「蓄電池の見積もりを取りたいけど、どのサイトを使えばいいの?」「申し込んだらしつこい営業が来ない?」
蓄電池の見積もりは、1社だけ取っても、その金額が高いのか安いのかが分かりません。
同じ容量・同じメーカーの蓄電池でも、頼む会社によって提示額が変わるからです。
この記事では、蓄電池の見積もりサービス4社を横並びで比べ、あなたの状況に合う1社が選べるように整理しました。そのうえで、受け取った見積書のどこを見れば損をしないかまで解説します。
先に結論だけ見たい方へ
この記事の中の「あなたの状況で選ぶなら(早見表)」へ移動する ↓
書いているのは、大手メーカーで電池開発に長年携わってきたエンジニアです。4社とも申込フォームを自分で開き、入力項目と注意書きを確認しています。うち1社は実際に申し込み、連絡が来るまでを記録しました。

この記事を書いた人
蓄電ラボ管理人
大手メーカーでリチウムイオン電池の開発に長年従事。さまざまな機器の電池設計・評価で培った知見をもとに、家庭用蓄電池の技術を中立的な立場で解説しています。
蓄電池の見積もりサイトを使うと何が変わる? 仕組みと3つのメリット
一括見積もりサイトの仕組み
蓄電池の一括見積もりサイトとは、1回の情報入力で複数の施工業者にまとめて見積もりを依頼できるWebサービスです。
仕組みはシンプルです。フォームに住所・連絡先・希望する内容などを入力すると、サイト側が提携先の施工業者から対応できる数社を選んで紹介してくれます。
自分で業者を探して1社ずつ問い合わせる手間が省けるのが、最大の特長です。
利用者が無料で使えるのは、紹介を受けた施工店の側が集客コストを負担しているからです。

一括見積もりを使う3つのメリット
相見積もりで適正価格が分かる
では、なぜ会社によって金額が変わるのでしょうか。蓄電池は、値引きを前提とした価格で売られているからです。
メーカーの希望小売価格はありますが、そこから値引いた額を提示するのが一般的です。はじめから「オープン価格」として、定価を置いていないモデルもあります。
値引き幅を決めるのは、売る会社です。カタログを眺めても、自分がいくらで買えるかは分かりません。

国の資料を見ても、価格の水準は1つではありません。資源エネルギー庁の集計では、補助金を使った導入例の平均が1kWhあたり12.1万円(工事費込み・2023年度)。
一方、経済産業省の検討会は「設備費15〜20万円/kWh、工事費2万円/kWh程度」を標準としています。10kWhなら121万円と、170万〜220万円。同じ容量でも、これだけ開きます。
12.1万円/kWh の内訳(工事費込み・2023年度)
| 電池 | 5.6万円 |
| パワーコンディショナ | 1.5万円 |
| その他 | 4.0万円 |
| 工事 | 1.0万円 |
機器そのもの(電池+パワーコンディショナ)は7.1万円。総額のおよそ6割です。
※2023年度は、国がこれまでに公表した実績のうち最新のものです(2026年8月時点)。
残りの約4割は工事や諸経費です。ここも各社が決めるので、機種を選んでも総額は決まりません。
国民生活センターにも「家庭用蓄電池を契約したが、他社だともっと安いことが後から分かった」という相談が寄せられています。
同センターの呼びかけも、その場で契約せず、複数社から見積もりを取って比べることです。
結局、最終的な価格は、見積もりを取るまで分かりません。1社だけでは高いのか安いのかも判断できず、複数社を並べて、はじめて適正価格が見えてきます。
出典:資源エネルギー庁「定置用蓄電システムの現状と課題」(2025年3月)/経済産業省「2024年度 定置用蓄電システム普及拡大検討会 結果とりまとめ」(2025年3月)/国民生活センター「家庭用蓄電池の勧誘トラブルにご注意!」(2021年6月)
1回の入力で複数社に依頼できる
入力にかかる時間は3〜5分程度です。利用者の口コミでも「入力項目が少なく、時間と手間を大幅に減らせた」という声があります。
提案を比べて、自分の条件に合う業者を選べる
各社は自社の強みに応じた提案をしてくるため、容量・価格・保証の組み合わせが異なります。比較できること自体が、納得のいく判断につながります。
蓄電池の見積もりサービスおすすめ4社を比較
「結局、どこを使えばいいの?」——まずは主要4サービスを横並びで見ていきます。
グリエネとタイナビ蓄電池は複数社から見積もりが届く一括見積もり、エコ発電本舗と東京ガスは1社が直接やり取りする形です(東京ガスは関東1都6県のみ)。
運営会社・対応エリア・何社から連絡が来るか・見積もりの受け取り方・蓄電池だけで頼めるか、の5つの軸で整理しました。このあとの早見表も、この表から導いています。
※ V2H=電気自動車を家庭の電源としても使える機器。トライブリッド=太陽光・蓄電池・EVを1台のパワコンでまとめて制御する方式。卒FIT=固定価格での買取期間(10年)が終わること。
| 比較軸 | グリエネ | タイナビ蓄電池 | エコ発電本舗 | 東京ガス |
|---|---|---|---|---|
| 運営会社 | ◎株式会社じげん 東証プライム上場 |
○株式会社グッドフェローズ 2009年設立・未上場 |
○株式会社ゼロホーム 創業1969年・未上場 |
◎東京瓦斯株式会社 東証プライム上場 |
| 対応エリア | ◎全国 47都道府県 |
○46都道府県 (佐賀の掲載なし) |
○8地方46都道府県 (北海道を除く) |
△関東1都6県のみ (島しょ部を除く) |
| 何社から連絡が来る? | 最大5社希望に合わせて紹介 | 最大5社エリアにより5件未満も | 1社地域により提携施工店 | 1社提携の販売施工店が担当 |
| 見積もりの受け取り方 | 加盟店から各社が個別に連絡 | 選べる簡易/訪問を申込時に指定 | 即日メール公式が明記 | 訪問して提案屋根を見てから作成 |
| 蓄電池だけで頼める? | 頼める送信後の質問で選ぶ | 頼める「蓄電池のみ」の専用タブ | 頼めるフォームで機種を選べる | 頼める1問目の3択で選ぶ |
※ 表は横にスクロールできます。
※ この表は4社とも「公式サイトに書いてあること」だけで作っています。各社を同じ深さで調べたうえで横に並べないと、調べた社ほど短所が多く見える表になってしまうためです(確認=グリエネ・タイナビ蓄電池・エコ発電本舗は2026年8月、東京ガスは2026年8月時点)。
※ 加盟店の数は各社が公式に掲げている数字(グリエネ=全国450社/タイナビ蓄電池=登録220社以上)です。
※ プライバシーマークは、グリエネの運営会社(株式会社じげん)とタイナビ蓄電池の運営会社が取得しています(個人情報を適切に扱う会社に与えられる第三者認証。公表データベースで確認・2026年8月時点)。
※ 評価は広告報酬ではなく上記の軸で判断しています。最終的な申し込みの前に、各社の窓口でご確認ください。
📍 東京都にお住まいの方へ ── 補助金の申請を代行してくれる会社があります
東京都には1kWhあたり10万円・上限120万円という、全国でもっとも手厚い蓄電池の助成金があります。
ただし手続きは事前申込 → 交付申請 → 実績報告の3段階に分かれ、そのつど書類・図面・電子申請をそろえる必要があります。しかも交付決定の前に工事契約を結ぶと受け取れなくなります。
この書類づくりから電子申請の入力までを、追加費用なしで代行するという会社もあります。申請の順番と、代行を頼む場合の進め方を先に確認してから見積もりに進んでください。
あなたの状況で選ぶなら(早見表)
4社は「どれか一番」ではなく、あなたの状況によって向き・不向きが分かれます。
この早見表は、上の比較表で実際に差がついた点だけで分けています。
①何社から連絡が来てほしいか ②見積もりをどう受け取りたいか ③お住まいが対応エリアに入るか ④運営会社をどこまで重視するか——の4つです。
| あなたの状況 | 候補と、そう言える理由 |
|---|---|
| 何社かに出して、価格を下げたい/何から始めるか迷う | グリエネ/タイナビ蓄電池 =比較表「何社から連絡が来る?」が最大5社の2社。1社だけの見積もりでは、その金額が高いのか安いのかを判断できません。 |
| 上場企業が運営しているところに任せたい | グリエネ/東京ガス(関東のみ) =比較表「運営会社」が東証プライム上場の2社(グリエネ=株式会社じげん、東京ガス=東京瓦斯株式会社)。ただし東京ガスは関東1都6県のみなので、全国どこでも選べるのはグリエネです。 |
| 複数社から一斉に電話がかかるのは避けたい | エコ発電本舗/東京ガス(関東のみ) =比較表「何社から連絡が来る?」が1社の2社。ただしどちらも、地域によっては提携する販売施工店が担当します。 |
| まず金額だけ早く知りたい/訪問は避けたい | エコ発電本舗 =比較表「見積もりの受け取り方」が即日メールの1社。東京ガスは屋根を見てからの訪問提案になります。 |
※ エリアの前提:グリエネ=全国/タイナビ蓄電池=46都道府県(登録企業一覧に佐賀県の掲載はありません)/エコ発電本舗=8地方46都道府県(北海道は含まれません)/東京ガス=関東1都6県(島しょ部を除く)の持ち家戸建てのみ。
※ 候補が複数ある行は、どれか1つに絞る必要はありません。2社に出して比べるのがいちばん確実です。
各社のメリット・デメリット(迷ったらグリエネ)
ここからは4社を1社ずつ、いいところと気をつけたいところに分けて並べます。
書いてあるのは、各社の公式サイトに載っていることと、編集部が申込フォームを実際に開いて確かめたことだけです。
とにかく早く始めたい方は、運営がまず窓口になるグリエネからどうぞ(3ステップ・入力7項目、契約義務なし)。
迷ったらまずここ。運営は東証プライム上場の株式会社じげんです。申込のあと、まず運営が窓口になる形をとっています。
👍 いいところ
- 申込のあとはまず運営スタッフが要望を確認してから施工店を選ぶ、と公式が説明しています
- 「すでに見積もりを取った会社」を書いておくと、重複して紹介されません
- 蓄電池だけの相談は、公式フォームの正規の選択肢として用意されています
- 訪問見積もりは「対応不可」を選べます(蓄電池・V2Hのフォーム)
- 卒FIT後に蓄電池を後付けする相談にも対応すると明記しています
- 編集部が実際に申し込み、最初の連絡が来るまでを記録しています(画面つき)
🤔 気をつけたいところ
- 紹介の前に運営から電話でヒアリングが入ります
- 「電話に出られる曜日・時間帯が全くないと紹介できないことがある」と公式が書いています
- 紹介は「最大5社」で、必ず5社ではありません。地域によっては紹介できない場合もあるとしています
- 申込フォームは太陽光・蓄電池・オール電化で共通のため、最初の画面で「蓄電池だけ」を選ぶ欄はありません(送信後の質問で伝えます)
- キャンセル手順を案内したページはありません。窓口(メール・フリーダイヤル・問い合わせフォーム)は公開されています
向いているのは 何から始めるか迷っている方/複数社を比べたいけれど、申込の直後に何社からも電話が鳴るのは避けたい方。
2009年設立の会社が2014年から運営する、蓄電池に特化したサイトです。「すでに太陽光を設置している戸建て」を想定した設計になっています。
👍 いいところ
- 入口が「蓄電池のみ」と「太陽光とセット」に分かれていて、蓄電池だけを頼むときに迷いません
- 申込の1問目で「簡易見積もり」か「訪問見積もり」かを選べます
- 導入目的・予算・支払い方法・連絡してほしい時間帯まで指定できます。自由記入欄もあります
- 加盟店の審査基準(登記簿謄本・施工IDの写し・損害保険証書)を加盟店向けページで公開しています
- しつこい営業の申し出があれば、運営がその業者への情報提供を一時的に止めて改善を求められると利用規約に定めています
🤔 気をつけたいところ
- 紹介は「最大5社」。エリアによっては5件未満になることがあると運営自身が書いています
- 登録企業一覧に佐賀県の掲載はありません(2026年8月時点)
- 施工店は情報が届いた時点で費用を払う仕組みです(利用規約)。先に払う分、連絡は積極的になりやすい構造です
- 太陽光もこれから設置する方は、蓄電池ではなく太陽光側の見積もりから始めてください(申込先が別になります)
向いているのは すでに太陽光があり、蓄電池だけを条件まで決めて頼みたい方/まず訪問なしの簡易見積もりで金額を見たい方。
→ タイナビの評判・口コミ24件を数えた結果(申込フォームも実際に確認)を見る
※編集部も申込フォームを送信の直前まで進めて、全17〜18ステップの入力内容を確認しました(送信はしていません)。グリエネよりステップが多く、条件を細かく詰められます。

一括見積もりサイトではなく、窓口が1社のお店です(地域によっては提携する施工店が担当します)。創業1969年。
👍 いいところ
- 見積もりは即日メールで届くと公式に明記。訪問を待たずに金額が分かります
- 申込の住所は市区町村まででよく、番地は要りません
- 機種ごとの価格を公開しているので、相場のものさしとしても使えます
- 蓄電池は施工保証15年と同社は説明しています(V2Hは商品により5年・10年)
- 店舗を持たず訪問販売をしないWeb中心の営業だと公式に説明しています
🤔 気をつけたいところ
- 対応エリアは公式の会社概要で8地方46都道府県とされ、北海道は含まれません(2026年8月時点)
- 申込フォームの側でエリアを絞り込む仕組みはありません。送信の前に対応エリアをご確認ください
- 地域によっては提携する施工店が販売・施工・アフターを担当します。個人情報もその範囲で提携先に渡ります(本人が求めれば提供を停止するとも明記)
- 1社だけの見積もりでは、その金額が高いのか安いのか判断できません。ほかでも相見積もりを取ると安心です
向いているのは とにかく早く金額だけ知りたい方/何社からも電話を受けたくない方(北海道を除く)。
窓口は東京ガスですが、提案と工事を担当するのは東京ガスが提携する販売施工店です(社名と所在地は申込フォームで開示されています)。対応は関東1都6県のみ。
👍 いいところ
- 東証プライム上場の都市ガス大手です。「まず大手に相談したい」方向け
- 申込の1問目の3択に「蓄電池のみ」があり、2問目で太陽光の設置状況を聞かれます
- 一括見積もりではないので、申込の直後に複数社から一斉に電話が来ることはありません
- 屋根の大きさ・材質・向きを見たうえで、図面と見積書を作って訪問で提案します
- 申し込まなくても試せる簡易シミュレーションがサイトにあります
🤔 気をつけたいところ
- 対応は東京・神奈川・埼玉・千葉・茨城・栃木・群馬(島しょ部を除く)の持ち家の戸建て住宅に限られます
- 着工が1981年以降の住宅が対象です。2006年8月31日以前に建てられた場合は建築図面で建材の確認が必要となり、内容により承れないことがあります
- 土地面積が15坪(約50平方メートル)未満の場合、太陽光発電設備を設置できないことがあります
- 相談は訪問が前提です。メールだけで金額を知りたい方には向きません
- 初期費用として機器代+工事費がかかります
- 申込時の同意チェックにお役立ち情報メールの受信がまとめられています(メールだけを断る形にはなっていません)
向いているのは 関東の持ち家戸建てで、まず大手に相談したい方/屋根を見てもらったうえで提案してほしい方。
→ 東京都の方は、都の助成金(1kWhあたり10万円・上限120万円)の申請順序を先に確認する
※太陽光発電のみを導入した場合、昼間に発電しているときしか電気を使えない点にご留意ください。
※2026年8月7日時点の情報です。最新のキャンペーンなどはリンク先でご確認ください。
グリエネの申し込みは3ステップ|まずは流れをざっくり把握
グリエネで進めると決めた方向けに、申し込みから見積もり受け取りまでの流れを3ステップで整理します。
- 3ステップ・約60秒で申し込み:①設置場所の種別 → ②ご住所 → ③連絡先、の3画面に分かれています。入力欄は全部で7つ(種別・郵便番号・都道府県・住所・お名前・電話番号・メールアドレス)で、備考欄はありません。完了画面では、希望する製品として「蓄電池・V2H」を独立して選べます。
- まず運営が窓口に:申込後は運営スタッフが先に連絡し、要望を確認します。いきなり複数業者から一斉に電話が入る展開にはなりにくい仕組みです。
- 紹介 → 現地調査 → 見積もり:条件に合う施工店を紹介。正式な見積もりは、現地調査や図面の提出を経て受け取ります。

実際に申し込んだ全手順を、画面つきで見る
申込フォームの入力画面、直後に届いたメールと最初の連絡、そしてキャンセルまでのやり取りを、そのまま使える断り文例つきでまとめています。
→ 申し込みの記録を読むなお、申し込みは契約ではありません。運営に連絡すればキャンセルの手続きができます。
ただし紹介後は加盟店の方針で確認の電話が入る場合もあり、「電話が一切来ない」わけではありません。断り方とキャンセルの手順・文例は、上の記事にまとめています。
訪問販売で高い金額を提示されている方へ
「今日決めれば半額」などの手口と、その場で契約しないための見極め方をまとめています。 → 読んでみる

見積書の見方とチェックポイント

見積書を受け取っても、「どこを見ればいいか分からない」という方は少なくありません。
ここでは、受け取った見積書を読むときの基本の3つと、エンジニアの視点で見る5つのチェックポイントを押さえます。
各項目をさらに深く読み解く評価軸や悪質業者のサインの見抜き方は、専用記事の蓄電池の見積書を読み解く5評価軸で解説しています。実際に見積書を手にしたら、あわせてご覧ください。
まず確認すべき3つの基本
総支払額で比較する
業者によっては月々の分割支払い額を強調してくるケースがあります。しかし、ローンの金利や支払い期間によってトータルの金額は大きく変わります。必ず「総支払額」で比較することが鉄則です。
「工事費一式」の内訳を確認する
見積書に「工事費一式 ○○万円」とだけ書かれている場合は、機器代・工事代・申請代行費が含まれているかを確認しましょう。内訳が分からないまま契約すると、後から追加費用を請求されることがあります。
「この金額で追加費用は発生しませんか?」と一言聞いておくだけで、後のトラブルを防げます。
追加費用の有無を確認する
見積書に含まれていない費用が、後から発生することがあります。代表的なものは次の3つです。
見積書に入っていないことがある費用
- ・足場代 10〜20万円程度。屋根の上に設置する場合にかかります
- ・クレーン代 搬入しにくい場所だと5〜15万円程度
- ・補助金の申請代行費 業者によっては別料金です
補助金については、交付決定の前に工事契約を結ぶと受けられなくなるケースがあります。契約と申請の順序は、必ず業者に確認してください。
補助金の要件は年度ごとに変わります。申請の前に、最新の公募要領もあわせてご確認ください。
エンジニアが教える5つのチェックポイント
ここからは、電池開発の現場で培った知識をもとに、一般的な比較記事では触れられていないチェックポイントを解説します。
kWh単価は「実効容量」で計算する
蓄電池の価格を比較するときは、工事費込みの総額÷実効容量(kWh)で「kWh単価」を計算します。
ここで注意したいのが、カタログに載っている「定格容量」と、実際に使える「実効容量」には5〜15%の差があることです。たとえば京セラの現行モデル Enerezza PlusⅡ の5.7kWh機は、実効容量が5.0kWh(約88%)です。
kWh単価をこの実効容量で計算しないと、実際のコスパを見誤ります。
目安は、経済産業省の検討会が示す設備費15〜20万円/kWh+工事費2万円/kWh程度です(2025年3月公表)。10kWhなら工事費込みで170万〜220万円になります。
なお容量が小さいほど、1kWhあたりは割高になります。補助事業ベースの容量別平均は、5kWh未満が15.0万円/kWh(+工事1.6万円)なのに対し、10kWh以上は10.7万円/kWh(+工事0.6万円)です。
全負荷/特定負荷は「自立出力kVA」まで確認する
停電時にどれだけの家電を同時に使えるかは、「全負荷対応」「特定負荷対応」の区分だけでは判断できません。同じ「全負荷対応」でも、自立出力(停電時に出せる電力)は2.0〜5.9kVAと大きな差があります。
エアコン+IH+冷蔵庫を同時に動かしたいなら、自立出力が3.0kVA以上あるかどうかが実用的なボーダーラインです(IHは中火程度を想定。フルパワーで使いたい場合は5.0kVA以上が目安)。
見積書にはこの数値が載っていないことも多いので、型番からメーカーの仕様書を確認してみてください。

ハイブリッドと単機能は10年コストで比べる
太陽光発電と蓄電池を連携させる場合、パワーコンディショナー(パワコン)には「ハイブリッド型」と「単機能型」の2種類があります。初期費用はハイブリッド型が20〜40万円高いのが一般的です。
しかし、10年間のトータルコストで考えると景色が変わります。
- ・変換ロスの差 単機能型は太陽光から蓄電池へ充放電するときの変換が2回多く、効率差は約5〜6%。10年で数万〜7万円ほどのロス差になります(電気料金や使い方で変わります)
- ・パワコンの交換費用 単機能型は太陽光用のパワコンが別に必要で、寿命(10〜15年)が来ると25〜35万円程度の交換費用がかかります
つまり、10年間で30〜40万円のコスト差が縮まる計算です。太陽光パネルを設置して6年以上経っている方は、パワコンの残寿命を考えるとハイブリッド型が合理的です。
ハイブリッド型と単機能型、どちらを選ぶべきか
2つの違いと、どんな家庭ならどちらが向くのかを図解で解説しています。パワコンの残り寿命から考える方法も。 → 読んでみる

型番を検索して最新モデルか確認する
蓄電池は同じシリーズ名でもモデルチェンジが行われていることがあります。見積書に記載された型番をメーカーサイトで検索して、現行モデルかどうか確認してみてください。
旧型モデル自体が悪いわけではありませんが、旧型であればその分価格に反映されているか、性能面で自分の用途に合っているかを確認しておくと安心です。
保証は「容量保証率」を見る
蓄電池の保証で最も重要なのは、保証期間の長さではなく容量保証率(SOH)です。
同じ「15年保証」でも、保証SOH 50%と60%では意味がまったく異なります。SOH 50%は「15年後に容量が半分になっても保証範囲内」ということ。SOH 60%なら「15年後でも6割以上を保証する」ということです。
蓄電ラボ管理人保証値はメーカーが「厳しい使い方でもここまでは劣化しない」と設計した数字です。保証SOHが高いほど、セルや制御の品質に対するメーカーの自信の表れと読めます。見積もりを比較するときは、保証年数だけでなく保証SOHまで確認してみてください。


結局、蓄電池は元が取れるのか?
電気の使い方・容量・太陽光の有無で条件を分け、回収年数を試算しています。見積書の金額を当てはめて確かめられます。
→ 条件別の試算を見る- ✓ 全国450社以上・加盟店は審査を通過(施工実績/財務/法令順守)
- ✓ 東証プライム上場企業(株式会社じげん)が運営・個人情報は暗号化管理
- ✓ 卒FIT後の後付けやV2Hの相談にも対応
見積書の読み方が分かったら、実際に見積もりを取って確認してみましょう
※申し込んだ後の流れが不安な方はグリエネに実際に申し込んで分かった入口・断り方もどうぞ。
入力は3ステップ・約60秒です。見積もりを取っても契約義務はありません。蓄電池単体で他社も比べたい方は4社の比較表をご覧ください。
手元の見積書を、5つの評価軸で採点してみる
モデル見積書を使って、どの欄をどう読めば損をしないかを1つずつ解説しています。 → 読んでみる


利用者のリアルな声|口コミから分かった横断的な教訓
タイナビ蓄電池・グリエネ・エコ発電本舗などの見積もりサービスについて、Xや比較サイトのレビューなどから合計74件の利用者口コミを調査しました。ここでは、サービスをまたいで共通する教訓に絞ってまとめます。
上の4つは、Xや比較サイトの声をサービスをまたいでまとめた教訓です。
会社ごとの評判は、タイナビ蓄電池の口コミ24件、グリエネに実際に申し込んだ記録、エコ発電本舗のGoogleクチコミ483件で、それぞれ個別に集計しています。
電気自動車も一緒に考えたい方へ(V2H)
V2Hの設置費用の相場と内訳に加えて、何年で元が取れるのかを早見表で試算しています。 → 読んでみる


よくある質問(FAQ)
はい、この記事で紹介している4つのサービスはすべて見積もり無料です。見積もりを取ったからといって契約義務は一切ありません。
大手見積もりサービス利用者の口コミを調べたところ、大多数の方がスムーズに比較・検討を終えています。しつこいと感じた方はごく少数でした。万が一しつこい場合は、サービスの問い合わせ窓口に連絡すれば対応してもらえます。グリエネなら運営スタッフがまず窓口になるため、申し込んだ直後に複数社から一斉に電話が来ることはありません。
使えますが、都市部に比べて紹介業者の数が少ない傾向があります。地方にお住まいの方は2〜3つのサービスに同時申し込みして、業者の選択肢を増やすのが効果的です。
もちろん大丈夫です。見積もりはあくまで比較・検討のためのもので、お断りは自由です。「他社で決めました」と一言伝えれば問題ありません。東京ガスのように窓口が1社のサービスなら、お断りする相手も1社で済みます。
多くの業者が補助金申請の代行に対応しています。ただし、ひとつ注意点があります。補助金は交付決定前に工事契約を結ぶと受給できなくなる場合があります。申請と契約の順序は、見積もり時に必ず業者に確認してください。補助金の要件は年度ごとに変わります。
まとめ
蓄電池の見積もりで失敗しないために、この記事の3つのポイントを振り返ります。
- ・申し込み後の流れを先に知っておく フォーム入力→初回連絡→現地調査→見積もり受取→比較・決定。全体で2〜4週間が目安です
- ・見積書は「総支払額」と「kWh単価」で比べる 「工事費一式」の内訳と、追加費用の有無も必ず確認してください
- ・自分の状況に合うサービスを選ぶ 何社かに出して価格を下げたいならグリエネかタイナビ蓄電池、一斉に電話が来るのを避けたい・まず金額だけ早く知りたいならエコ発電本舗、関東1都6県の持ち家戸建てで大手を窓口にしたいなら東京ガスです
見積書の読み方はこの記事で解説しました。あとは実際の見積書を手に入れるだけです。
なお、見積もりを取ったうえで「やっぱり見送る」という判断も当然ありです。判断の物差しは蓄電池はやめたほうがいい?後悔しない判断基準5つにまとめています。
📍 東京都の方へ ── 補助金の申請まで任せる選択肢もあります
東京都には1kWhあたり10万円・上限120万円の蓄電池補助金があります(補助額は住宅の種類や太陽光の有無で変わります)。ただし事前申込から実績報告まで段階が分かれ、書類・図面・電子申請をそろえる必要があります。
「制度は分かったが、この手続きを自分で進めるのは不安」という方に向けて、書類の作成から電子申請までを追加費用なしで代行するという会社も紹介しています。交付決定前に工事契約を結ぶと受給できない場合があるため、見積もりを取る前にご確認ください。
あなたに合った見積もりサービスは?
| サービス名 | おすすめの人 | 特徴 |
|---|---|---|
| グリエネ | 何から始めるか迷う/営業電話が不安/太陽光は設置済みで後付けしたい方 | 運営が窓口・最大5社を紹介 |
| タイナビ蓄電池 | 蓄電池やV2Hを中心に、条件を細かく指定して見積もりを取りたい方 | 蓄電池特化・紹介は最大5社(地域により5社に満たないことも)/簡易・訪問を選べる |
| エコ発電本舗 | 価格を抑えたい/まず金額だけ早く知りたい方 | 窓口1社・見積書は即日メール/蓄電池は施工保証15年と同社は説明(北海道は対象外) |
| 東京ガス | 関東1都6県の持ち家戸建てで、大手に直接相談したい方 | 都市ガスの大手が窓口・蓄電池のみの相談も可/提案と工事は提携の販売施工店(島しょ部を除く) |
※全国450社以上と提携し、加盟店は施工実績・財務・法令順守の審査を通過した会社に限られます。個人情報はプライバシーマーク取得企業が暗号化して管理します。申し込んだ後の流れが不安な方はグリエネに実際に申し込んで分かった入口・断り方もどうぞ。
入力は3〜5分。いずれも見積もり無料・契約義務なしです。気になるサービスからお試しください。


家庭用蓄電池を入れるかどうか、判断の順番を本にまとめました
同じ蓄電池でも、得する家と損する家に分かれます。
①我が家に向くか②何年で取り返せるか③どのメーカーを選ぶか④この見積書で契約していいか
4ステップで入れる・やめるを中立に判断し、納得して決められる一冊です。





