに、家庭用蓄電池の技術を中立的な立場で解説しています。
全負荷型・特定負荷型とは?停電時に使える範囲の違い
全負荷型と特定負荷型の違いは、停電時に「家のどこまで電気が使えるか」の範囲です。
家の電気は、分電盤(電気を各部屋・各機器に振り分ける箱。ブレーカーが並んでいる盤)から複数の回路に分かれて流れています。エアコン用、キッチン用、リビングのコンセント用——というように、回路ごとに分かれているイメージです。
まず押さえる用語
- ・分電盤=電気を各部屋・各機器に振り分ける箱。ブレーカーが並んでいる盤です
- ・回路=分電盤から分かれた電気の通り道。エアコン用、キッチン用、リビングのコンセント用……と用途ごとに分かれています
- ・主幹(しゅかん)=家全体の大元にあるいちばん大きなブレーカー。ここから先が家全体の回路に分かれます
全負荷型は、この分電盤ごと蓄電池でバックアップします。 停電しても、平常時と同じように家全体の照明・コンセント・200V機器(エアコンやIHなど)が使えます。
特定負荷型は、あらかじめ選んでおいた数回路だけをバックアップします。 たとえば「冷蔵庫・リビングの照明・コンセント1か所」のように、停電時に最低限使いたい範囲を決めておく方式です。それ以外の回路は、停電中は電気が来ません。
- ・全負荷型=分電盤ごとバックアップ。停電しても家全体のコンセントが生きる
- ・特定負荷型=選んだ数回路だけバックアップ。それ以外の部屋は停電のまま
この「どこまで」の差が、価格・容量・停電時の持ち時間すべてに効いてきます。
ざっくり言えば、全負荷型は「家全体の安心」、特定負荷型は「必要な範囲をコンパクトに」という考え方の違いです。どちらが正解かは、停電時に何を動かしたいか、予算、設置する蓄電池の容量によって変わります。
違いを一覧比較(範囲・出力・価格・持続時間)
全負荷型と特定負荷型の主な違いを、4つの軸で整理します。
全負荷型と特定負荷型のちがい(4つの軸)
| 項目 | 全負荷型 | 特定負荷型 |
|---|---|---|
| 使える範囲 | 家全体(分電盤ごと) | 選んだ数回路のみ |
| 停電時の200V機器 | 機種により対応 | 多くは非対応(100Vのみ) |
| 自立出力の目安 | 大きめ(家全体向け) | 小さめで足りる |
| 価格の傾向 | 高くなりやすい | 抑えやすい |
| 同じ容量での持続時間 | 短くなりやすい | 長持ちしやすい |
どちらが上位という関係ではなく、範囲の広さと「出力・価格・持続時間」がトレードオフの関係です。
- ・範囲を広げると、必要な出力も容量も大きくなる
- ・容量が同じままで範囲だけ広げると、持ち時間が短くなる
- ・だから全負荷型は「範囲」ではなく「範囲 × 容量」でセットで考える
持続時間は、同じ容量なら特定負荷型のほうが長持ちする傾向があります。全負荷型は家全体に電気を送る分、消費が大きくなりやすいためです。
価格の差がどこから来るのかは、記事の後半で内訳まで分解します。
【図解】全負荷型・特定負荷型は分電盤の配線が違う|なぜ家全体/一部に分かれるのか
全負荷型と特定負荷型で家全体/一部に分かれるのは、蓄電池を分電盤の「どこ」につなぐかが違うからです。
蓄電池を分電盤の「どこ」につなぐかで、使える範囲が決まる
全負荷型 ── 蓄電池を「家全体の大元」につなぐ
特定負荷型 ── 蓄電池を「選んだ回路」だけにつなぐ
代表的なイメージです。全負荷型は家全体の大元(主幹)に切替装置を入れて家全体に、特定負荷型は選んだ回路を専用の分電盤に分けてその回路だけに、蓄電池をつなぎます。どの部屋・機器を残すかは設置時に選びます。内部の構成やトランスの要否は機種によって異なります。
全負荷型は、家全体の電気の入り口(主幹=メインブレーカー/家全体の大元)の近くに切替装置を入れます。 平常時は電力会社の電気を、停電時は蓄電池の電気を、家全体にまとめて切り替える仕組みです。だから既存の分電盤がそのまま生き、全回路が使えます。
特定負荷型は、選んだ回路だけを専用の分電盤に移して、蓄電池の出力につなぎます。 停電時に電気が来るのはその専用分電盤の回路だけで、残りの回路は止まります。

切り替えのときには、数秒〜十数秒ほどの短い停電が起こります(時間は機種によって異なります)。これは、停電を検知してから家を電力会社の電線から安全に切り離し、蓄電池の運転に移すための間で、異常ではありません。
- ・全負荷型の内部構成はメーカーによって違います(蓄電池本体が直接200Vに対応する方式、別途トランスを使う方式など)
- ・図はあくまで代表的な構成です。実際の工事内容は、家の分電盤の状態で変わります
「200V対応=全部使える」ではない|一斉ON不可と200Vの落とし穴
全負荷型でも、停電時にすべての家電を一度に動かせるわけではありません。そして「200V対応」とあっても、停電時に200V機器が使えるかは機種によります。この2点を知っておくと、後悔を避けられます。
まず、一斉ONはできません。 蓄電池が停電時に出せる電力には上限(自立出力=停電時に蓄電池から出せる電力)があり、多くの全負荷型でも5〜6kW程度が目安です。エアコン・IH・電子レンジ・ドライヤーを同時に動かすと、この上限をすぐ超えてしまいます。
- ・停電時に出せる電力には上限(自立出力)がある。全負荷型でも5〜6kW程度が目安
- ・家電は起動の瞬間だけ大きな電力を食う(突入電流)。モーター直結の古いタイプで定格の5〜8倍
- ・上限を超えると保護回路が働いて止まる=ブレーカーが落ちるのと同じ感覚
- ・だから停電時は、使う家電を絞って順番に立ち上げるのが基本
この「自立出力」は見積書のパワコン欄に記載されていますが、連系出力との違いや単位(kVA/kW)が分かりにくい部分です。見積書での読み方は蓄電池のパワコン|見積書での自立出力の読み方で解説しています。
停電時に使えるのは「自立出力の上限」まで
① 使う家電を1台ずつ起動 ── 上限内におさまる
② エアコン・IHなどを同時に起動 ── 上限を超えて停止
イメージ図(数値は目安)。家電の起動時には一瞬だけ大きな電力が流れます。使う家電を絞って順番に立ち上げると、上限を超えにくくなります。これは全負荷型・特定負荷型のどちらでも同じです。
次に、「200V対応」の意味です。 エアコンやIHなど200Vの機器を停電時にも使うには、蓄電池が200Vを出せる必要があります。
家庭の電気は「単相3線式」(3本の電線で100Vと200Vの両方を取り出す一般的な引き込み方式)で配られています。停電時に200Vを出すには、この2系統を同時に供給する必要があります。
なぜ200Vだけ別扱いなのか
- ・家庭に来る電線は3本。2本の組み合わせで100Vにも200Vにもなるのが単相3線式です
- ・停電時に200Vを出すには、蓄電池が2系統を同時に供給できる必要があります
- ・特定負荷型の多くは100Vだけを出す設計=エアコン・IHは停電中は動きません
- ・全負荷型でも、200Vをそのまま出せる機種と、別途トランスが要る機種に分かれます
蓄電ラボ管理人自立出力は kVA(皮相電力)で表記されることが多く、実際に使える kW(有効電力)は力率(=電力が有効に使われる割合。0.8〜1.0程度)をかけた値になります。5.5kVAでも実効は約5kW、というイメージです。停電時に保護回路が働いて止まるのは、瞬間的な突入電流を含む同時消費がこの上限を超えたときです。だから「容量が大きい=何でも一度に使える」とはならず、出力の上限と起動の順番が効いてきます。
容量と持続時間|全負荷型ほど「大容量でないと意味が薄い」理由
全負荷型は家全体で電気を使える分、使い方しだいで消費が増えやすく、同じ容量でも電気の持ちが短くなりがちです。だから全負荷型ほど、ある程度の容量を確保しないと効果を実感しにくくなります。
電気がどれだけ持つかは、シンプルな計算で見えてきます。
- ・持続時間(時間)= 実際に使える容量(Wh)÷ 使っている家電の合計電力(W)
式そのものは単純です。効いてくるのは「実際に使える容量」と「分母をどこまで広げるか」の2つです。
ここで注意したいのが「実際に使える容量」です。カタログの定格容量がそのまま使えるわけではなく、実際に取り出せるのは定格の約8〜9割が目安です(この実効容量の考え方は容量の記事で詳しく整理しています)。
全負荷型は分母(使う家電)が家全体に広がるので、同じ容量でも持続時間が短くなります。たとえば4人世帯が1日に使う電気は14kWh前後と多く、停電時に家全体をまかなうと、5kWh級では半日と持たない計算です。
一方、特定負荷型なら冷蔵庫・照明・通信機器など最低限に絞るため、同じ容量でも長く持ちます。全負荷型は使っていない部屋の待機電力も引き続けるので、差はさらに開きます。
どのくらいの容量を選べばいいかは、世帯の電気の使い方で変わります。容量の決め方は別記事「蓄電池10kWhはどれくらい使える?容量の目安」で、停電時に何時間使えるかの具体的な試算は「蓄電池は停電時何時間使える?」で整理しています。



「実際に使える容量が定格の8〜9割」になるのは、過放電を避けるための余裕(バッファ)や、直流→交流の変換ロスがあるためです。カタログの数字をそのまま割ると、持続時間を多めに見積もってしまいます。試算はあくまで目安として捉えてください。
自分の家だと何kWh必要か、先に当たりをつける
ここまでで「範囲を広げるほど持ち時間が短くなる」ことが分かりました。
では自分の家は何kWhなら足りるのか——これは世帯人数だけでなく、分電盤の回路構成と停電時に動かしたい家電で変わるため、実際の見積もりを取るのがいちばん早い確認方法です。
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全負荷/特定負荷と単機能/ハイブリッドの関係
「単機能型=特定負荷」「ハイブリッド型=全負荷」と思われがちですが、これは別々の話です。負荷のタイプ(全負荷/特定負荷)と、機器の構成(単機能/ハイブリッド)は、独立した2つの軸です。
「負荷タイプ」と「機器構成」は別の軸
| 機器構成単機能型 | 機器構成ハイブリッド型 | |
|---|---|---|
| 負荷タイプ全負荷型 | ニチコン ESS-U4X1単機能でも家全体に給電・200V対応 | シャープ/ダイヤゼブラ/パナソニック など太陽光と1台にまとめるタイプ |
| 負荷タイプ特定負荷型 | 京セラ(単機能タイプ)など選んだ回路をコンパクトに | オムロン/長州産業 など全負荷も選べる両対応タイプ(特定負荷の構成例) |
4つの組み合わせすべてに実在する製品があります。単機能型でも全負荷に対応する機種(例:ニチコン ESS-U4X1)があり、「単機能だから一部しか使えない」わけではありません。なお、オムロン・長州産業などは全負荷/特定負荷の両方に対応し、設置時に選べます(図では代表的な構成例として配置)。
用語の整理
- ・単機能型:蓄電池専用のパワコン(PCS=太陽光や蓄電池の電気を家庭用に変換する機器)を使うタイプ
- ・ハイブリッド型:太陽光と蓄電池を1台のパワコンでまとめるタイプ
この「単機能/ハイブリッド」と「全負荷/特定負荷」は、組み合わせが自由です。実際、単機能型でも全負荷に対応する機種があります。 たとえばニチコンの単機能蓄電システム(ESS-U4X1)は、停電時に家全体へ給電する全負荷対応で、200Vにも対応します。
つまり「単機能だから一部しか使えない」わけではありません。全負荷か特定負荷かは、機種ごとの設計で決まります。
単機能型とハイブリッド型のどちらが向くか(変換効率や後付けのしやすさ)は、別記事「ハイブリッド型と単機能型の違い」で整理しています。



4象限で見ると、「ハイブリッド×特定負荷」「ハイブリッド×全負荷」「単機能×特定負荷」「単機能×全負荷」のすべてに実在する製品があります。負荷タイプは家の停電対策の要件で、機器構成は太陽光との連携や設置条件で選ぶ——この2つを分けて考えると、機種選びの遠回りが減ります。
メーカー別 全負荷/特定負荷/両対応 早見表
主要メーカーの全負荷/特定負荷の対応を、200Vの条件と出力の目安もあわせて一覧にしました。
メーカー別 全負荷/特定負荷 早見表
| メーカー | 全負荷 | 特定負荷 | 両対応 | 停電時に200V機器を使うには | 同時に使える電力の目安 | PCS型式 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ニチコン | ○ | ○ | ○ | そのまま使える | 中〜大(3.0〜5.9kVA) | 単機能・ハイブリッド両方 |
| シャープ | ○ | ○ (100V) | ○ | そのまま使える | 中〜大(2.8〜5.6kVA) | ハイブリッド |
| 長州産業 | ○ | ○ | ○ | 機種による(マルチはトランス必要/プラスは対応) | 小〜大(2.0〜5.5kVA) | 単機能・ハイブリッド |
| オムロン | ○ | ○ | ○ | トランス(別途)が必要 | 小〜中(2.0〜4.0kVA) | ハイブリッド |
| ダイヤゼブラ (田淵) | ○ | ○ | ○ | そのまま使える | 大(5.5kVA) | ハイブリッド |
| ファーウェイ | ○ | ○ (100V) | ○ | 変圧器(別途)が必要 | 小〜大(2.45〜4.95kVA) | ハイブリッド |
| パナソニック | ○ | ○ | ○ | 現行はそのまま/旧型はトランス必要 | 大(5.5kVA・現行) | ハイブリッド |
| 京セラ | ○ (ハイブリッド+トランス) | ○ | ○ | トランス(別途)が必要 | 大(6.0kVA) | 単機能・ハイブリッド |
| テスラ | ○ (全負荷一本) | — | — | 対応(日本仕様で確定) | 9.6kW (PW3日本仕様・2026年8月) | ハイブリッド |
| エリーパワー | ○ | — | — | 対応 | 大(5.5kVA/1台2.0kVA) | — |
- ・出力の目安:大=家全体向け/中=主要な家電向け/小=最低限向け。自立出力5kVA前後でも、力率を見込むと同時に使えるのは実効でおよそ4,000〜4,500Wが目安です(額面のkVAより小さくなります)。
- ・全負荷・特定負荷が両方○のメーカーは、設置時にどちらかを選べます。「全負荷をうたう機種でも、単機能型/ハイブリッド型かは別の軸」です(→次の図)。
- ・200V機器に「トランス」が要るかどうかは機種で分かれます。必要でも費用・スペースを見込めばよく、良い・悪いの差ではありません。
表の見方で特に大事なのが、停電時に200V機器を使うのに「トランス」が要るかどうかです。トランス不要の機種(ニチコン・シャープ・ダイヤゼブラ・現行のパナソニックなど)は、追加機器なしで200Vに対応します。
トランスが必要な機種は、その分の設置費用とスペースを見込めばよいだけで、どちらが良い・悪いではありません。設置条件と予算に合わせて選ぶ判断材料として見てください。
なお、各社の自立出力(kVA)とトランス要否を一覧にした早見表は、蓄電池の200V対応とは?にまとめています。
各メーカーの詳しい評価は、それぞれのレビュー記事で技術面から解説しています。
東京都にお住まいの方へ
2026年度の都の助成は 10万円/kWh・上限120万円。10kWhなら都だけで100万円
ただし助成は契約より前に「事前申込」を出す必要があり、先に契約してしまうと受けられません。
自分の場合いくら助成されるか、容量別に試算する› お住まいの区市町村の上乗せ(23区の一覧つき)もこちらで確認できます 申請の書類を会社側で進めてくれる、都内の施工会社4社› 一括見積もりサイトではなく、連絡が来るのは申し込んだ1社だけ。4社とも中身を確認しました※都の助成は太陽光の同時設置(または再エネ電力契約)が条件です。
いま特定負荷型を選ぶ理由はあるか|価格差の正体と容量とのバランス
先に、ひとつ前の早見表から読み取れる事実を確認します。
そのうえで本当の分かれ目になるのが、容量を確保できるかどうかです。全負荷型は、本体+工事でおおむね150〜300万円が目安になります。
全負荷型のほうが高くなりやすいのは事実です。理由は主に次の3点です。
全負荷型の価格が上がる要因
- ・200V対応のトランスや切替機能付きの分電盤が必要になりやすい
- ・家全体をまかなうため、パワコンも蓄電池も大容量になりやすい
- ・主幹側への切替装置や単相3線対応で、配線の工数が増える
ただし工事費については、どちらが高いか一概には言えません。特定負荷型も、バックアップする回路を移すための専用分電盤を別に設けるため、家によってはこちらのほうが手間がかかります。
そして、見積もりの総額で開く差はタイプだけでは決まりません。金額に大きく効くのは、むしろ容量のほうです。特定負荷型の7kWhと全負荷型の12kWhを比べると、さきほどの1kWh単価だけで60万円ほど変わります。タイプの差が数十万円、容量の差はその倍——この順で見ておくと、見積書の読み違いが減ります。
- ・中小容量(おおむね7kWh以下)で導入する——範囲を広げると持ち時間が足りず、いちばん中途半端な買い方になります
- ・停電時に守りたいのが冷蔵庫・照明・通信・スマホ充電で足りる——絞るほど同じ容量で長く持ちます
- ・初期費用と設置スペースを抑えたい——トランスが必要な機種では、その置き場所も要ります
特定負荷型は「安いほうの妥協案」ではありません。容量に対して守る範囲を合わせにいく、合理的な設計です。
売電価格と補助金についても触れておきます。売電中心の収益はゆるやかになっており、自家消費や停電対策に価値を置く流れになっています。補助金は地域で大きく差があるので、お住まいの自治体で使える助成を最新の情報で確認してください。
お金まわりの前提(2026年6月時点)
- ・売電価格(FIT)=2025年10月以降の住宅用(10kW未満)は最初の4年間24円/kWh・5〜10年目8.3円/kWhの2段階制(経済産業省 2025年公表)
- ・東京都=令和8年度、家庭用蓄電池に1kWhあたり10万円・上限120万円(DR不参加時)の助成
- ・国のDR補助金=2026年5月に予算上限へ到達し新規受付を終了(次年度分は未定)
その容量で全負荷にして足りるか、見積もりで確かめる
ここまでの判断軸は「範囲 × 容量」でした。
自分の家だと何kWh必要で、全負荷にすると総額がいくら変わるのか——これは分電盤の状態と動かしたい家電で変わるので、見積もりを取ると具体的に確認できます。
グリエネは運営事務局が先に希望を聞いてから施工会社を紹介するので、「全負荷と特定負荷の両方で出してほしい」と伝えれば、比較できる形で提案が返ってきます。
※完全無料。地域・条件に応じて全国約450社から最大5社を紹介します。
見積もりサイトの選び方はこちら
あなたはどっち?全負荷型・特定負荷型の選び方フロー
全負荷型と特定負荷型は、上位・下位の関係ではありません。家の停電対策の要件で、合うほうが変わります。
次の質問で、おおまかな向き・不向きが見えてきます。
家の条件から見た向き・不向き
| 家の条件 | 向くタイプ |
|---|---|
| オール電化IH・エコキュートが200V。止まると調理と給湯の両方が止まる | 全負荷型 |
| 在宅医療機器がある電源を取る部屋を限定できない事情がある | 全負荷型 |
| 10kWh以上を確保できる範囲を広げても持ち時間が破綻しない | 全負荷型 |
| ガス併用・100V中心停電時に200Vを出す必要が薄い | どちらでも |
| 7kWh以下で導入する範囲を広げると持ち時間が足りなくなる | 特定負荷型 |
| 守りたいのは冷蔵庫と通信絞るほど同じ容量で長く持つ | 特定負荷型 |
- ・停電時は100Vのみの機種が多く、エアコン・IHなどの200V機器は使えないことがある
- ・バックアップできる回路数に上限がある機種がある
- ・残す回路は設置時に決めるため、後から変えるには工事が必要になる
いずれも事前に把握しておけば、必要な回路を優先して設計できます。


最後は、「家の負荷構成・契約アンペア・停電時に動かしたい家電」に合うほうを選ぶこと。 これが後悔しない判断軸です。気になるメーカーが絞れてきたら、次は見積もりで自分の家の条件に当てはめてみましょう。
よくある質問
価格が高くなりやすいこと、停電時でも一斉に全部は使えないこと、効果を出すには容量を確保する必要があることです。いずれも事前に知っておけば、回避・納得できる点です。
「家全体使えるから安心」と容量を小さくしてしまい、停電時にすぐ電池が尽きるケースです。全負荷型を選ぶなら、容量とのバランスが鍵になります。
停電時にだけ蓄電池から電気を受け取る、あらかじめ決めておいた回路のことです。冷蔵庫・リビングの照明・コンセント1か所……というように、分電盤の中から数回路を選んで専用の分電盤に移します。
選ばれなかった回路は、停電中は電気が来ません。どの回路を残すかは設置時に決めるため、後から変えるには工事が必要になります。
機種によります。蓄電池が停電時に200Vを出せる構成(三線出力、必要に応じてトランス)であれば使えます。「200V対応」の表記だけでなく、停電時の条件を見積もり時に確認してください。停電時にエアコン・IH・エコキュートが動く機種の見分け方は、蓄電池の200V対応とは?で詳しく解説しています。
一般的な戸建ては「単相3線式」で、ここで扱う200Vは単相200Vです。三相200Vは主に店舗・工場などの産業用で、家庭用蓄電池とは別の話になります。
特定負荷型では、バックアップする回路数に上限がある機種があります。これは主幹(家全体の大元)ではなく、分岐回路(部屋・機器ごとに分かれた先)につなぐ方式だからです。何回路まで残せるかは機種で違うので、動かしたい家電を先に決めてから確認してください。
全負荷型は分電盤まわりの工事が大きくなるため、既存の配線・分電盤の状態によって工事内容が変わります。複数社で見積もりを取り、工事範囲と費用の内訳を比べると、無理のない計画が立てやすくなります。
まとめ
全負荷型と特定負荷型は、どちらが優れているという関係ではありません。3つの軸で整理すると判断しやすくなります。
自分の家の分電盤・契約アンペア・停電時に動かしたい家電に合わせて選べば、どちらを選んでも後悔のない選択になります。蓄電池の導入そのものを迷っている方は「蓄電池はやめたほうがいい?」、費用の元が取れるか知りたい方は「蓄電池は元が取れる?」もあわせてどうぞ。


蓄電池の200V対応とは?停電時にエアコン・IHが動く機種の見分け方
「200V対応」と書いてあっても停電時に動くとは限りません。各社の自立出力とトランス要否を一覧にして、見積書のどこを見れば判断できるかまで整理しています。
→ 200V対応の見分け方を読む- ✓東証プライム上場企業が運営(累計10万人超)
- ✓運営事務局が希望を聞いてから、全国約450社から紹介
- ✓蓄電池だけの見積もりも取れる
最後は、自分の家の分電盤で答え合わせを
全負荷型か特定負荷型か、どの容量が適切か、200V機器をどう確保するか——これらは家の分電盤や契約アンペア、停電時に動かしたい家電によって変わります。
記事の判断軸を持ったまま複数社の提案を並べると、迷いどころがはっきりします。
太陽光がすでにある場合も、蓄電池だけの見積もりが取れます。
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実際に使った人の評判はグリエネの口コミにまとめています。見積もりサイトの選び方は→見積もりサイトの選び方・使い方。
東京都にお住まいの戸建ての方へ
都+区市町村の補助金を合わせると、実質負担を大きく抑えられる場合があります。容量別の補助額と申請の流れは、東京都の蓄電池補助金はいくら?で詳しくまとめています。東京都の共同購入事業に選ばれた施工会社に一括で当たりたい場合は、省エネタイガーの評判・口コミと申し込み方も参考にしてください。


家庭用蓄電池を入れるかどうか、判断の順番を本にまとめました
同じ蓄電池でも、得する家と損する家に分かれます。
①我が家に向くか②何年で取り返せるか③どのメーカーを選ぶか④この見積書で契約していいか
4ステップで入れる・やめるを中立に判断し、納得して決められる一冊です。





